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三鷹市断酒会の一泊研修に参加した感想
西武断酒会 村中正義
2024年9月7日(土)~9月8日(日)にかけて、三鷹市断酒会の一泊研修に参加しました。私がこの研修に参加するのは5年ぶりとなります。なぜここまで久しぶりの参加になったかというと、私が責任者をしている西武断酒会は基本月4回週末に開催しており、そちらを優先していたからです。
ただ今回私がどうしても参加したいと思ったのは、西武断酒会のKさん夫妻に参加してもらい、勉強になれば一つの助けになるのではないかと思ったためです。そのような理由で以前から日程の調整をしてきました。
私自身参加し最初に感じたのは、思った以上に、
「本人」(アルコール依存症者、酒害者)よりも、家族の参加者が多かった
ということです。
コロナ前は「本人」の参加数の方が多く、家族の参加者は三分の一程度でした。したがって、三鷹市断酒会にこの五年間で何があったのかが気になっていました。おそらく、私の想像ではありますが、三鷹市断酒会が「家族会」を定期的に開催していることもひとつの要因だと考えます。
毎回、一泊研修の目玉のひとつして「喫茶三鷹」という催しがあります。
夜通しみんなで語り合う自由参加の企画です。
以前の印象だと、家族(特に女性陣)は自分たちの部屋で話すため、「喫茶三鷹」からは早めに引き上げていました。しかし今年は家族の多くが、大体夜11時半ぐらいまでは「喫茶三鷹」にいたかと思います。その状況を見ても、酒害者よりも家族の力量が増したと感じたところです。
さて、「喫茶三鷹」での話はどうだったかと言いますと、断酒の話が中心で、その他にもAA(アルコホーリクス・アノニマス)の話が多く挙がった印象があります。
中でも一番印象深かったのは、西武断酒会のKさんの一神教と多神教に関する考察でした。外国人である彼が、アメリカと日本での暮らしの中から、私たちが発想もしなかったことを発言してくれたこと。これはとても勉強になりました。私はAAであれ、あるいは断酒会であれ、それぞれの会が断酒する人にとって有益になるのであれば、良い部分を積極的に取り入れるべきだと思っています。また、「12のステップ」(AAで用いる回復プログラム)であれ、「指針と規範」(断酒会員の行動指針と原則を示したもの)であれ、それを自分の断酒や人生経験に「活かす」、それができれば良いのではないかと思っています。
断酒というのものは、「○○まで自分はやれた」などと言って、他人に自慢するようなものではないと個人的には思っています。「個人の断酒」が主であり、断酒会はあくまでそれを継続するために「利用する場」であると強く認識しました。この意見については、今回「喫茶三鷹」に参加した仲間たちからも、同様の意見をもらいました。
また、同じ仲間と一晩中語り合うということは、「断酒」に限らず「人生」の勉強にもなると実感いたしました。それゆえ、また参加したいと強く思うわけではないでしょうか。
本来であれば、西武もこのような独自の行事を行いたいとは思いますが、現在の運営資源では難しいと感じています。そうであれば致し方ない。私たちは三鷹断酒会のお世話になって出席し続けても良いのではないか?と感じます。
最後に、今回はアル中本人の参加が比較的少なかったので、私たちの取り組みで「(アル中)本人」の参加者数アップを促す行動を、来年の一泊研修までに実践しようと思いました。
最後に今回の一泊研修を企画・開催してくださいました、三鷹市断酒会の皆様と、当日参加されました各断酒会、そして病院関係者の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。