コラム|お茶について
PN 芦野かちんど(西武断酒会・家族)
シュワシュワする煎茶。葛湯に注いだ煎茶。
最近、煎茶の美を追求するTV番組をみた。意外な楽しみ方がたくさん紹介されていた。
シュワシュワ「炭酸煎茶」の作り方は、こんな感じらしい。
1.茶葉6gに80℃のお湯20mlを入れ、1分おいて茶葉を開かせる。
2.そこに炭酸水200mlを少しずつ注ぐ。ひと混ぜしてグラスに注いで召し上がれ。
本物の葛でつくった葛湯に煎茶を入れるのも、初めて知った。とろっとして、口当たりがよさそう。冷めにくいから、冬にはぴったりかな。
さらに、普茶料理(ふちゃりょうり)が紹介されていた。ウィキペディアによると、普茶料理とは、江戸時代初めの1654年に中国(現在の福建省)から来た禅僧隠元隆琦(黄檗宗の開祖)が伝えた精進料理だそう。「葛と植物油を多く使った濃厚な味で、卓を囲んで大皿に乗った料理を各人が取り分けるのが特徴である。代表的な普茶料理に胡麻豆腐がある」と記載されている。胡麻豆腐は白身魚の刺身もどき、豆腐と海苔で作る鰻のかば焼きもどき、車麩の角煮もどき。普茶料理の特徴の一つがもどき料理だという。創意工夫もだが、茶目っ気も感じる。
「普茶」とは、「普く衆人にお茶を施す」という意味だという。精進料理は食を修行とみるが、普茶料理は幼長女男の別なく食卓を囲んで煎茶と食事を楽しむものなんだそう。なんとも自由でいい。
私は普茶料理をいただいたことがないが、写真を見ると、4人で一つのテーブルで、ちょっとずついろんな料理が並んでいる。大皿に盛られた料理もあり、宴会のようだ。が、酒がある宴会よりお茶の席はもっと自由なのかもしれない。子どもも下戸もアルコール依存症者もその家族も、蚊帳の外にならない。酔った勢いでセクシャルハラスメント、なんてこともない。料理の味も会話も、はっきりわかる。
仏教にこだわらずに現代風にアレンジして、各人が好きなお茶と食べ物を持ち寄って、全員で支度すれば、あっという間に始められるんじゃないか。普茶料理について何も知らないくせに、「勝手に普茶料理」をやってみたいと思う師走の始まりであった。