【松本流星 選手】4戦目で日本王者。まるで武士な無敗の超新星。
松本 流星選手ってどんな人？
★日本ミニマム級王者
★WBCミニマム級22位
★OPBFミニマム級2位
所属：帝拳ジム
生年月日：1998年5月14日 (26歳)
出身：兵庫県高砂市
デビュー：2022年7月2日
通算成績：4戦4勝(2KO)
スタンス：サウスポー
4戦目にして日本タイトル獲得。
先輩方に恥じない心構えで戦った前戦。
ーー前戦はタイトルマッチがいきなり決まったと思うのですが、試合が決まった時はどんな反応をされてたんですか？
最強挑戦者決定戦自体が回ってくるのが遅かったので、びっくりしましたね。
でも、チャンスは1回で掴みたいと思って練習をし続けていたので「見せ場だな」という緊張感はありました。
去年2月の試合が終わった時の自分のランキングは4位で、その前から「試合をやりたいです」と会長へ言っていたんです。
「7月くらいに試合を決めようか」という話にもなっていたんですけど、「挑戦者決定戦がまわってくるかも」という話になったので、試合は挟まずに挑戦者決定戦に備えて練習していました。1戦挟めるのだとしたら挟みたかったんですけど、試合の日程なども決められるわけではないので期間中は練習していましたね。
ーー4戦目でタイトルマッチという大きな機会はコロナ禍の関係もあって羨ましがられるレコードですよね。
そうですね。4戦目でタイトルマッチという大きなチャンスをもらったことは光栄ですし、「ここで負けているようじゃだめだ」と周りに思われていると感じていました。まわってきたチャンスを物にして、先輩方に恥じないようにしないと、という心構えでしたね。
前戦は、相手との波長やお互いがやってきた練習や戦術もある中で、上手くハマってKOで勝てたので正直安心しました。今ジムにチャンピオンが多いのでタイトルを獲った後は、尚更負けていられない気がしています。個人的に嬉しかったのがチャンピオン専用のロッカーをいただけたことですかね。中学生の時から見ていたので、念願でした。
日本ミニマム級 王座決定10回戦
松本 流星（帝拳）VS 森 且貴（大橋）
出典：ボクシングモバイル
まるで武士！
プロ意識が伝わる王者のボクシング論。
ーー岡田真虎選手（JB SPORTS）が挑戦者と決まった時は、どのようなお気持ちでしたか？
前戦、同じ興行に岡田選手が出られていて、岡田選手が勝ったら対戦することは決まっていたので、そこまで構えてもいませんでした。岡田選手のボクシングは上手い印象で、とても気さくで良い方なんだろうなと先月試合発表でリングに登壇した際に感じましたけど、勝負事なので関係なく勝ちに行きたいと思っています。健児さんと幼馴染と聞いて少し気まずいですけどね…（笑）
今回は、初の防衛戦で自分のメンタル面の勝負だなとも思っていて。私生活から油断や隙とかが出ないように日々注意しています。王者としての意識を常に切らさないように意識はしていますね。
ーー油断や隙がでないようにしているきっかけはあるんでしょうか？
いえ、何かきっかけがあるわけではないんですけど…。アマチュアの時に油断してコロッと負けてしまったこともあるので、経験を踏まえて慎重になってますね。
実は、アマチュアの全日本選手権で優勝できなかったらプロにはなっていなかったんです。全日本で優勝できなくてもプロにはなれるし、プロとアマチュアは別物ですけど、覚悟を持たないといけないなと思っていて。覚悟を決めたのが最後の全日本選手権に出場する前なので、そこから食事や生活面のことを気にしだしましたね。
ボクシングを仕事にする時となると体調を整えることは、サラリーマンでいう資料を揃えるのと一緒だと思うんです。コンディションで何か悪いことが起きたら、原因は全て自分の中にあると思っています。なので、そういう時は昨日食べた物だったり、体の中の声とかを聞いたり、原因を必ず追究しています。焼肉とか胃に負担がかかるものばかり食べると、消化することに体力を奪われてしまうので食生活はかなり気にしていますね。
今回もインフルエンザや他の感染症なども流行っているので、予防のために手をたくさん洗っていたら手荒れが最近ひどいんですよ（笑）ハンドクリーム、買っちゃいました。
ーープロフェッショナルですね。言葉から武士らしさを感じます…。
陸さん（増田陸選手）もよく「侍」とか言われているじゃないですか。陸さんと体調面とか食事のこととか色々普段から話すんですよ。この間でいうと、野菜が最近少ないよねっていう話になって…。結局野菜を食べるとなったら最近は根菜ばかりになるよねという主婦みたいな会話をしました（笑）
ーー可愛らしい話題なんですね（笑）そんな松本選手が、今回の試合でアピールしたい部分などありますか？
初めて僕の試合を観る人でも「世界をとれそうな選手だな」と分かってもらえる試合にしたいですね。僕の強みは、リードやパワーだと思っているので、ミニマム級の中でも違うところを魅せられればと思っています。
日本ミニマム級 王座決定10回戦
松本 流星（帝拳）VS 森 且貴（大橋）
出典：ボクシングモバイル
“あの兄弟”に負け続けていたアマチュア時代。それでも諦めなかったのは「夢が原動力」だから
ーーボクシング歴が長い松本選手にとって、挫折経験はありますか？
僕、ワタナベジムの重岡兄弟（重岡優大選手・重岡銀次朗選手）にアマチュア時代のインターハイ、国体、選抜大会の決勝でずっと負けているんです。兄（優大選手）の方には1回勝っているので、1勝9敗ですね…。
年的にも兄弟に挟まれているので、兄に負け続けたと思ったら、弟が出てきて負けてっていう流れでした…。1回だけ自分が勝っていたなと思った試合があったんですけど、負けてしまった時は「やってられないなぁ」と正直思いましたね。内容自体は良かったので結構悔しかったです。
プロになってからは重岡兄弟とは関わりはないんですけど、大学時代の時に優大くんが先に大学を辞めて「飯、行こうよ」と声をかけてくれて1回だけご飯に行きましたね。
ーー松本選手にもそういう経験があったんですね。「やってられないなぁ」と思った時からどのように切り替えられたんですか？
元々プロの世界に行くことが夢で、ずっとアマチュアでボクシングを続けようと思っていなかったんです。だから、そこまでこだわっていなかったし、割と切り替えられていましたね。夢が原動力になっていました。
自分は、中学の頃から帝拳ジムにはお世話になっているんです。中学時代の春休みを使って1週間スパーリング合宿の形で東京へ来た時に帝拳ジムにもお邪魔しました。
そこでテレビの中で観ていた西岡利晃さんや山中慎介さんらチャンピオンが練習している姿を見て「ここで練習したい」とポツリと呟いたら、親父が本気にしていつの間にか転校してました（笑）だからこそ、この前チャンピオンになってロッカールームをもらった時は感慨深かったんですよね。
出典：ご本人Instagram
趣味は神社巡り！アウトドア派の松本選手のプライベートのお話。
ーー休日はどこかお出かけされていますか？
この前、日光東照宮に行きました。元々、神社へ行くことが好きで、神社巡りをしているんです。明日も千葉県の香取神宮へ行ってきます。たまたまなんですけど、勝運の神様がいるらしいんですよ。
今までで行った神社の中で一番良かったのは三重県の伊勢神宮ですね。あそこだけ別世界みたいな雰囲気でパワーをもらえます。神社へ行くまでにカフェ巡りをするのもすごく好きです。
出典：ご本人提供
何が起きるか分からない。
王者の今年の目標はとは？
ーー松本選手の2025年の抱負はなんでしょうか？
「負けないこと」ですね。
去年の今頃は、まだ日本ランキングに入っていなかったのに9月に日本タイトルを獲ることができて…。去年は、人生何が起きるか分からないと思い知らされた1年でした。
今は、世界ランクに入っていないですけど、いつ入るか分からないので常に気を引き締めて1戦1戦良い内容で勝ちたいと思います。
★U-NEXTでの視聴はこちらから
2月1日（土）17時35分配信開始 17時45分試合開始
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000007880