きちんと伝えるのも思いやり
今日も一日、銀行の店舗改善指導です。
お盆休みでも、銀行は営業しています。平日より、お盆の方が来店されるお客様が多いです。
昨日伺った支店では、開店前からシャッターの前で数名のお客様が並んで待っていらっしゃいました。
三連休明けの月曜日、お盆で普段はお手続きに来られないお客様も多く、ロビーのイスはあっという間に埋まり、「1時間待ち」という表示がお昼前まで出ていました。
店舗改善指導を担当させていただいている銀行全体で、人員削減や支店の閉鎖が続いています。人だけでなく、手続きに必要な機械の台数も減らされています。
来店されるお客様もかなり減りましたが、来店される方の多くは、銀行でなければ手続きできない内容のため、1件終わらせるのに時間がかかります。
手続きするための機械が減っていますから、お客様が重なると待ち時間は長くなります。
ロビーが混雑していなくても待たされるのはそのためなのですが、お客様にはなぜ時間がかかっているのかわかりません。
一方、手続きを行う担当者は、待っている人が多くなると、途端に焦りはじめます。少しでも早く手続きを終わらせなければという気遣いなのですが、黙ってピッチをあげて手続きをしても、大幅にスピードアップさせることはできません。
せっかく必死で終わらせたのに、お客様は不機嫌なまま帰られたら、相手のためにやったことなのに報われません。
改善指導で訪問するどこの支店でも、このようなことが起こっています。
私がお伝えしているのは、
①「自分ができることのメリットには限界がある」というを認識すること。
②時間がかかること、時間がかかってしまったことを、言葉で丁寧に伝えること。
いつもこの2つです。
この2つを実践することで、お客様の不安や不満を解消することができるし、自分自身が追われることなく、仕事に取り組めます。
さらに、他の人にお願いできることなら、お願いすれば、無駄な時間を削減できます。
昨日、改善を提案させていただいたのは、
③書類1枚取りにいくのに、わざわざ自分が室内に入って取りに行くのではなく、室内の人に頼んで窓口越しに受け取る。
④お客様に尋ねられたことは、手続きのときに担当者に引き継いで、担当者から確実な内容を回答してもらう。
④については、ロビーの担当者がお客様に尋ねられたからと言って、お昼休憩中だった担当者を探して確認しようとしたために、10分以上、ロビーを空にして、他のお客様をお待たせしてしまいました。
頼んだり断ったりは、相手の意向に添えないため、悪いな、迷惑かけてしまうな、という気持ちになります。
しかし、対応の中に取り入れることで、対応の幅が広がり、自分自身の不安な気持ちを思いやりに変えることができます。
相手に対しての思いやりとは、相手の状況だけ察知してなんとかしてあげようと思うことではありません。
自分自身の状況を伝え、何が一番の対応なのかを一緒に考得て見つけること。自分には、その心づもりができていることだと思っています。
お客様のためだけでなく、自分自身も「安心」は大事ですね。
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