ADHDの子供達に運動を沢山させてあげよう!!
初めまして。自分は理学療法士を目指す専門学生の紀平と申します。
今回は教育分野にスポットを当てて情報の共有をしていきたいと思いますのでよろしくお願いします^ ^
早速本題へ行きましょう!!
今回は子育てする親御さんや教育現場に働く先生にも是非見ていただきたい内容です。
テーマは『ADHD(注意欠陥・多動性障害)』です
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は昨今においてもニュースで聞く場面が多くなってきました。
学校や教育現場では、生徒の一人が授業中に立ち歩いたり大声を出したりして落ち着きがない子が増えたという人もみえます。
もし、それが頻度や大きさが増してくるとそれに関する投薬をする程になるとも聞きます。
そこで今回は、
①どんな環境が子供たちに向いているか
②情報量に左右されず、子供の選択を待ってあげること
③気分の不安定な子に対して姿勢を観察してみる。
以下の内容でお話させていただきます。
1.発達障がいの子供達が成長しやすい環境についての考え方
ADHDは現在、成人した大人にも落ち着きがなかったり適切な人間関係や距離感をとれない人もいることから子供だけに起こる話ではないと考えられています。
世間が抱くイメージには「落ち着きがない、集中力が続かない」といったネガティブな印象を与えることが多いのではないでしょうか?
その印象が影響するのでしょうか。学校のクラスにおいてもADHDの子供たちが通常学級に馴染めずに特別クラスや療育施設利用につながることが多いと感じてます。
ここでは、施設の利用だけに限定せずに環境調整で将来的に社会生活を送れるかもしれない可能性を提示させていただきたいと思います。
以下の調査結果をみて一緒に考えていきましょう!
ある科学者のグループは17人のADHDの可能性があるとされた子供たちを対象に8週間にわたって授業が始まる前に心拍数が上がる程度の普段とは違う遊びをするようにした。
その後、集中力や協調性を調べる心理テストを受けた結果、3分の2を超える子供に集中力の改善が見られた。
また、行動の抑制が改善されたといいます。この項目はADHDで最も特徴的とされる些細なことに対しても衝動的な行動にならないようにするために自制することが苦手な点で有用だとしています。
別で行われた研究においても200名規模にて類似した内容の調査を行った結果、ADHDの兆候を持つ子供に効果があったとされています。
つまり、運動が好きと捉えることもできます。
私たちは前文にもあるように注意力が極端に欠如したりADHDといった症状に対しては好ましくない特性だと考えがちですが、診断名が下る前にも印象が悪いことは確かです。
「結果が出るのをじっと待つのが嫌いで、多くのことを成し遂げようとする。」また、成功したビジネスリーダーや起業家の多くにADHDの特性がみられることは稀ではない。
こう言った視点でみてみると所属する環境によっては可能性を秘めていると思いませんか?
事例を挙げるとケニア北部の砂漠にあるアリアール族といわれる民族にはADHDが決して不必要でない特性だと教えてくれるのです。
この民族は何千年も前の暮らしのスタイルを変えずに水や肥料を求めて家畜を育て、移動する生活を続けている。しかし数十年前にこの部族は突然2つに分かれました。1つは定住を決めて農業を営んだのです。もう一つは以前と同じ暮らしを続けています。
このアリアール族の血液を採取して「DRD4」という遺伝子から一つの内容にいきつきました。全人類がこの遺伝子を保持しており集中力にはこれが欠かせないというのです。
そこでは、定住という新しい生活を選んだ人のなかにADHDに関与する特性を持つ人がいることもわかりました。
そこでわかることは、衝動性や他動性は迅速な決断が必要で活動的な環境で暮らす狩猟民族にとっては有利な点があるということです。対して農耕民族はすばやく行動する必要がなく長期的な目標と忍耐強さに長けた人が向いているということです。
しかし、冷静に考えると現代に求められているのは前者よりも後者が多い印象にあります。今では狩猟や歴史書にあるような大冒険をする必要がほとんどないからです。
これらについて知っておくと活躍の場やADHDとの共存において、もしかしたら前向きになる時代もそう遠くないかもしれません。
自営業する人、社長になる人、人命救助する人、人に何かを教える人etc...
こういった分野で活躍できるのはきっと農耕的な人よりも断然に狩猟的な人だと思います。
そういったことを理解につなげて伸ばせる土壌があればADHDの子供は間違いなく現代社会でも通用します。
ただ、大きな壁として日本は諸外国に比べて開業することよりも会社に所属してサラリーマンとして働くことが美徳だと考える民族性が高い傾向にあります。
考えて欲しいのは、社会的集団に馴染めないなら自分が好きな集団を作る選択肢を提案したらその子たちは誰にも負けない個性を手にする可能性を秘めてるということです。
是非、私達大人がその道を無理に閉ざすことなく広げてあげることもあるよと一緒に考えていきましょう。
2.現在の情報量や刺激の量を数値化すれば誰もが適応するのに難しい話
ある専門家の話によると、今の情報やデジタル方式の中心の時代は人類が始まって2003年までの分量に相当する情報がたった2日で生み出されるといわれます。
そんな情報量や刺激になる環境があるのですから私たちの大きな進化を遂げない脳からすれば集中力が続かない事例が出るのも納得できます。
子供ならなおのこと情報を沢山吸収できる上にまだその使い方に慣れてないこともあるはずです。
「そんなに情報が多くて大変な世の中だったら私の子供はもっと机に座ってきちんと勉強させるべきだ!!」
すこし、待ってください。それよりも勉強前に走り出さず発達障がいの子が落ち着いて座ることができるかもしれない方法があるのです。
それは情報を適切に選択して多くの集中力を得るのに必要なのは私たち現代人が不足しているといわれるある習慣を再認識する必要があります。
それが「運動」なのです。
アメリカの研究チームが国内の若者3200名を対象にして23年にわたる大規模な調査を行いました。
それは調査の実施する期間に若者が身体を動かした度合いやテレビ前で過ごした時間を記録します。そこで記憶力のテストや心理テスト、集中力、認知処理・思考の速度を調べました。
その結果、座りがちになった被験者がそういった知的能力が損なわれており、とりわけ座る時間が長く、1日3時間以上じっと座った人は惨憺たる結果だったとのことです。また、不安やうつの傾向も示唆されています。
また、5分程度の運動だけでも子供の集中力に加えてADHDの症状の改善までもたらしたとされてます。
その研究の内容は17歳の一卵性双生児200組を対象に14項目に分かれた質問リストに注意力、多動性、衝動性といった項目に回答する。そして3年後の20代に同じ質問をともに保護者に回答を求めた。
その結果、余暇に身体活動を行った被検者が抜きんでて集中力が高くなっていた。これは日ごろ活発に身体を動かすほど集中力を高めることが証明されているのです。
同じ身体能力である状況がある想定で双子のうち一人は身体活動をし、もう一人は静かに過ごした場合によっても身体活動の方がもう片方よりも集中力が優れていました。
例としてまとめるとこんな感じになります。
新しい介入として勉強する前に時間を作って子供と一緒にストレッチや体操のDVDをしたら『勉強しなさい!!』と怒らなくても自発的に勉強するかもしれませんね。
参考までに文献にて紹介された運動の種類の例についてまとめました。
よければご覧ください。
・筋トレよりも有酸素運動:これは身体に負担をかけるほど(心拍数を上げる負荷)ドーパミンやノルアドレナリンが多く分泌されるため
・理想の心拍数:最大心拍数(220から年齢を引いた数字)の70~75% 例:220-29の70~75%=約140回程度
・運動は朝が理想:集中力を高めるのは朝が最もいい。少し早い時間に起きて約30分を続けてみる。
・運動量はおもあれひとまず低強度でも習慣化してみる:改善効果を示すまでにしばらくかかり即時的な効果は示さない。継続していきましょう!!
3、落ち込んだ子供をみたらそれは姿勢のせいかもという話
次に子供が落ち着かない原因が実は姿勢かもしれない内容について紹介します。
ある人物が「何気なくとる姿勢が感情のバラメーターになる。」といいました。
そのある人物はパリ医科大学オステオパシーマニピュレ―ション学科にて講師などを務めている理学療法士のジャン・ピエール・バラル氏です。
また、こうも話してます。
「私たちが立つ時の最も良い姿勢というのは両足を少し外旋(股関節を中心に太ももを外に回して臀部をキュッとしめるような動き)させてその位置に足をしっかり構えて胸郭を前方に押しだした状態」としています。
その両足を外旋する目安については時計の針の11:05を指している位置関係としています。
いわば、つま先〜膝を垂直上でYの字にして胸を張る姿勢が良いと言えますね。
もし、以下の画像のように姿勢が大きく崩れたら人の身体がどのようになるか以下の内容を見ていきます。
・少し屈曲肢位の膝関節は自信の欠如や躊躇、恐怖感、内向心を意味している。対して伸展した状態は闘争心,説得意欲の表れとなり頭の位置によっても挙動の傾向もつかむことができる。
・腕を上げたまま頭を上げた(上肢の屈曲位から頭部の後屈をする)姿勢を長時間続けると小脳の血流が悪くなり転倒の危険性が高くなる。例えば背中が丸まって肘掛けに腕全体を乗せた姿勢は転倒しやすくなる。
・「むち打ち症」などの外傷を受けると一時的な記憶喪失がおこるケースがある。反復した関節の運動による痛みが負のメッセージとして脳へ伝達され脳がネガティブなことすらも記憶する傾向になってしまう。
以上のことから不良姿勢によってうつやネガティブな気持ちになりやすい。逆もしかりでネガティブになると猫背といった不良姿勢になりやすくなることがわかります。
教育では姿勢のことについて細かく見ることはありませんが現在は防犯の観点もあって成長期にあたる子供たちも携帯やパソコンといった前かがみの姿勢になりやすい環境にいる機会が多くなっています。
もちろん、不良姿勢によって血流不良や集中力にも影響をおよぼすので昔よりももっと姿勢について親御さんは観察する必要があるかもしれません。
現在、小学生の子供たちにも片頭痛、肩こりで整体院に通院する子供たちがいるという記事もみるようになってきました。
是非、子供達に姿勢をマネジメントして環境以外でも勉強に取り組みやすい工夫を見つけていただければと思います。
今回は編集の関係で省略しますが、また機会ありましたら理想とする姿勢の作り方についてもシェアさせていただきますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回はADHDの子供達向けの教育内容について例を挙げていきました。
現在、ADHDは社会的にもネガティブなイメージを抱きやすいことは否めません。
とらえ方を変えれば周囲に否定的な反応をされる特性でも環境やマネジメントを行うことで、大きな役割を与えることができます。
是非、子供に全員と同じ道を強要するだけでなくいろんな選択肢を模索すれば親も子供も両者が成長につながると考えてます。
読んでいる皆様のヒントになることを心から祈っています。
今日、参考にした書籍も良ければ是非ご覧下さい。
今回の発達障がいのことだけでなく脳機能についてもとても分かりやすく読むことができます。
また、姿勢について考えたい人は2つ目の本も読んでみて下さい。
参考にした書籍 ➀
「一流の頭脳」
著者:アンダース・ハンセン
訳者:御船 由美子
発行所:株式会社 サンマーク出版
発行年:2018年
参考にした書籍 ② 「関節のメッセージを聴け!」 著者:ジャン・ピエール・バラル 訳者:野原 道広 発行所:科学新聞社 発行年:2015年
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