脱毛器はいいぞ~己の毛(コンプレックス)と向き合った2021~
脱毛器はいいぞ。
「毛を処理しない自由だってある」とも叫ばれる時代だが、聞いてくれ。
脱毛器はいいぞ。
どこのがオススメ!っていうのは、正直ない。安全なら、安いものでいいと思う。
まぁとにかく、脱毛器はいいぞ。
脱毛器のなにがいいのか
セルフ脱毛とは、コンプレックスと向き合い、それをどうできれば許容できるか、妥協点を見つけることだと思う。
脱毛をするには、己の毛が生えてるところを見つめなければいけない。己の毛をコンプレックスだと感じてきた人間には、テンションが下がる時間だ。
その毛が、だんだん薄くなるさまを見て、「よし。このくらいなら許せるな」と思える状態にするのが、セルフ脱毛なのだ。
ゆえに脱毛器をおすすめできるのは、現在進行形で己の毛を恥じていて、剃るなり抜くなり、なんらかの処理をしている人。「別に生えててもいいよ」「前は剃ってたけど、今はまあいいかって感じ」という人は、そのまま毛を恥じないライフを謳歌していてほしい。
己の毛を恥じた私が、セルフ脱毛にたどりつくまで
私が脱毛器を買った理由は、ドロンジョ様のコスプレがしたくなり、「ドロンジョ様に毛はねぇだろう」と考えたためだ。
しかしこれは、きっかけにすぎない。私も結局、己の毛を恥じていたのだ。
小学三年生くらいから、脚や腕の毛が、周囲より濃いような気がしていた。四年生のある日、通っていたスイミングスクールで「脇毛生えてるよ」と指摘された。
今思えば、周囲より濃いというよりは、早かったんじゃないか、という気もするけれど。
私は、己の毛を、めちゃくちゃ恥じた。しかしおかまいなしに、あちらこちらから毛は生えてくる。しかもカミソリで剃るたびに、毛はガンコになっていく気がする。
それはそうだ。毛は毛で、私の身体を守ろうと、必死だったのだろう。
高校生で電車通学をはじめると、脱毛サロンからの「毛を抜け」アピール広告が目に入った。
そりゃあ、毛がなければ、いろいろハッピーだろうな。だけど施術をしてもらうには、己の毛を、コンプレックスを、初対面の他人に晒さなくてはいけないんだろう?
できないよ、そんなの……。あと普通に、そんなお金ない。
そして結局、剃ってはガンコになる毛を、剃り続ける日々を送っていたのだ。昨年までは。
一度恥じたものを「ありのまま愛する」はムリだから
己の毛を、剃って焼く。日に日に弱っていく毛を、また剃って焼く。
なにも生えていない、つるつるの肌にはなっていない。けれど、一週間剃らなくても、半袖が着られるくらいにはなった。処理も楽だ。
ちなみに今年は、ノースリーブを着て、外を歩けた。今まではかわいいノースリーブを買っても、上着なしでは着られなかったのに。
私と毛は今、妥協点にいるのだと思う。「完璧な状態ではないかもしれないけれど、このくらいならいいよね」と、認められるような。
そしてこの「いいよね」こそ、自己肯定ってやつじゃないだろうか。
誰にだって、毛は生える。それは事実だし、悪と言うべきでは、ないのかもしれない。
だけど一度恥じてしまった人間には「生えた毛ごと、ありのままの自分を愛しましょう」なんて、ムリなのだ。
コンプレックスを「ありのまま愛する」ではなく、「一度向き合って、どうすれば愛せるかを考える」も、ありだと思う。
というわけで、最後にもう一度言わせてくれ。
脱毛器はいいぞ。
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