『僕のヒーローアカデミア』を見返している。総人口の大半が個性という名の超能力をもち生まれる社会。あるものはその能力を私利私欲に用い、あるものは平和を維持するために活用する。1人の少年の英雄譚と言ってしまえばありきたりな少年漫画になってしまうが、全ての登場人物が葛藤し、それぞれの正義と共に戦いつづける。
異常な執念と共に
昔から、何かにハマっては飽き、好きになっては、いつのまにか滾らなくなっていく。三日坊主という四字熟語がこの世に存在するおかげで、周りも同じようなものだと言い訳にしてたくさんのことを投げ出してきた。
投げ出すと言っても、好みや趣味嗜好は年齢や環境によっても変わるだろうしそもそも変わったとて悪いことではない。生まれてから物心ついてから迷い惑わされず、ただまっすぐ歩けるほど人生、この世の中甘くない。その時はそう考えるしかなかったと思いでどんどん丸く磨かれていく。
我々は動物の一個体であって神や悪魔の類いではない。身体は乳酸が溜まって疲れるし、心には靄がかかり鈍っていく。どんな状態にも化学が症状として答えを与えてくれる。次第に、答えを探すことに楽しみを見いだせなくなり、答えがすでにあるところへと飛び込むようになる。なかなか限界寸前で未知を探す機会などそうそうなくなってしまう。
才能とは努力できることだと人々は言うが、努力は報われると言う気持ちだけで、前向きな面持ちだけで続けられるとは思えない。
より大きなものへの憧憬、許せない過去への憎悪、頭というよりは心のどこかで考えるまもなく膨れ上がった執念が、思考と身体をどこかへと突き動かしていく。どこへ向かうかもわからないまま、身体を突き動かす執念こそ、人それぞれの最大の個性なのではないかと思う。