【2/2xデーはじまりの日】
今日から丁度1年前。
2022・2/2
荻窪の泌尿器科の先生に告げられた事を今でも覚えている。
「単刀直入に言うよ癌だね。」
23歳の僕にはあまりに突飛なセリフだった。
理解が追いつかない僕の頭は予約のお客様でいっぱいだった。
というか逃げたかったんだと思う。
お客様とお客様の間の時間を縫って病院に赴いていた為刻一刻と予約の時間が狭る。
詳しい話を聞いてる暇はない。
とりあえず代わりのものが聞きに来ますのでと
病院を後にした。
普通じゃない。
そもそも代わりに聞く方の身にもなれよと今は思う。
ただ、その時の僕はお客様がいて救われたと思う。
直面するまでの時間をいただけたから。
予定通りに来ていただいたお客様をしっかり担当し、何食わぬ顔でお見送りした。
心がめっちゃ痛かったのを覚えてる。
「また次回もよろしくお願いします。」
その言葉を言うにはあまりに無責任だった。
代わりに聞きにいってくれたお店の仲間から詳しい話を聞く。
会話も録音してくれており大変助かったのを覚えてる。
とりあえず明日板橋の大きい病院に行くらしい。
人生で初めての大きい病院。
社長は朝早く仕事もある中で車で送ってくれた。
とても温かかったし、強がりな僕を理解してくれてる社長には本当に頭が上がらないなと思う。
そんな始まりの2/2。
ちなみに2/2は父の誕生日。
最悪の誕生日プレゼントだったなぁ。
親不孝になっちまったなぁ。とか。色々考えたのを覚えてる。
まぁ、そんな人生史上1番最悪の日から1年が経った。
抗がん剤も全クール終了。
腫瘍マーカーも安定。
途中撮ったCTも問題なし。
これで一旦ようやく一区切り。
長かった。とても長い1年だった。
でも、長い1年はいい1年だ。
この1年で沢山の事を想い、感じ、学んだ。
きっと未来永劫
どんな1年だった?と聞かれたら。
「大変だったよ。」と答えると思う。
でも必ず僕はこう付け加えるだろう。
「24年迄の中で1番良い1年だった。」
と、
そんな、1年を明日から本当にゼロから今日までを振り返ってこうと思います。
拙い文章になると思いますが
読んでいただけたら嬉しいです。
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篠原大也