僕は自分のBarの所有をやめてみることにする。
僕は店舗を所有することをやめた
Im home bar LAFF+をPay as you wish にする理由。
こんにちは。だいです。
コミュニティアーティストです。
今回はIm home bar Laff+という、僕がはじめて4年目になるBarを2月から
「Pay as you wish-あなたが払いたい金額だけ払ってください-」システムに変更しようとしています。そのシステム導入に至る経緯と思いをつれづれなるままに。
Im home bar LAFF+
「ただいまが言えるBar」
がコンセプトのおんせん県大分市中央町にあるBarです。
うちの店はなかなかユニークでして、
お客さんがお皿洗いをしたり、ドリンクを作ったり、ご飯を勝手に作ったり、常にお土産が集まってて、マスターがお酒で潰れたときには伝票を自分で書いてお金を払って帰ったり、お店に泊まったりします。
もうそれが普通でユニークとすら思わなくなってきました。それが最近、いろんな方から「面白いよね!」って言ってもらえることが増えて、僕らの店は特殊なのだと再認識しました。w
ほかにも
多分史上初、売上を公開したり、
毎週金曜にカジノをやったり、
マスターがヴィパッサナー瞑想に行ったときは10日間日替わりで一日店長企画をやったり、
ハロウィンには土を400キロ持ってきて店内に畑を作ったり、
エイプリールフールにはBarをやめてホストにしますと嘘を付き、1日だけほんとにホストクラブをやって、店内改装に16万円かけ、キャスト9人でシャンパン60本あけて、さらにはお世話になっている社長さんから開店祝いの花が届いて次の日に土下座しに行くということをやらかしたり、
常連40人でリアルdash村「あたらよ」を作って、
半年で来村者300人以上、地域の祭を復活させ、はじめての畑をやってみたり地元の高校とコラボしたり、鹿をとってみたり、ビールやピザ窯を自分たちで作ってみたり、
https://www.instagram.com/atarayomura/
なんだかんだ楽しくしています。
最近はゆるくやりすぎてお金がなくなってきたので、リアルdash村で作っている野菜とジビエを使ったコース料理を作って、みなさんにお願いをして予約してもらえるように頑張っています。
そんなIm home bar LAFF+で今年の2月から「Pay as you wish」方式を取り入れます。
「Pay as you wish-
あなたが払いたい金額を払ってください-」方式とは
商品の価値を「提供する側」ではなく「受け取る側が決める」というもの。
Barだったら「カクテル1杯700円」と店側が決めるのではなく
お客さんが「このカクテルは美味しくないから100円だな」「今日は楽しかったから10000円払いたい!」という風に価値を決め、支払うというシステムです。
「ドネーション(投げ銭)」と言われたり「Pay what you want」と言われたりもしています。
海外ではすでに認知されていて、いろんな飲食店が「Pay as you wish」方式を採用しています。
http://value-design.net/wordpress/?p=4874
https://new.akind.center/201610/pay-what-you-want/
http://heapsmag.com/「値段」のない小さなレストラン/
うちの店が「pay as you wish」方式を採用する理由。
理由は2つ。
1,世界平和を目指して生きているけど、飲食店業界自体が世界平和から遠いところにいるんじゃないか説。命のありがたみを忘れさせて、家族団欒の時間を奪っているのは飲食店じゃないか?何かを変えなければ。
2,100年後の飲食店を考えたときに、飲食店はロボットがいるチェーン店化するかコミュニティ化するかの二極化になると思ってる。もちろんコミュニティアーティストといては後者を残していきたい。
まぁ難しいことをまとめて簡単に言うと、
「優しい世界を作るために、居場所とコミュニティを作りたい」ってことだな。
資本主義から半歩足を踏み出せるような、飲食店の未来を示せるような、
コミュニティの新しい形、みんなの居場所にするための実験をしたいと思ったのだ。
「pay as you wish」の本質は
本当の意味で「Give&Give」ができるかどうかだと思ってる。
ネットで「pay as you wish」を調べてみれば、
「pay as you wish方式は大丈夫?通常より儲かるの?」とか
「通常より1〜2割多く払うデータがある」とかばかり。
そういうのも大事なんだろうけれど、なんかちょっと違う。
僕も最初に「pay as you wish」をしようと考えたときは
「いかにお客さんからたくさんお金をもらえるか」「ほんとに少ししか払わないお客さんをどうするか」「もしタダでめちゃくちゃにする人がたくさん来たらどうしよう」「やってるお店はNPO法人が多いからうちもNPO立ち上げようか……」
なんてことばかりが頭に浮かんだ。
でもふと我に返って、チャレンジするのに僕自身が全然わくわくできてないことに気がついた。
そこから本当の「pay as you wish」とはなにか?を考えて
見返りを求めず、まずは僕からお客さんにただ与え続けることを挑戦しようと決めた。
ご飯もドリンクも時間も経験も空間もすべて与え続ける。
1円でもありがとうの言葉でもお皿洗いでも少しでも与えてもらったら心からありがとうを言う。
みんなで与え合いながら一緒にお店を作っていく。
お店が潰れないように、みんなが幸せに生きていけるように。
そんな世界はワクワクするなと思った。
見返りを求めずただ与える。
これがどれだけ難しいことか。リアルに考えてみたら悩んでしまう自分に少し嫌悪する。
ただ世界が「Give&Give」になったらそれはすごく優しくて平和な世界だと思う。
でも赤の他人に急に「Give&Give」はしにくい。
だからぼくは、拡張家族を作っている。
血縁でも地縁でもない「意識」で繋がる家族を作る。人類みな兄弟。相手のことを自分事にし、広がりながら深まっていく1つの生命体のようなコミュニティ。
ただ与えることの喜び。
みんなが所有をやめ、みんなのために与え続ける。
そしてそれがデフォルトになって、世界が一つになればそれは幸せだと思う。
コミュニティをもっとアップデートさせ、より世界平和に近づくように、まずはうちの店から「pay as you wish」システムを導入してみたいと思う。
拡張家族コミュニティの他に「pay as you wish」システムにすると、例えば親御さんが忙しくて家で一人でご飯を食べている子どもや、ご飯を満足に食べられないような方々にも家族のみんなとご飯を食べる機会を持ってもらうこともできる。
飲食店から善意と信頼の輪を広げ、街や地域で助け合うこと。政府の対策や社会のシステムに頼ってしまうのではなく、自分たちがよりよい社会を作っていこうとする挑戦をしていくことになる。
素晴らしい「Give&Give」の世界じゃないか。
具体的にどういうルールになるか
1,何を食べても何を飲んでもおっけー。
支払い方法はpay as you wish〜あなたが払いたい金額だけ払ってください〜
2,Laff+はすべてを与えつづけます。
"自分のもの”を”人に”与えるという自分と相手の境界線がなくなるように。1つの優しいコミュニティ、生命体になれるように。
それでもやっぱり他人として、お互いを尊重し、境界線をちゃんと引いて自分のものを人に与えるという感覚を常に持ってお互いが高めあえるように。
3,基準がわからない、決めてほしい場合は
ドリンク・フード1つ500円、チャージ500円分計算していただきます。
4,ラフプラスの固定費
家 15万円/月
光熱費 5万円/月
水道費 1万円/月
オーナーの給料 10万円/月
お酒原価 100円/杯
計 31万+原価分(多分月10万円くらい)はないとLAFF+は潰れてしまいます。それだけは今のところは避けたい!w
5,pay as you wishの通常営業だけでやっていけるかわからないからコース料理だけはお金をしっかりほしい。w
LAFF+では3000円のコースと3500円のコースを用意しています。(4名以上)
LAFF+のお客さんで作っているリアルDASH村で採れた野菜とジビエ、そして果肉たっぷり入ったフルーツカクテルを中心にめっちゃがんばってコース料理を作ります。
みなさんお願いします!
団体で予約してください!w
団体で予約はいる→お客さんを雇って手伝ってもらう→お店は儲かる、お客さんは楽しい、働いてお金もらえて嬉しい。三方良し!心のないチェーン店はたまにでいいだろう。思いのある店を選ぼうぜ。それが100年後の飲食店の未来に繋がる。ロボットが作ってるチェーン店ばっかりになったら寂しいだろ?
そんな感じ。
もっとここから「pay forward」(お会計が500円のところを1000円払って次に来た人やお金を払えない人に500円先送りするシステム)みたいな制度をプラスしてもいいし、対価をお金ではなく時間や労働で払えるボランティア制度を取り入れてもいい。個人のスキル(アクセサリー作りや野菜の販売など)が発揮できるスペースを作ったり、チップ制度を作ってみたりしても楽しそう。
こんな風に、みんなで作りあげていくお店にできたらいいなと思っている。
そんな取り組みをします。
みんなで楽しく、いい感じの世界を作ろうぜ!
田浦 大(Dai Taura)コミュニティアーティスト
株式会社やまとうた代表 / 拡張家族あたらよ発起人 / Im home bar Laff+オーナー / イジゲン株式会社
「人が自分らしい豊かな人生を送る”居場所” をつくる」をミッションに大分を拠点に新しいコミュニティや場を創るコミュニティ・アーティスト。みんなの居場所「ただいま」が言えるコミュニティをベースとしたBAR、LAFF+の経営、年間400人が来村する40人のミレニアル世代と地元の村民 が交わり「拡張家族」をコンセプトにともに村をつくるリアル版 DASH!村「あたらよ」を立ち上げ。その他、CAMPFIRE 大分代表、イジゲン株式会社との提携など幅広く活動。2016年より世界経済フォーラム Global Shapers 選出。
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