糖を抜くと、筋肉分解されるの?脂肪が分解されるの?
こんにちは!
体調不良・病気で苦しむ人を1人でも減らしたい
東大薬学部卒アンチエイジングアドバイザー
福嶋大介です。
今回は「糖を抜くと、筋肉分解されるの?脂肪が分解されるの?」について記事を書いてみました。
エネルギーとして多くの人が糖分エネルギーにしてますよね?
だから糖分が枯渇してしまうと危ないんじゃないか。
糖分はきちんと取りましょう。
そういう話があると思います。
結論
"脂肪燃焼が優先される"のですが
なぜだか説明できますか?
早速見ていきましょう。
●体内の糖分がなくなったらエネルギーはどうするの?
糖分エネルギーがなくなっなら
他のものを材料にエネルギーを作ります。
ここで候補になるものが2つです。
・タンパク質
・脂質
*食物繊維は他の動物ではメインエネルギー
になりますが人間には効率よく草食動物として生きる機能がない(退化している)
●標的は筋肉か、メタボかの二択
イメージしやすいように
タンパク質をエネルギーに→筋肉を分解
脂質をエネルギーに→メタボを分解
とした時に
どちらが優先的にエネルギーとなるでしょうか?
●筋肉分解と、脂肪分解と、どっちが優先されるの?
優先は脂肪分解です。
いろんな理由がありますが
まず
①筋肉分解は最終手段
体の土台となる筋肉を優先的に分解していくぞ!
「筋肉無くなって、骨と脂肪だけになってきた。
スライムみたいにどんどん溶けてきた。
脂肪は燃えなくて筋肉だけが分解されてるからだ!」
なんてことにはならないですよね?
また
ジョギングしても
脂肪分解が優先されますよね?
ジョギングして
「脂肪よりも筋肉が分解されるよ!」
みたいなことがあったら
長い人類史で
「ジョギングして脂肪を燃やそう!」
という人は1人もいないはずです。
もしジョギングすると脂肪じゃなくて筋肉が分解されるなら。
ただし
ある条件になると筋肉分解も始まるので過度なトレーニングはおすすめできないというだけですよね。
②"筋肉からエネルギーをつくる"はエネルギー消費が必要vs"脂肪酸からエネルギーをつくる"はエネルギー消費がいらない
筋肉からエネルギーをつくる
糖新生経路は
"エネルギーをつくるのに、別でエネルギーが必要"
一方で
脂肪酸からエネルギーをつくる
ケトジェニック回路は
"エネルギー使わなくよい→触媒のビタミンミネラルがあればスムーズに分解が進む→エネルギーが、余計なエネルギー消費なくつくれる"
つまり
前者は
エネルギーつくるのにお金かかる
後者は
エネルギーつくるのに無料でできる
そりゃ後者が人気ですよね。
③ 筋肉分解は回復が遅く、脂肪分解はエネルギー供給に安定性がある
筋肉分解が進行すると、壊れた筋肉を回復するのに時間と栄養が必要になります。
筋肉を再合成するには、タンパク質の摂取と筋トレなどが不可欠です。そのため、体は筋肉をあまり積極的に分解したくない傾向があります。
一方、脂肪分解によるエネルギー供給は、安定していて長時間持続するため、体は脂肪を優先して分解し、エネルギーを得ようとします。
④ 脂肪分解は代謝副産物の蓄積が少ない
筋肉分解では、タンパク質がアミノ酸に分解され、糖新生が行われますが、その過程でアンモニアや尿素などの代謝副産物が発生します。
これらは体に負担をかけるため、頻繁に筋肉を分解するのは不利です。
脂肪分解では、主に脂肪酸とケトン体が産生され、副産物が少なく、エネルギー代謝にとって効率的です。
⑤ 筋肉分解は免疫力の低下につながる
筋肉が分解されると、免疫系の働きにも悪影響を与える可能性があります。
筋肉には免疫細胞を支えるタンパク質が含まれており、筋肉量の減少は体の防御機能を弱めます。
そのため、体は極力筋肉分解を避け、脂肪を優先してエネルギー源にすることで、免疫力を維持しようとします。
⑥ 脂肪はエネルギー貯蔵としての役割が大きい
脂肪はエネルギーの長期的な貯蔵庫として機能し、その目的に沿って使用されることが期待されています。
体がエネルギー不足に陥ったとき、まずこの貯蔵庫を利用するのが自然な反応です。
筋肉は主に運動や日常活動を支えるために必要で、体にとっては「使い勝手の良いエネルギー源」とは言えません。
⑦ ホルモンの影響:インスリンやグルカゴンの役割
インスリンが低下し、グルカゴンが優位になると、体は脂肪分解を優先します。
グルカゴンは脂肪分解を促進するホルモンであり、脂肪酸がエネルギーとして使われる環境を作ります。
これに対して、筋肉分解を促進するホルモン(コルチゾールなど)は、通常、ストレスや飢餓などの特定の条件下でのみ作用します。
つまり、通常の状態では脂肪分解がホルモンバランスの影響で優先されるのです。
緊急事態で筋肉が分解されるということですね。
以上です。
ありがとうございました!
福嶋大介
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