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ペティパシエンス :人生100年時代コラム
コロナ禍の行動制限というストレスのもと、50代の節目で見つけた新しい趣味、モーターサイクルは人生に新たなスリルをもたらした。しかし、体力の衰えやお腹の出っ張りが、バイクとの一体感を損ねていることに気づいてしまった。そこで生まれたのが、体幹を鍛え「バイクを安全にカッコ良く乗りこなす」という目標。
始めたのは朝の簡単なトレーニングから。最初は洗面台での斜め腕立て伏せ10回が限界だったが、とにかくその小さな忍耐を毎日続けることにした。
1週間続くと回数を20回に増やし、2週間目は30回と徐々に負荷を上げていった。その後はプランク、バックランジをメニューに取り入れた。お腹の出っ張りはみるみる凹み、2ヶ月もすると明らかにスリムになった。
その後、体質が劇的に変わった。朝のトレーニングは一日のスタートの大切な儀式となり、腕立て伏せは10種を10回。プランクサーキットは3分+2分、スクワット100回、バックランジ100回、懸垂10回を3セットが定着。
1年半の継続で、体格も全く別人の新しい自分に。腹筋は6パックとなり、胸筋は張りをもち、猫背だった姿勢も改善。腰痛も無くなった。
しかし、この毎朝のルーティンのスタートはいまだに「面倒くさい」。トレーニング中には「辛い」という思いに駆られる。それは乗り越えられる程度の負荷なのだが、脳は「今日は忙しい日だから休もうよ」と言い訳を作り出し拒否をする。
自分はこの日々のルーティン中の小さな忍耐を「ペティパシエンス」と名付け手懐けている。
ペティパシエンスも日々積み重なっている様で、私の仕事やプライベートのあらゆる"面倒臭い"ことにも難なく対応できている。前向きな影響を与えているのは間違いない。
50過ぎても加速はできる。ただし、無理はしないこと。誰でも乗り越えられるペティパシエンスな、朝のルーティンがキモ。