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乳房炎の直接的損失・間接的損失について!

はじめに

乳房炎のコスト(損失)には大きく分けて2種類あります。

●直接的損失・・・薬代、廃乳費、診療費、労働費、体細胞数ペナルティなど

●間接的損失・・・その後の乳量の低下、淘汰リスクの増加、他のウシへの伝染、その他の病気への感受性の増加など

直接的損失に関しては、割と計算しやすくて目に見えやすい損失となっていますが、間接的損失は測定するのが難しいため、現場ではあまり意識されません。

しかし、実際は間接コストは皆さんが思っているよりもはるかに大きく、この損失をしっかりと意識する必要があります。
特に1番損失に影響する点についても解説するので、お見逃しなく。

乳房炎の直接コスト!その金額とは?

乳房炎によるコストは国や地域はもちろんのこと同じ地域の牧場間ですら大きな変動がみられます。

2008年のオランダの酪農場を対象にした研究では、臨床型乳房炎1症例あたりの経済損失は平均210ユーロ(範囲:164から235ユーロ)と言われています。現在だと1ユーロは130円くらいなので、日本円に変換すると約27000円となります。

また、イギリスの牧場を対象にした2009年の研究では臨床型をさらに症状の強さ別に報告しており、これに追加して潜在性乳房炎のコストも算出してくれています。

まず臨床型乳房炎に関して1ポンド150円で計算すると

●軽傷の場合・・・2.9万円(範囲:0.9-5.1万円)

●中程度の場合・・・7.8万円(範囲:3-14万円)

●重症の場合・・・24万円(範囲:12-38万円)

●すべての症例の平均・・・3万円(範囲:0.8-7万円)

となります。

実際、この症状の分類をどう決めているのかはよくわからないので、牧場間で基準が異なる可能性があります。コストが高くなる要因としては重症度が高くなるほど治療期間が長くなるので、廃乳量、薬代、診療費が増加してしまうことが考えられますね。

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