「…何て?!」の連続にハマる 映画メモ『エストニアの聖なるカンフーマスター』
もうタイトルの時点で好きそう感がすごくて、絶対見るぞと決めていた作品です。『エストニアの聖なるカンフーマスター』
エストニアの、聖なる、カンフーマスターですよ。この単語つながることあるんだ?!
主人公は、なんともボヤッとした青年ラファエル。国境警備の任務についていたところ、革ジャン姿でメタルを流しながら大暴れする3人組カンフーマスターの襲撃にあってしまいます。(何て?)壊滅状態にされてしまった警備隊ですが、ラファエルは奇跡的に生還。それを機に、彼はメタルとカンフーにのめり込んでいくのでした。(何…いや、ちょっと分かる)ある日、山奥の修道院でカンフーを操る僧侶たちに出会ったラファエルは、ブラックメタルカンフーを極めるために弟子入りを志願する…!(何て???)
この作品、上映開始3秒くらいで好きか嫌いか分かれるような気がします。私はめちゃくちゃワクワクした勢なので大好きです。終始「何を観てるんだ?」という気持ちになるんですが、細部がかわいかったり、演出が凝っていたり、出てくる人もみんな濃いし、「おもちゃはたくさんあるので好きなもの拾って遊んでください!」という感じがして楽しい作品です。
「聖なる」というところがポイントで、きっと聖書とかキリスト教についての知識があれば、この表現ってあれのことか~みたいなのがあるんじゃないかと思います。私はあまり詳しくないのでわからないんですが…「何だこれは?」と引っかかるポイントがたくさんありました。冒頭の3人組カンフーマスターとかもそう。何かあるんだろうな。何もないのかな。映画を見ていると聖書とかキリスト教が関わってくること多いので、そろそろちょっと勉強してみようかなと思いました。
私のお気に入りキャラクターは修道院で出会うイリネイという僧侶。真面目な男です。突然やってきたわけのわからん男(ラファエル)の教育係を命じられ先輩として指導するのですが、ラファエルには自分にはない聖なる力があると知り苦悩します。長く修行してきたのに、なぜ自分にはその力がなく、あいつにはあるんだ…!そういうのって、好きなので。私は。イリネイとラファエルの修行パートのかわいらしさもお気に入りです。また見たい。
変な映画だろうな~と思って観に行って、思った以上に変な映画だったことと、それでも惹きつけられる魅力ある作品であったことがとっても嬉しくて良い出会いでした。心地よい、わけの分からなさ。公式サイトに「合わない人には合わないが、好きな人は100回観るだろう」というコメントがありましたが、まさにその通り。私も100回観るかどうかはわかんないけど、映画館にもできたらもう一回行きたいし、配信に来たら折りに触れ何度も観る気がします!おもしろかった~