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今週観た映画『哀れなるものたち』『あるいは裏切りという名の犬』『僕らの世界が交わるまで』

今週も観た映画のメモです。いつのまにか1月が終わり2月が始まっていて怖い。お米が好きなので節分の恵方巻には積極的に乗っかりたい方なのですが、日にちの感覚を失いすぎてすっかり忘れていました。なんの関係もない日に太巻きを買って食べようと思います。


『哀れなるものたち』
監督:ヨルゴス・ランティモス

アカデミー賞11部門でノミネートされ話題の『哀れなるものたち』。私は同監督の『ロブスター』『聖なる鹿殺し』がなんだか妙に好きでして、初めて劇場で観られる!と公開を楽しみにしていました。パンフまで買っちゃって。

メイクの部分をよく見ると、、、

あらすじは、大人の体に胎児の脳を移植された女性・ベラが、育てられた家を飛び出し世界を見る中でグングンメキメキ成長していくという感じ。でもこんな説明では何一つ作品の魅力を伝えられないという。おとぎ話みたいなビジュアルだけど起こることは全部生々しい。

コミカルに描かれているシーンもあって、アハハ!と思うけど、それを本当に他人事として笑えちゃうのって危険なんじゃない?という瞬間がちらほら。劇場で笑い声も聞こえていたけど、あとからそんなふうに感じた人もいるんじゃないかなぁと思います。いろんな人の感想を聞いてみたい作品。

作中でなかなか哀れな姿を見せてくれるマーク・ラファロさんについて、お友達が教えてくれたんですが、彼はポケモンのゼニガメがお好きで、「僕の心のなかにはゼニガメのための温かい場所があるんだ」とコメントをしているそう。それってすっごく素敵……私も使いたいフレーズです。そんな人があんな哀れな役を。すごいなあ。

『あるいは裏切りという名の犬』
監督:オリヴィエ・マルシャル

フランスの作品です。邦題がとてもかっこよくないですか?「あるいは」から始まるなんて。おしゃれだ。私はタイトルがかっこいいからで作品を選ぶことが結構あります。『灰とダイヤモンド』とか、『悪いやつほどよく眠る』もかっこいい。ちなみにまだ観てないけどタイトルが好きでチェックしているのは『猫に裁かれる人たち』。猫に…!?

『あるいは裏切りという名の犬』は、警察のお話。かつて親友だったレオとドニという二人の男の関係が、警察内の政治や事件の捜査の中でごちゃごちゃとしてゆく話です。フランス映画はちょこちょこ観ているのですが、こういった警察ものを観るのは初めてかもしれない!そこが新鮮で楽しかったです。

見慣れてないせいか、誰が誰でどんな関係なのか把握するのに時間がかかりましたが、一番印象に残っているのはティティ。開始早々、送別会で同僚に向けて「なぜ南仏に行ってしまうのか。この俺、ティティを残して」という手紙を読み上げている男です。寂しがり方がカワイイ。いいヤツです。

『僕らの世界が交わるまで』
監督:ジェシー・アイゼンバーグ

監督のジェシー・アイゼンバーグって、『ソーシャル・ネットワーク』の主演の人だよね?と気になって観てみたいと思った作品。You Tubeで自作の歌をライブ配信して投げ銭を稼いでいる高校生ジギーと、その母親でDV被害にあった人を支援するシェルターを運営しているエブリン。家族なんだけどなかなか分かり合えない二人をメインに物語は進みます。

なんていうか、イテテテテテテという気持ちになる作品。自分の考えって素晴らしい!と思い込んじゃってて、それが止められない…という人を見ているときの、いたたまれなさ。私も同じようなことをしてるんじゃないかとか、したことがあるなあ何才の頃…とか、いろんな思いがよぎります。親子揃って痛々しいんだけど、どっちもなんか分かるんだよなあ。

散々イテテテを見せつけておきながら、最後はなんだかとっても優しく感じました。今この瞬間から、多分ちょっと変わっていけるよねという希望。90分もないくらいのコンパクトなお話なので、ぜひともサクッと見てみて欲しいです。サクッとという感じでもないけど。ザクッとしますけど。こういう規模の作品、つい「配信きたらでいいか」と思っちゃうけど、映画館でしっかり観る贅沢を積極的にしていきたい。


今週はこんな3本でした。『哀れなるものたち』『僕らの世界が交わるまで』は映画館で。今週は家で1本しか観なかったんだ。過ぎてみると、今週…何してたんだっけ…?となりがち。毎日大切に生きてほしいです。


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