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週刊わたしの映画メモ『ボーはおそれている』『Saltburn』

今週の映画メモです。「今週観た」にすると日曜夜を逃したときにタイトルが気持ち悪いので「週刊」にしてみました。これでちょっと間に合わなくても大丈夫!でも今週は間に合ってます!

『ボーはおそれている』
監督:アリ・アスター

アリ・アスター監督作品を映画館で観るのはこれが初めて!『ミッドサマー』のときは先に感想を見すぎて、ものすごく怖いのかも…気分が悪くなっちゃうのかも…と怯えすぎ、行くタイミングを逃してしまったんです。おーはおそれている。なので、映画館で観るのをとても楽しみにしていました。

なんだかすごい物騒な街の清潔感がまるでないビルに暮らしている主人公のボー。何もかもに怯えてるし選択もできない彼が、母親の葬式に出るためになんとかかんとか向かおうとするお話です。

とっても好きでした。すごく考察しがいのあるお話だと思うし、読み取れることがたくさんあると思うんですが、それはちょっと置いといて。単に観ていて3時間とても楽しかった。次に何が出てきて何が起こるのか分からないというか、「そうなったらイヤですけどそうならないよね?」がしっかり起こるイヤさと気持ちよさ。体験として楽しかったです。

最後のシーンは客席までお話の中に組み込まれちゃったかのような、不思議な感じがしました。ボーが何をしても、何を言っても、遠くから面白がって見ているだけの私たち。こわい。たのしい。

あとホアキン・フェニックスのあのほとんどカスカスな声がとても良かった…!ずっと怖がっているし困っているし悲しそうだし苦しそう。とにかくあの声が、観終わってからもしばらく頭の中に残りました。あの声をまた聞きたいから、また観たいような気がする。

『Saltburn』
監督:エメラルド・フェネル

最近『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て、その監督の新作だということで気になった作品。そして主演がバリー・コーガン。怪しい。お名前を見かけるとそれだけで観たくなってしまう役者さんです。なので観ました。

主人公は、オックスフォード大学に通うオリバー。垢抜けてなくて、大学の華やかな人たちとは距離がある感じ。あるキッカケから学内でひときわキラキラしているフェリックスと友達になったオリバーは、フェリックスの実家があるソルトバーンに招待され、一緒に夏休みを過ごすことに…

というとすごく爽やかなお話のように見える。しかし爽やかの対極にある作品だと思います。どろりとした質感がくせになる。どこに向かって行っちゃうんだろう…と、じんわり嫌な時間が続きます。

バリー・コーガンってとても魅力的で、たとえば彼が誰かに調子のいいことを言っていると「絶対裏があると思うけどね!」と感じるのに、もしそれが自分に向けられたら「心の底から思って言ってくれてるのかも」と思っちゃいそう。そしてあっけなく裏切られてしまうんだ私はきっと。そんなところに魅力を感じています。私のちょっとよくないところだという自覚は一応あります。


今週は2本でした。でもどちらもものすごくドロリと濃い作品だったので、お腹いっぱいです。来週はぜひとも喉越し爽やかなシュワッとした感じの作品も観たいと思います。何が良いかな~




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