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週刊わたしの映画メモ『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』『密輸1970』

今週は本当に毎日暑いですね。どうしたらいいのか。ベイスターズも試合中に熱中症が出てしまって選手交代…という事件があったみたいです。毎年屋外で試合をしているアスリートでもやられてしまうこの気温と湿度…外に出るべきではない…でも観に行きたい映画がある……そういうわけで映画館で観てきた作品の感想メモです。


『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』
監督:ペドロ・アルモドバル

上映時間30分程度の短編作品。私はペドロ・アルモドバル監督の作品が多分結構好きです。まだ数本しか観ていないのですが、何か観ると「他のもぜったい観よう~!」と思う監督。あとイーサン・ホークもかっこよくて好きです。というわけで気になったので観てきました!

お話の舞台は1910年のとある街。保安官ジェイクの元に、古い友人のシルバが訪ねてきます。実は恋人だった時期がある二人。25年ぶりの再会を喜びお酒を飲み、夜を過ごします。しかし翌朝、ジェイクの態度が一変。その理由は、シルバがジェイクの元を訪れた理由にあって……というお話です。

作品の時間は30分ほどなのですが、とても「時間」を感じる作品でした。25年前の二人が過ごした濃密な時間。なのに25年間会わなかった、その間の二人それぞれの時間。人生。それと、再会していろいろ起きてそのあと、これからの数時間?数日?それとももっと長く?という二人の未来の時間。過去の話とこれからの話をもっと見せてくれ~~~の気持ちと、この尺で表現されたこれが最高なのかも…の気持ちとがせめぎ合う。

監督はこの作品について、『ブロークバック・マウンテン』に対するアンサーだとコメントを出しているそうです。有名な作品ですが、まだ観ておりません。ぜひそちらも観てみようと思います。そしたらまた新しく感想が生まれちゃうかも。特別上映?みたいで映画館で観られる期間は短め。もし配信になったら、何度も味わいたいなと思っています。観終わった瞬間から「もう一回観たいな~」と思ってます。ちょっともっかい、もっかい観たい。

『密輸1970』
監督:リュ・スンワン

Xにて映画オススメアカウントさんたちが話題にしていて気になって観に行った作品なんですが、どえれぇ面白いです。好みが分かれる作品だなとは思うんですけど、私にはどえれぇ面白かった。なんじゃこりゃと思いました。このタイトルだけではなかなか観に行こうと思わないというか、存在に気付いてもいなかったので、口コミって…すごいんだなぁ……。

お話の中心は韓国の漁村クンチョンで海女をしているジンスクさんたち。化学工場の廃棄物のために海が汚れ、失職の危機に陥っていました。そんなとき密輸を持ちかけられ、生活のため請け負うことに。ある日作業中に税関に見つかり摘発されてしまいます。ジンスクが刑務所送りになる中、チームの一人チュンジャだけは逃げて村を離れます。あいつが税関にチクったからだと非難轟々。そんな事件から二年経ったある日、村から逃げ出したチュンジャが舞い戻り、新たな密輸の儲け話を持ってきて……というお話です。

舞台が1970年代だからってちょっとお芝居がクサ過ぎるんじゃないの?と感じるかもしれません。お芝居大きめだと思います。意図してそうしているんだと思うんですが、それが中盤ですごく効いたな…と私は感じました。今までのでっっかい芝居はどこに行っちゃったの?というくらい繊細で真剣な一瞬のために、ここまでがあったんじゃないかっていう。ジンスクとチュンジャの二人のすごくしびれる一瞬があって、そこから更に引き込まれました。

それはそれとしてでっっっかいお芝居たちも面白くてキザでかっこよくて可愛くて私は好きでした。クォンという密輸の元締め的なキャラクターがいて、彼もいちいち漫画みたいにキザな感じなんですがそれがまた似合ってしまう役者さんで。どの瞬間も絵みたいです。側近に眼帯の男がついていて、二人してかなり武闘派。そのアクションシーンがここだけ別の作品なんじゃないかっていう気合の入りようで本当にかっこいい!かっこいいんだぁ。

密輸というアングラな商売の話なので、ヤクザっぽい人たちの思惑が渦巻きつつお話が進みます。私はXで口コミを見てはいたんですが、「シスターフッド的である」「サメ映画」という点しか情報を仕入れておらず、まさかこんなヤクザ映画的楽しみまであったとは…とかなりウキウキしちゃいました。海女さんが化学工場に対抗していく中でサメが出てきてすべてをめちゃくちゃにする話なのかなと思って観に行ったんです。そうではありませんでした。結構ヤクザ映画です。

そして、そう、これ、サメ映画でもあります。夏はサメ。今年はMEGみたいな規模のでっかいサメ映画がなさそうで、他のパニック映画なにか探そうかなぁと思っていたところに突如現れた『密輸1970』。いろんな要素がてんこ盛りでそれだけでお話として面白いのに、サメまで入れていいんだ!でもとってつけたようなサメではありません。舞台は漁村ですから。あの辺りはサメが出るから行っちゃいけないんだという場所だってありますわ。お話にちゃんと絡んでいて納得のサメ登場だと思います。ちゃんと怖いサメでした。

というわけで私にとってこの作品は、女性たちが強く美しく協力して困難に立ち向かっていて、美しい男たちが美しいアクションを見せてくれて、それぞれの思惑が絡まるヤクザ・ギャングもののスリル(と暴力)が味わえて、その上サメの恐怖も体験できるという、大好きなもの全部乗せ最強エンタメでした!今年のベスト5を決めようとなったらかなり上に入れたい感じです。好きなところ面白いところを語ったらはじめから終わりまで全部言っちゃいそうなので、見たよ!という人とぜひとも感想を語り合いたい。そのために耐性がありそうな人にはお勧めしていますが誰からもまだ感想が届きません。観に行って欲しいし観たら教えて欲しい。頼む。これももう一回観たいな~


という2本を映画館で楽しんだ今週でした。最近一人で映画館に行ってなかった。誰かと予定を合わせれば行くぞ!と思えるけど、一人なら出かけるよりお家で配信でいいや…と思っちゃってたな、と気が付きました。自分の楽しみを後回しにしちゃった。でも合間を見つけて急な思いつきで行ってみたら、やっぱりとっても楽しかった。一人の時間をちゃんと楽しむことって大事だなと思います。これからも気になる作品が続々公開されるので、誰かと一緒にも、一人ででも、たくさん出かけていろいろ観ようと思います~

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