セクシーベーコンにくるまれた映画愛 映画メモ『フォールガイ』
『フォールガイ』
監督:デビッド・リーチ
こちらは予告を見たときからかなり楽しみにしていた作品。なんでかというと、私は『バービー』を見てからというものライアン・ゴズリングの笑顔にメロメロだから。なんだろうあのキュートさは。彼の笑顔をまた大画面でみたい。あと困った顔とかしんどそうな顔もみたい。その欲望を見事叶えてくれました。めっちゃ面白かったこれ
ライアン・ゴズリングが演じるのはスタントマンのコルト。人気俳優の専属スタントを務め、現場スタッフのジョディとの恋も順調!だったのに、ある日スタントの失敗で大怪我をしてしまう。18ヶ月後、一線を退き駐車係として働いていたコルトに、再びスタントのオファーが舞い込みます。その作品の監督は、かつての恋人ジョディ…!よっしゃ…やるか……と戻ってきたはいいものの、コルトはある事件に巻き込まれていくのでした。それどころじゃないのに!というお話。
字幕版で鑑賞しながら「このフレーズ絶対忘れたくない」と必死で記憶したのが「SexyBacon🥓」という言葉。重要なことは美味しいベーコンでくるんじゃって、そうと分からないまま食べさせちゃうのよ、みたいな話の中で出てきたんですが、その1シーンの中に何度も出てくるからすごく印象的で。セクシーベーコン…セクシーサンキューみたいな、「使ってみたさ」がある言葉…。あとどんなアクションのスタントやるのかみたいな話の中で出てきた「バーニングカワサキ」も忘れたくなかった。燃えさかるバイクで走るスタントのことみたいです。バーニングカワサキ…!
『フォールガイ』という作品そのものがめちゃくちゃ美味しいセクシーベーコンで、私は大喜びでムシャムシャしたわけですが、その中にくるまれてた大事なものってなんだろう。私が感じたのは、映画や、映画製作に対する愛でした。
とりわけアクションについては、私が見慣れてないだけかもしれませんが、こんなの見たことないよ!というシーンがたくさんでこだわりを感じました。怪しいクラブのキラキラ照明と、怪しい薬のせいで視界がピカピカしちゃってる中でのキラキラピカピカアクションシーン、すっごく面白かった…。こんなの見たことないよ!他のシーンも、どうやって撮ってるんだ!!!とハラハラしちゃうものばかり。見てる方をこれでもかというくらい楽しませるぞという重めの愛を感じました。そのアクションが、コルトが強いから、特殊能力を持っているから…ではなくスタントマンだから!なのがまた面白かった。
あと色んな作品のタイトルとかセリフが出てきます。アクションものだけじゃなくて、ラブコメや私の大好きな『テルマ&ルイーズ』も出てきて嬉しかった。作中で作っている『メタルストーム』という作品も実在のものだそうですが、スターウォーズみたいな、エイリアンみたいな、これはドゥ二のDUNEじゃんとか、いろんなものが混じってる感じがしてそこも面白かった。
ジョディとのラブの感じも、なんか絶妙にいい。仕事に私情を挟みすぎでしょうと言いたくなる。良いんだそれがまた。ラブコメって、そうだよねみたいな。そういう部分も含めて、これまでの映画すべてに対する愛が散りばめられてる感じがしました。最後のキスシーン、私にとって今のところ映画の中で一番好きなキスシーンかもしれない。あるあるっぽいけどすごく新鮮だった。ジョディもまた良いキャラで…エミリー・ブラント素敵すぎる…愛しい…
この作品、いつかテレビでも流してほしいな。これを見て「映画って、アクションって、面白い!かっこいい!」となる子供が絶対いると思う。作品を作るということは次の世代を作るということ。これもセクシーなベーコンでくるまれたメッセージの一つだと受け取りました。
そしてライアン・ゴズリングは常になんかどこかキュートで大満足でした。車でテイラー・スウィフト聞きながら涙するライアン・ゴズリング、それだけで最高だよ。もう、何回も見たい。セクシーサンキュー。