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明治時代から続いていた地方の名産品企業が最後に感じたこと ー 軌跡に感謝を

 (個人や地域を特定しない形で記しています)

 数年前に地方の名産品店が、事業の継続をやむなく停止しました。明治時代から一族で経営してきたその会社は、最盛期には数十人の雇用をかかえていた地方の名士です。私の友人が跡取り息子であったので、彼の父親もよく知っていました。

 販売していた商品は、過去には大臣賞を受けた伝統ある商品も含まれており、その味は長い間折り紙つきでした。

 商売ですから、当然時の流れと共に環境は変化します。最後にその灯を消さなければいけない日はどの企業でも訪れますが、百年を超える歴史を誇り、最盛期には数十人の雇用を抱えていた地域に対する貢献は大いに賞賛されるべきことです。

 「非常に残念だ」「もっとやり方があっただろうに」「それでも他には儲かっている会社もあるだろう」「やっぱり先代とは違うよな」「昔は良い時もあったんだろう」「時代が違うよな」・・・・・・・・・

 友人の親子はそんな言葉を望んでいたのではありません。言葉を発している人々もほぼ間違いなく相手がどう感じるかを知りながら言葉を発しているのです。最後に失念の気持ちを抱きながら事業を停止しました。

 地場産業の復興や地方創生などの言葉を聞くことが多いと思いますが、その事業に携わっている人々こそが、その強烈なハードルの高さと継続の難しさを身に染みて感じていると思います。

 ウチの町には主要な産業が少ない、起業家がいない、誰かがリスクを取ってチャレンジしてくれたら・・・ コロナ禍で高齢化社会の状況下においては、全国の数多くの市町村で共通の課題ですが、私の友人の名産品店のような終わり方を周囲の人々が自分の目で見ているので、皆が保守的な考えに走ります。当然です。

本来は、その長い歴史の中での貢献度を讃えて、町をあげて大感謝をするべきなのです。

本当に長い間地元を支えてくれてありがとう

静かに遠くから見ているだけではなく、声を大にして直接伝えないと周囲に波及して伝わりません。その恩恵を受けていた人々であればなおさらです。

感謝に包まれた最後の時を新たな世代が目にした時に、次の時代のチャレンジャーとして立ち上がるのではないでしょうか。

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