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アメリカ大統領選挙に世界の眼が集中する中、パレスチナ人のコミュニティを破壊したイスラエル 〜 そしてそれを擁護する日本人
世界の眼がアメリカ大統領選挙の投開票に注がれた11月3日、イスラエルがパレスチナ人の一つのコミュニティ全体を破壊
世界がアメリカ合州国の大統領選に耳目を奪われていた今月3日、イスラエルが 1967年以来違法占領を続けるパレスチナ・ヨルダン川西岸地区、そのヨルダンとの国境に近いパレスチナ人のベドウィンたちのコミュニティ Humsa Al Bqai’a において、占領者イスラエル軍のブルドーザーと重機による大規模な破壊が行なわれた。
破壊されたのは彼らの住まい・家屋だけでなく、家畜小屋、ソーラーパネルなどを含み、同地区の建造物の 3/4 に当たる規模の、住民たち(パレスチナ人たち)の所有物。それらが徹底的に破壊された結果、子ども 41人を含む計73人のパレスチナ人たちが、その日 1日で、このコロナ禍(イスラエル及びパレスチナにおいてもコロナウイルスの影響は深刻で医療体制が脆弱な後者はより深刻)、かつ季節的に気温が下がりつつある中、ホームレスになった。
以下で言及する、国際連合人道問題調整事務所(Unitated Nations Office for Coordination of Humanitarian Affairs, UN OCHA)によると、今年、東エルサレムとヨルダン川西岸地区でイスラエルによって破壊されたパレスチナ人の建物の数は、これまで 689。
イスラエルが、同国が違法に占領するパレスチナ人の土地にある彼らの建物を破壊するのは珍しいことではないが、今年 2020年において破壊された建物の数は、年末まで 2ヶ月ほどを残した時点で、既に 2016年以降最多の数となっている。
また、イスラエルが破壊したパレスチナ人たちの建物には、諸外国の寄付によって建設された施設も多く含まれるとのことである。
以下は、UN OCHA のパレスチナ被占領地(oPt, occupied Palestinian territory: 1948年に「建国」されたイスラエルが 1967年の第三次中東戦争以来、複数の国連安保理決議に違反しながら占領し続ける東エルサレム及びヨルダン川西岸地区、及びガザ地区を指す)を管轄する部門のツイート、その次は同機関の Facebook 上の投稿 2点(前者は写真とリポート、後者は動画とリポート)、そして更に同機関のウェブサイト上に掲載されたリポート。
その次にあるのは、BBC の記事、同じくイギリスの The Independent の記事、同じくイギリスの The Guardian の記事、アメリカ合州国のメディア National Public Radio(NPR, アメリカ公共ラジオ局, アメリカ合州国の非営利・公共のラジオネットワーク, 因みにウィキペディアによれば NPRの予算は12%がアメリカ政府からの交付金、50%が聴取者とスポンサーからの寄付金、残りは財団や大学などから提供)の記事、さらにイスラエルのメディア Haaretz の記事。
#WestBank witnesses largest demolition in years | A statement by @YvonneHelle, the #Humanitarian coordinator 𝘢𝘥 𝘪𝘯𝘵𝘦𝘳𝘪𝘮: https://t.co/7l19t41ZRi pic.twitter.com/7XbgidZXE9
— OCHA oPt (Palestine) (@ochaopt) November 4, 2020
Facebook より(写真とリポート)
Facebook より(動画とリポート)
ウェブサイト上のリポート
https://www.ochaopt.org/content/west-bank-witnesses-largest-demolition-years
BBC: It (OCHA) said such demolitions were "grave breaches of the Fourth Geneva Convention" - international law designed to protect civilian populations in occupied territories.
The Independent
The Guardian
NPR
Haaretz
イスラエルによるパレスチナ人家屋等破壊を、「民主国家イスラエル」の法律に従った行為として擁護する日本人
以下に紹介する日本人は、その政策を遂行する国に対し選挙権も被選挙権も持たない民と彼らの土地を半世紀以上にわたって違法に(複数の国連安保理決議に違反して)支配・占領し続ける国を、「民主国家」と呼ぶらしい。
いや、「らしい」ではなくて、実際に、そう呼びつつ、その国による被占領地の民の家屋等破壊を擁護している。
以下で紹介するのは、「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントでこれまで 4年余にわたり、「イスラエル命」とばかりに(もちろん揶揄して形容している。時折り見るにつけそんなアダナでも付けたくなる)ひたすらイスラエルのパレスチナ占領政策や違法入植(占領自体「違法」だが)、民族浄化の動きを擁護し続ける日本人による、前章で取り上げた「またもや」のイスラエルによるパレスチナ人家屋等破壊行為を擁護するツイート。
因みに、筆者(本 note 投稿の筆者)は、このツイッター・アカウントがこのツイートで批判しているアメリカ合州国(以下において便宜的に「アメリカ」と表記する場合も「アメリカ合州国」(合衆国) を指す)の Ilhan Omar 下院議員を支持する者ではない。むろん、筆者はアメリカの有権者ではないのでその意味では支持も不支持もないが、平たく言えば、要するに「好きな政治家」ではない。理由は一つ、 Ilhan Omar がムスリムであることは当然ながら彼女の信仰の自由によるものだが、以前、彼女がその政治的主張をツイートする際にイスラム教の聖典「コーラン」からの引用を織り混ぜていたものを見たことがあり、筆者はそのような政治における宗教・信仰を介入させた言辞は非常に好ましくないことと考えているからである(ただしそれは本投稿の主題ではないので、ここではそれについてこれ以上言及しない)。しかしながら、Ilhan Omar のイスラエル批判の際の批判対象(占領、入植、家屋破壊といったイスラエルの政策・行為)に関する主張については、これまで全てを見てきたわけでは勿論ないが、支持・賛同できるものが多いと思っている。今回も同様。
この「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主は、「民主国家イスラエルの法律に従った」までのことなのに Ilhan Omar はイスラエルを批判(非難)するのかと、事実上の反批判を行なっている。
パレスチナ人たちがイスラエルに違法占領された(このアカウントの主はそれすら認めないのだろうが、イスラエルは 1967年11月22日に採択された決議242号を含む複数の国連安保理決議に違反して既に半世紀以上にわたり違法占領を続けている)自らの、つまりパレスチナ人たちの土地の上に家を建てることを、占領国家イスラエルが許可することは稀であって、「生きること」の必要に迫られてパレスチナ人たちが自らの土地の上に建てた家屋を「違法」として破壊し、一方ではこれまた国際法に違反して占領地の中にイスラエル人の違法「入植地」を建設し続けるイスラエルという国が行なっている他民族占領政策は、Ethnic Cleansing 民族浄化そのものである。
また、イスラエル側の「法的」根拠とされる軍令は被占領者パレスチナ人たちにのみ適用されるものであって、こうしたイスラエルによるパレスチナ人の家屋等破壊行為は、今日イスラエル人の一部やアメリカの少なくないユダヤ人たちからも「アパルトヘイト」国家と呼ばれるイスラエルによる、反民主主義政策の最たるものと言っていいだろう。
Ilhan Omar 下院議員が、ベドウィン族が違法に建てた家屋をIDFが解体したことを非難
— ユダヤ人と日本 / Jews and Japan (@JewsandJapan) November 6, 2020
「イスラエルは国際法に違反し”民族浄化”を行っている。解体に米国製の機械が使用されたなら米国の法律にも違反する」
解体は民主国家イスラエルの法律に従った結果のはずだが。
https://t.co/9oa5xu01TG
因みに、この「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主は、以前、BDS Japan Bulletin による note 投稿とツイートにおける批判に対し(筆者は BDS運動を支持しているが、筆者自身は BDS Japan Bulletin の note や Twitter における活動のメンバーではない)、「私のツイートは自分の体験・感想と友人や主流メディアのリツイートです ... もちろん誰の為にも働いていません ... 主流の人々の意見を紹介しただけです」(筆者の本投稿のここでの文脈において直接関係する部分のみ抜き出しているが、その全文については当人のツイートそのものを下に掲載する)と反論しているが、
察するに、例えば BBC は、彼女(女性のようなのでこの代名詞を使うことにする)の認識においても普段なら「主流メディア」に入るものだと思われるが(The Guardian についても、あれを「非主流メディア」呼ばわりする人はあまり多くはないと推測するものの)、そんな「主流メディア」BBC も、イスラエルを批判する記事を掲載した場合は、その時だけ都合よく「非主流メディア」に格下げされるのであろう。
前章では、国際連合人道問題調整事務所(Unitated Nations Office for Coordination of Humanitarian Affairs, UN OCHA)によるリポートだけでなく、イギリス、アメリカ、イスラエル 3ヶ国の様々なメディアによる記事を紹介したが、そのうち BBC の記事をもう一度、以下に付すことにしよう。
この BBC の記事の中に 〜 It (OCHA) said such demolitions were "grave breaches of the Fourth Geneva Convention" - international law designed to protect civilian populations in occupied territories. 〜 という箇所があるが、
この「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主は、ほぼ間違いなく、OCHA, 国際連合人道問題調整事務所は「偏向」しています、と言うだろう。
この人が普段から述べている、イスラエル批判をする時の国連総会(国連安保理も、稀なことだが、アメリカがイスラエルを守る常套手段である「拒否権」を使わず「棄権」して決議が通る場合には、この人の批判対象になるのだろうと思われる)やその他の国連機関などは「偏向」しています、といった趣旨の主張に関しては、筆者の私見ではそれを全面的に、つまり 100% 否定する、というものではない。
つまり、国際社会が批判すべき人権侵害(等)はイスラエルの「専売特許」ではなく、たとえば過去数十年間にわたりイスラエル批判を頻繁に行なってきたイスラム圏の国々、とりわけイスラム神政国家(サウジアラビア、パキスタン、イランなど)のそれぞれにおける人権侵害も極めて深刻であるし(ヒジャブを付けないで外を歩いただけで女性を投獄する、鞭打ちする、「神」や「預言者」への冒涜罪で死刑に処す、等々)、それを言い出せば、例えば国連安保理においてアメリカ同様に決議案に対する「拒否権」を持つ中華人民共和国の(これも例えば)ウイグル族迫害、チベット族迫害、「一国二制度」の二制度の一方であるはずの香港における民主化を求める人々への弾圧も、極めて深刻である。更には、これも例えばだが、イスラエルによるパレスチナ違法占領やパレスチナ人に対する深刻な人権侵害に関してほぼ常に擁護し続けるアメリカにおいても、有色人種や移民に対する人権侵害に関して深刻なものがあるだろうし(アメリカも言い出せばキリがない、安保理決議を経由しないで行なう外国爆撃や政権転覆、その地における誤爆による非武装市民の殺害等々)、筆者やこの「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主が住む、国連におけるイスラエル批判の決議にはどちらかというと「賛成」票を投じることが多いように見える日本という国(筆者もそのツイッター・アカウント主も日本人である)も、難民受け入れのあまりの少なさやいわゆる「不法滞在」外国人に対する長期収容などにおいて、国際社会から批判されて然るべき深刻な人権侵害を抱えている(実際、日本は国連から批判されている)。
本投稿における文脈のもとでは些か「脱線」気味の話題ながら、上の段落において筆者はイスラエル以外の幾らかの国々における深刻な人権侵害の例にある意味くどくどと言及したわけだが、要するにここで筆者が言いたいのは、筆者がこの投稿で取り上げているテーマや上記の BDS Japan Bulletin が扱っている対象はイスラエルによる占領地パレスチナの民に対する深刻な人権侵害であり、それが実際に「深刻な人権侵害」である以上、イスラエルを様々な場面において支持していたい人たちからすれば、その他の国々(イスラム圏の国々、中国、アメリカ、日本、等々)のいずれかもしくは多くにおける「深刻な人権侵害」がその程度に応じて「比例」的に国際社会における批判・非難の対象になってはいないように見えるからと言って、そのことで、イスラエルによる違法占領や違法入植、占領地の民の家屋等の破壊、また罪を問うことなく・裁判にかけることもなく占領地の民を投獄する行政拘禁(行政拘留, administrative detention)等々が、正当化されるはずがない、ということである。
以下に掲げるのは、上記紹介した、「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主による BDS Japan Bulletin に対する反論ツイートである(2つ、スレッド)。
なお、2つ目のツイートにおいては、「BDS運動についてですが ... しかし国際社会の認識は違います。BDSに加わらなくても、日本政府と一緒に、パレスチナの人々を直接支援する方法はある筈です」と訴えている。
さて、この人は、この人が語る「主流メディア」、「主流の人々」、さらには「国際社会」といった言葉のそれぞれを、どういった意味合いで使っているのだろうか。
そもそも「主流メディア」って何? ということだけでなく、その定義が定まったとして、「主流メディア」は常に正しいだろうという前提とも取れる姿勢自体が、甚だ疑問である(上に挙げた BBC の記事のようにイスラエル批判の記事を掲載した瞬間、それまで「主流メディア」の範疇に入れていたメディアも少なくとも一時的には「非主流メディア」に格下げされるものと思われるが)。
また、「日本政府と一緒に、パレスチナの人々を直接支援する方法はある筈です」と言うが、日本政府のパレスチナ支援が有意義と思えばそれに賛同することに躊躇する人は少ないと思うが、念のため言っておくと、日本政府の施策には我々日本人の税金が使われているのであって、その意味では、その時点で既に「一緒に」活動している(もしくは「させられている」)のである。そもそも、「日本政府と一緒に、パレスチナの人々を直接支援する方法」だけが彼らを支援する方法として相応しいなどという理屈には全く合理性がなく、こんなことを言い出せば、民間の支援などは別になくてもよいという極論にも繋がりかねない。
更にもう一点、多くの人に注意を促したいことがある。「BDS運動についてですが、活動家の中には、この記事を書いた方のように、イスラエル破壊ではなくパレスチナの人々を本当に支援することを目指している人々も多いでしょう」とわざわざ語っているように、この「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントは、時折り「中立」「客観」であることを装うきらいがある。しかし、その主張を追っていくと、このツイッター・アカウントの主が、基本的にイスラエルの政策については、占領地に住むパレスチナ人から批判されようが、諸外国や国際機関から批判されようが、とにかく支持していきたいのだという意図・意思を持って、その主張を「一貫」させている人(筆者はこのツイッター・アカウントが一人つまり単独・個人によって管理されているのか複数なのか全く把握していないが)であるという事実が、容易に見て取れるのである。
なお、以下の「ユダヤ人と日本」ツイッター・アカウントが反論ツイートしたのは、BDS Japan Bulletin がそのツイートでシェアした note 投稿テキストにおける「ユダヤ人と日本」ツイッター・アカウント(同テキスト内から引用すると「米国の有力シオニスト組織サイモン・ウイーゼンタール・センターの日本窓口を長年務め、2016年からはブログ・SNSでイスラエルのプロパガンダ・マシーンとなっている徳留絹江氏」)への批判についてなのだが、その note 投稿は彼女が反論の中でリツイートしている BDS Japan Bulletin によるツイートの中でシェアされている。
件の note 投稿については、本投稿の次章において、あらためてリンクを付すこととしたい。
私は ”イスラエルのプロパガンダ・マシーン” だそうです。
— ユダヤ人と日本 / Jews and Japan (@JewsandJapan) October 24, 2020
以前も書きましたが、私のツイートは自分の体験・感想と友人や主流メディアのリツイートです。もちろん誰の為にも働いていません。エレカット氏のイスラエル病院への搬送を偽善と書いたことは無く、主流の人々の意見を紹介しただけです。 https://t.co/BwmgR1Tvzq
BDS運動についてですが、活動家の中には、この記事を書いた方のように、イスラエル破壊ではなくパレスチナの人々を本当に支援することを目指している人々も多いでしょう。しかし国際社会の認識は違います。BDSに加わらなくても、日本政府と一緒に、パレスチナの人々を直接支援する方法はある筈です。
— ユダヤ人と日本 / Jews and Japan (@JewsandJapan) October 24, 2020
さて、「ユダヤ人と日本」ツイッター・アカウントの主(筆者は上記の通り、徳留絹江氏一人、彼女個人のみなのかどうかはっきり把握しているのではないが、当初実際には複数人によるものなのだろうかと思ったこともあったが、やはり個人によるものなのかもしれないと最近は感じている)は、上に紹介したように、「私のツイートは自分の体験・感想と友人や主流メディアのリツイートです」、「主流の人々の意見を紹介しただけです」、といった主張をしている。
「主流メディア」という言葉に対しては、上に一例として BBC の記事を挙げたが、以下のイスラエルの Haaretz, これなどはイスラエルの政策を批判する記事が掲載された時は例えば「イスラエルの左翼メディアによる偏向記事」とでも見做され、イスラエルのイメージを良くする記事(勿論そういう記事も少なくない)が掲載された時は、一時的にであっても、場合によっては世界の「主流メディア」の仲間入りをしたりするのだろうか。
また、イスラエルにおいて政治的、社会的にいまだ少数派とはいえ、イスラエルによるパレスチナ占領政策やパレスチナ人に対する人権弾圧を批判している人々(イスラエル人、ユダヤ人)の数も、絶対数として決して少ないわけではない。
彼らの声は、その主張の内容の如何にかかわらず、イスラエルの「主流メディア」ではない、イスラエルの「主流の人々」の意見ではないとして、そんな理由で否定されたり、あるいは耳を傾けようともされないことになるのだろうか。
以下は、イスラエルにおいて、パレスチナ占領地における人権侵害を監視・リサーチ・リポートし、イスラエルによる占領地のパレスチナ人に対する人権侵害や占領政策に異議を唱えている人権擁護団体 B'Tselem のツイート 1点、及び B'Tselem の Executive Director の責にある Hagai El-Ad 氏の今回のイスラエルによるパレスチナ人家屋等破壊を取り上げた多くのツイートのうちの 1点(スレッド, 追加ツイート1点あり)、更に、彼の過去のツイートからの 2点である。
上で取り上げた「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウント主の日本人と違い、今日、 Hagai El-Ad 氏を含む少なくないイスラエル人、またアメリカのユダヤ人などが、占領行為や占領地における人権弾圧を続けるイスラエルという国を、「民主国家」と見做していない。
そうした人々の活動は多岐にわたり、個人で活動している人もいる一方で、少なくない数のメディアや組織としての活動も見られ、紹介したい記事や SNS 上の投稿も非常に多いのだが、とりあえず本投稿の本章においては、アメリカのユダヤ人の例として、Jewish Voice for Peace のインスタグラム投稿を 1点、付しておく。
以下、イスラエルの B'Tselem のツイート 1点、B'Tselem の Executive Director, Hagai El-Ad 氏のツイート3点、そしてアメリカの Jewish Voice for Peace のインスタグラム投稿 1点。
While you were eagerly following the US elections, Israel has demolished an entire community’s residential compound, leaving 74 people, 41 of them minors, homeless. pic.twitter.com/7hA5AHdFn0
— B'Tselem בצלם بتسيلم (@btselem) November 4, 2020
The opportunity that Israel spotted was Election Day in America, and the action – the demolition of an entire Palestinian community – condensed into a few hours the kind of state-sponsored violence that normally takes years. https://t.co/Kxk1ReuEDe pic.twitter.com/MuVxIRJBNb
— Hagai El-Ad (@HagaiElAd) November 6, 2020
The entire world has heard Israel say, with American backing: “our plan for Palestinians is Apartheid.” Even if de-jure annexation doesn't go ahead, this fact still stands. So the question for the world is: how do you respond to 21st century Apartheid? pic.twitter.com/sQYeocLxTO
— Hagai El-Ad (@HagaiElAd) June 24, 2020
"We are already living in a one-state reality... when Israeli citizens vote, we make decisions not only with regard to our future but also with regard to the future of occupied human beings with no political rights." | @btselem director on @France24_en pic.twitter.com/eQItwmkaoy
— Hagai El-Ad (@HagaiElAd) December 26, 2018
BDS運動の趣旨を歪曲し、もしくはイスラエルを批判する人々を「人道主義」「正義」「平和」といった言葉を操りながら「皮肉」る日本人たち
本章では、まずは、前章のテキストの中で触れた BDS Japan Bulletin の note 投稿を紹介する。
なお、この投稿テキスト内、そしてタイトル上の写真にあるサーイブ・エラカート氏は、先日亡くなった。イスラエルが経営する病院の医師や看護師たちが彼の救命のために懸命に治療を行なったものと筆者自身は思う。というか、もちろん実態はよく分からないので、良識・良心を持った医療チームが全力を尽くしたものと信じたいと思っている。
上でリンクを貼った BDS Japan Bulletin(先にも述べた通り、筆者は note や Twitter におけるこのアカウントを管理するメンバーの一人ではなく、その主張や SNS 上の投稿にコメントを寄せることはあっても、それ以上の関わりは持っていない)による note 投稿においては、2人の日本人による BDS運動およびパレスチナもしくはパレスチナ解放運動支持者への批判・非難に対する反批判が、具体的になされている。
2人の日本人とは、一方については前章で紹介した「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主で、他方は「イスラム思想研究者」を自称する学者(なのだと思う)である。
率直に言って、後者による「人道主義」という言葉の使用には、唖然とするものがある。なぜ唖然とするのかという、その理由を説明するための象徴的な例を挙げておく。
ガザ地区の病院が高度な医療において機能不全に陥りがちなことには、イスラエルによるガザ地区封鎖政策と度重なる爆撃が「一役」も「二役」も買っているのだが、そのためにガザ地区の例えば癌患者がヨルダン川西岸地区のより高度な治療が可能な病院に入院して治療を続ける必要がある場合でさえも、イスラエルはガザ地区からパレスチナ人の患者が出ることを直ぐには許可せず、ようやく許可して例えば白血病を患った10歳のパレスチナ人少女がナブルスの病院に入院して化学療法による治療を受けることになっても、ガザ地区に住む親の同伴をなかなか認めない。結果、不幸にして亡くなった際に、親が自分の娘の最後を看取れないようなことすら起きている。
イスラエルのパレスチナ人に対する政策の何処が「人道主義」的なものか。パレスチナ自治政府の高官の扱いには政治的宣伝価値がある。そんなことすら読み取らないのか、あるいは分かっていて無視しているだけなのか。そもそもサーイブ・エラカートが日頃「イスラエル死ね!」などと叫んでいるとでも?
ところで、エラカートが入院した病院のある Ein Karem は地理的には西エルサレムに位置するが、その Ein Karem は、1948年以前はパレスチナ人の村だった場所である。エルサレムそのものも元々、当時のイギリス委任統治領パレスチナにおけるアラブ系住民(パレスチナ人)とユダヤ系住民(ユダヤ人)の人口比や土地所有率の対比(つまり前者が圧倒的多数派だったのが実態)を無視した 1947年の国連パレスチナ分割案においてすら、国連による信託統治領とするとされていた場所である。1948年の戦争でイスラエルは西エルサレムを占領してイスラエル領として西について既成事実化したかのようだが、「ついでに」言えば、エルサレム旧市街のある東エルサレムも 1967年の戦争によってイスラエルが占領し、一方的に併合した上で、その後、イスラエルによる一方的なエルサレム「首都宣言」が行なわれている。国際社会においてこれを認めているのはアメリカを含む極く少数の国で、もちろん国連も認めていない。イスラエルがどう主張しようが、少なくとも東エルサレムは複数の国連安保理決議がイスラエルの撤退を要求している占領地の一部である(これを否定するのはイスラエルとアメリカぐらいだろう)。
そんなエルサレム関連の話は抜きにするとしても、「イスラエル(経営)」の病院にパレスチナ自治政府の高官である重篤なコロナ患者が入院したからと「鬼の首」をとったかのように声を上げる彼ら。
BDS Japan Bulletin の note 投稿にも正しく書かれている通り、アパルトヘイト時代の南アフリカの時と同様、BDS はパレスチナ人の呼びかけに応じて国際社会側が担おうというスタンスのものであって、被占領地のパレスチナ人自身にイスラエル・ボイコットを求めるものではない。被占領地に住むパレスチナ人たちは、イスラエルによる違法占領・アパルトヘイト政策のもとで、イスラエル経済に従属せざるを得ない生活を強いられいている。彼ら自身がイスラエルをボイコットすることは事実上「死」もしくはそれに近いものを意味する。BDS運動においてイスラエルをボイコットするのは、あくまで、イスラエルに国際法遵守を要求する(パレスチナの外側にある)国際社会の側である。
パレスチナ自治政府の高官がイスラエルが経営する病院に入院したからと、BDS運動なりイスラエル批判なりに関して「不毛」だの「皮肉」だのと言う人は、そうした実際を見ていない、もしくは見ない振りをしている、のいずれかと言っていいのではないか。筆者はそう考えている。
なお、上記の「イスラム思想研究者」は、以下の記事 *2 の執筆者。*1-1, 2, 3 を見て分かる通り、ツイッターにおいて BDS Japan Bulletin から同記事について批判された後、この人は速攻(字面で細かいことを言うと 速「攻」という表現が相応しいかは疑問だが)で、自身(と自身の署名記事)を批判した BDS Japan Bulltein のツイッター・アカウントをブロックしている。
以下、本章の脚注もしくは補足として: (*1-1, 2, 3, *2, *3, *4, *5)
*1-1
感想2点。
— BDS Japan Bulletin (@BDSjapan) September 15, 2020
・アブラハム合意の名の通り、宗教的寛容のイメージが全面利用されているのに、「イスラム教=悪」から論を起こしているので、UAEにとってさえ迷惑であろう議論になっている。
・イスラエルの占領政策に一言も触れない「世界平和」は、帝国主義者にとっての平和としか言いようがない。 https://t.co/Y4CbRtw7St
*1-2
【飯山陽氏の説く「世界平和」とは?】https://t.co/TeuR2gf47i
— BDS Japan Bulletin (@BDSjapan) September 15, 2020
*1-3
— BDS Japan Bulletin (@BDSjapan) September 18, 2020
*2
*3 以下、BDS Japan Bulletin による *2記事に関する批判を転載。
今さらながら特に気になる事実誤認/歪曲を5点。
1)「パレスチナの大義」は本来アラブ民族主義の主張。イスラム教の教義は直接関係ない。特にPLOはユダヤ人とシオニストを明確に区別してきた。
2)UAEはパレスチナの大義を捨てたとは一言も言っていない。一貫性はともかくも、むしろその逆だと主張している。
3)UAEが宗教を政治・外交から排除するなどということはあり得ないし、むしろイスラエルとの国交正常化をイスラームの文脈で正当化するのに躍起になっている。
4)イスラム教はユダヤ教が邪教だとかユダヤ人がブタやサルだなどとは言っていない。そのように聖典を解釈するイスラム教徒はいるかもしれないが一般化するのは酷い論理飛躍。
5)「パレスチナは私の大義ではない」よりも「パレスチナは私の大義」というハッシュタグの方が圧倒的に多く拡散されている。
感想2点。
・アブラハム合意の名の通り、「宗教的寛容」のイメージが全面利用されているにもかかわらず、「イスラム教=悪」から論を起こしているので、UAEやイスラエルにとってさえ迷惑であろう議論になっている。
・パレスチナにおけるイスラエルの占領・アパルトヘイト政策の現実に一言も触れない飯山氏の説く「世界平和」は、帝国主義者にとっての平和としか言いようがない。
*4 以下は、筆者自身による、上記 *2記事にかかる批判。正直、まともに批判する気になれない面があるのだが、感想めいたことを書いておく。
今時、パレスチナ問題の源を宗教紛争、宗教戦争だと見做すかのような言説を堂々と真顔で(たぶん「真顔」なんでしょう)語る自称「識者」(「イスラム思想研究者」とは「識者」なんだと察する)がいて、それを使う大手メディアがあるなんて、というのが最初の感想。皮肉を込めて言うなら、FNN はアメリカにおける FOX みたいなものと思えば合点がいかないのでもない(あくまで皮肉)。
半世紀くらい前の、パレスチナ問題や問題の発端、シオニズムのこと等がまだ現代のようにあまり知られてなかった時代のトンデモ説ならいざ知らず、こんな荒唐無稽と言っていい話をしたり顔で(「したり顔」に感じられるという筆者の主観による)語る自称「識者」が 2020年の今いるとは。
率直に言って最初は呆れた。が、やはりフジ・サンケイのような大手メディアでこれを広められ、残念ながらまだまだ大勢いる「パレスチナ問題って何なの」という人たちがこれを「なるほど。分かった、分かった。ありがとう」と読んでいると思うと(実際、筆者のメモによれば、この人の当該記事をシェアしたツイートは当時見た時点で 2,779件の「いいね」が付いていた)、その悪影響は無視できるものではない。
東大博士課程で勉強してモロッコに留学、エジプトで研究といった履歴が紹介されていたのだが、まさかドレフュス事件、またシオニズムの起こりやその後のユダヤ人のパレスチナへの移民の動き、欧州におけるユダヤ人差別、 フサイン=マクマホン協定、サイクス・ピコ協定、バルフォア宣言、そしてその後は更に(当然ながらパレスチナ人たちと何ら関係ない)ナチスドイツによるユダヤ人弾圧・虐殺と、それに伴うシオニズムによるユダヤ人のパレスチナへの移民の加速化・急増、そういう流れを知らないとは思えない。
それでなお、パレスチナ問題の背景や、しばしば「パレスチナの大義」(筆者自身は「大義」の当事者でないという意識があってか、この言葉を使うことは殆どないけれども)と言われるものを、異なる宗教間の対立とか宗教紛争・宗教戦争、あるいはムスリムからユダヤ教徒への一方的嫌悪などに、つまりは兎にも角にも「宗教」の問題に収斂させる、その見立ては、極めて乱暴なものだと感じる。
悪意でもないのなら、よほど自身が持っていきたい結論の為なら(知っていたことでも)何でも切り捨てるということなのか。主張をずっと追いかけているのではないので、その辺りは正確に掴めないのだが。実は何も知らないのに「したり顔」で語っているのなら別だが、そういうことではないのだろうと何となく想像する。
とりあえず、言えるのは、持ってる「情報」量が多いことと「知識」を持っているのかどうかは別物だということ。机上の勉強の「学歴」が「世間的に」高そうだったり、あるいは「現地」もしくは「現地のような」場所に滞在した、その地で研究した経験さえあれば正しい理解をする人のはずだとは、全く言えない。当たり前だが。
パレスチナの指導者層、政治の上での権力者層に腐敗や汚職があるのは、それ自体は事実だろう。パレスチナ人の社会内部においても、自治政府を批判するパレスチナ人や、あるいはガザ地区を政治的に支配するイスラム原理主義グループであるハマスを批判するパレスチナ人も、決して珍しくない。
因みに筆者(私)自身は、ヨルダン川西岸地区において「自治」(現状、イスラエルによる占領下、まともに「自治」を行なえる環境にあるとは思えないが)を担うべき政府は民主的な政府になってほしいと願うが、一方でガザ地区のハマスについて言えば、イスラム原理主義にはとても与せないし、ガザ地区を政治的に統治するハマスに対しては批判者である。ただ、闇雲にハマスを批判する志向ではなく、あのような「過激派」的勢力が生まれた歴史的背景は踏まえるべきと思っている。
いずれにしても、事実それがあるには違いないパレスチナの指導者層、パレスチナの社会内部における権力者層に見られる腐敗や汚職といったことまでも「材料」として使いつつ、最後は、アラブの国とイスラエルの国交正常化に反対しているのは世界が平和になっては困る国や人々なのだ、というような無理筋の論は、どう考えても暴論。
暴論と思う一方で、上に書いた通り、一定の「影響力」を持つメディアがこうした言説をばら撒く媒体役を果たしていること自体が、深刻な問題であると筆者は考えている。
正直、取り上げたくないような言説なのだが、とにかく影響を受けている、「なるほど」と思ってしまっている人は少なくないように見える。
最後に一点。
BDS Japan Bulletin がツイートでシェアした上記「イスラム思想研究者」(現在は彼女は BDS Japan Bulletin のアカウントをブロックしているわけだが)の 8月21日付ツイートにおいて、当人はそのスレッドの中で「... 高橋和夫氏、酒井啓子氏など日本の中東研究者やメディアが、ハマスやヒズボラなどイスラム過激派と共にこの国交正常化に反対したことを私は忘れない」と鬼の首を取ったかのような語り口でツイートしている(8月30日付)。本人は「鬼の首を取った」などと思ってないと言うのかもしれないが、その語り口からそう感じられるのだからシカタナイ。
ハマスやヒズボラなどがアラブ諸国とイスラエルとの間の国交正常化に反対しているからといって、現時点のアラブの国とイスラエルの国交正常化に反対したり疑義を唱えているその他の人たち(高橋和夫氏にしろ、酒井啓子氏にしろ、BDS Japan Bulletin のメンバーにしろ、賛同者にしろ、筆者にしろ、等々)が、ハマスやヒズボラの考えや活動に賛同していることにはならないことは、至極当然のことである。こんなことは、子どもでも理解すべきことであろう。
それをあえて同列に並べ、「過激派」や「テロリスト」に靡くような人達ですよというような印象操作をするかの如き語り口は止めるべきである。
とはいえ、繰り返しになるが、正直、あのような言説の人と議論する気はなかなか起きない。筆者はたまたま過去に自称「イスラエル兵」(IDF, イスラエル国防軍の兵士だと言っていた)とか、アメリカに住むシオニストのイスラエル人、あるいは筆者に突如「お前は反ユダヤ主義で無教育のバカだ」(あまりに笑えたので忘れられないのだが、彼は筆者に対して、"You're an uneducated anti-Semitic idiot!" というメッセージを何の前触れもなく送ってきた)というメッセージを突然してきたユダヤ系アメリカ人との間で、それぞれ、議論なり対話なりをしたことがあるのだが、結果、ああした人たちと直接やり合っても、とにかく時間の無駄にしかならないと、つくづく思わせられたものだった(自称 IDF の兵士とは3時間もチャットでやり合って、彼がイスラエル・パレスチナの問題の背景にある事柄に関して持つ認識・知識があまりに低レベルだったので、実際のところ、ただただ消耗するだけだった)。
もっとも、上に書いたように、上記「イスラム思想研究者」は、ツイートで自身を批判した BDS Japan Bulletin を「速攻で」ブロックしている。彼女が批判されたことを受けとめたくなかった、ということでなければ、あの人はあの人なりに、議論しても「時間の無駄にしかならない」と「速攻で」考えたのかもしれない。
*5 最後に、話を「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントの主の方に戻し、この人のその他 3つのツイートに関する BDS Japan Bulletin による批判を紹介しておく。
シオニスト組織SWCが記事を投稿している『みるとす』は親イスラエル団体で日本版歴史修正主義運動を担ってきた宗教右派「キリストの幕屋」関係の雑誌。イスラエルの人種主義政策を擁護し、BDS批判に傾注するSWCは、サンダースを支持した米国ユダヤ系若年層の人権感覚からますます乖離しつつある。 https://t.co/nEJ4ewlhWR
— BDS Japan Bulletin (@BDSjapan) November 3, 2020
BDS運動 もしくは イスラエルの政策批判 に対して 「反ユダヤ主義」 とのレッテルを貼る風潮について
この件は、また機会をあらためて書こうと思っているが、本投稿のこの章においては、以下の点だけ、略記しておく。
今日、ここで手短にでも書いておくのは、前章の最後の箇所で取り上げた「ユダヤ人と日本」なるツイッター・アカウントのツイートが貼り付けたテキストの中に、「反ユダヤ」という言葉が踊っているからである。
イスラエル批判(その政策を批判することを普通「イスラエル批判」という、日本の政策を批判する際に「日本批判」と略記されるケースと何ら変わりない)やイスラエルに対する BDS運動(Boycott, Divestment, Sanctions)に対して、「反ユダヤ主義」というレッテルを貼ってその批判の声を黙らせたり、運動を抑えようとしたりする行為は、言論・表現の自由や政治活動の自由等を弾圧する行為に他ならない。
仮に日本の「政策」を批判して日本をボイコットする運動があっても、それはイコール「反日本主義」もしくは「反日本人主義」といった人種差別には当たらない。Jewish = イスラエル ではないし、Semitism = イスラエル でもない。簡単なことである。したがって、イスラエル批判や BDS運動を「反ユダヤ主義」と見做すのは完全な没論理なのだ。
以下の事例は、BDS運動を「反ユダヤ主義」の行為と見做す動きの浅はかさを示す典型的な例である(ドイツにおける反BDS法の最初のターゲットがイスラエル人たちだったという記事)。
Germany has tested its first case of a new anti-BDS law by targeting the "School for Unlearning Zionism," a project organized by Israeli artists in Berlin.
イスラエルがパレスチナ人の一つのコミュニティ全体を破壊したその同じ日に世界の眼が注がれていたアメリカ大統領選挙、その投開票を経て、次期アメリカ大統領および副大統領となることが「内定」した ジョー・バイデン、カマラ・ハリス
さて、本 note 投稿の最初の章のタイトルは、「世界の眼がアメリカ大統領選挙の投開票に注がれた11月3日、イスラエルがパレスチナ人のコミュニティを破壊」というものだった。
この投開票を経て、来年、2021年1月20日以降、アメリカ合州国の大統領および副大統領となることが概ね決まったものと思われるジョー・バイデン、カマラ・ハリスのご両名。
以下のインスタグム投稿にある動画は、2人がアメリカの中東地域における外交政策、とりわけイスラエル・パレスチナ間の問題においてこれまでイスラエル(の政策)の側にのみ偏って一方的に支持してきた姿勢を象徴するシーンを、幾つか揃えたもの。ジョー・バイデン、カマラ・ハリス、ジョー・バイデンと見た後、更にスワイプして、あらためてカマラ・ハリスのイスラエル「一辺倒」姿勢を眺めてみてもらいたい。その他に、記事を2点のみ添えておく。
なお、筆者は、バイデン、ハリスのご両名についてと、特に、とりわけカマラ・ハリスの選挙「勝利」演説における美辞麗句を聞いただけで簡単に「参って」しまっている、もしくは感服してしまっている日本の「リベラルな」人たちについて、明日もしくは明後日以降の note 投稿において書こうと思っている。
カマラ・ハリスについては、この記事も(これはイスラエル・パレスチナ問題にかかることではない)。