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おさんぽ🚶‍➡️

 寝たきりになったその日、私はネイビーの半袖Tシャツを着ていた。裾(すそ)がひもでしぼれる、一工夫された服だった。その日以降、そのネイビーのTシャツは、ひもが身体の刺激になるので出番がなくなった。

 あれから2年が経ち、引っ越し作業中に衣服をストックの底からひっくり返すうち、そのネイビーの服を着る機会がやってきた。何の気なしに服の右下に小さくプリントしてあった文字をGoogle翻訳のカメラで読み取ってみる。かなり崩れた筆記体で正確に文字がわからない上に、おそらく英語でないことが推測される。すんなりとは読み取ってもらえなかったので、生地をピンと張って画面となるべく平行にし、候補のアルファベットを絞ってみる。さらに検索して、該当する語がわかった。

書かれていたのは「Se Promener」、
フランス語で「散歩する」という意味だった。

そろそろ身体を動かしたかったし、安直だけど散歩を始めることにした。昨日は張り切って1km先のカフェに向かってみたものの途中で迎えにきてもらう結果になってしまったけど。

本当の散歩は今日からかも。家を到着地点として、歩ける距離で折り返す。目的地はない。歩くこと、それ自体が目的の行為。たかが300m、と思ったけど、歩けなかった時のことを思えばそれが凄いことだと思い出す。治ってくると、知らず知らずのうちに数字で行動を測るようになってしまう。それが悪いとは言わないけど、頭でっかちにそうなるのは避けたい。笑

 昨日、歩く途中で蝶をみた。おそらくアゲハ蝶。道の小脇に羽を広げてたたずんでいる。そばを通っても地面から飛び立たず、羽をすこしそよがせただけだった。優雅というか、大人しいというか、見ていて穏やかな気持ちになる蝶だった。

蝶は変化と幸運の象徴。「Se promener」の文字のこともしかり、自分の身体の再生を少し、期待しても良いだろうか、と思う。でも、それだけではなく、今度は周囲とゆったりと共存できる、前向きで強い自分に......私はなりたい(ง •̀_•́)งヨシ

これから散歩途中に何を書きたいか浮かびそうでワクワク!
本日も読んでいただきありがとうございました🌻

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