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幡野広志さんに家族の写真を撮ってもらった話

我が家はいわゆるステップファミリー。妻は初婚のときも結婚式をやらなかったのだけど、まあお互いアラフォーだし、今回も結婚式はやらず、ウェディングドレスの写真だけ撮った。

そしたら今度は次男が生まれた。経済的にも年齢的にも次の子を作る予定はいまのところないので、僕と妻と長男と次男、多分この4人がこれから何十年か続く家族の原型になりそう。

だったら改めてそれを写真に残しておきたいなと思い、cakesで「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。」の連載を担当させてもらってる、写真家の幡野広志さんに、仕事とは関係なく撮影をお願いしてみた。

めちゃくちゃ良い。うちの美人妻が顔出しNGなのが残念だが、幡野さんに撮ってもらって超絶美人妻になっていた。

撮影場所は、僕が妻と長男に出会うきっかけになった元浅草の銭湯・日の出湯。

婚姻届の証人にもなってくれた同い年の田村さんが、快く使わせてくれた。

幡野さんは撮影の受注をしているので、何かの記念とか、記念じゃなくても記録として、撮ってもらうのはいかがでしょう?

幡野さんが他にどんな写真を撮られているのか興味を持った人は、ぜひこの写真集を見てほしいです。

この写真集については、糸井重里さんとの対談がサブテキストとしてとてもおもしろい。幡野さんに撮影をお願いするにあたっては、息子の優くんを撮った「優しい写真」を見たら一発だと思うんだけど、僕は幡野さんが20代のときに撮った「海上遺跡」がすごく好きだ。

海の上に打ち捨てられた建築物の写真で、主題を画面の真ん中に置いてから全体を構成する、今の幡野さんの写真の原型にも感じられる(間違ってたらごめんなさい)。ということもあるんだけど、糸井さんとの対談を読んで「海上遺跡」見たら、ちょっと違う風景が見えてきた。

突然話が変わるけど、僕が30歳でフリーライターになったころ、本が出したくて出したくて、ずーっとなにか自分が書けるテーマはないかを探していた。ようやく一個テーマを見つけて、これを絶対書籍化してやると思い、雑誌とかで書き始めた矢先にcakesに入っちゃったので、その目標はいまだ達成できていない。

幡野さんの「海上遺跡」は賞も取っているので、途中でやめちゃった自分と一緒にしちゃだめなんだけど、「海上遺跡」というテーマを見つけた幡野さんが、それを撮ってやるって日本の海沿いを車で回っていた姿を思うと、青春というか、どうしてもあのときの自分を思い出してしまう。

糸井さんとの対談読んだ後に「海上遺跡」の写真を見たら、熱に浮かされたように車であちこち回ってるロードムービーを見ているようで、すごくわくわく感があるのだ。

写真て、もちろん写ったものが全て、という評価をすることも大事なんだけど、画面の外にあるもっと複雑なコンテクストを絡めることもできる。被写体の関係性、場所の関係性、撮影者との関係性、撮影した日時との関係性などなど。「海上遺跡」からロードムービーを想起させてしまったように、その関係性を紐解くことで、さまざまな物語を立ち上がらせることができる。

幡野さんはちゃんとそれを切り取ってくれる写真家だと思う。ぜひ写真集を買って、幡野さんに写真を撮ってもらってはいかがでしょうか。

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大熊信
お金よりも大切なものがあるとは思いますが、お金の大切さがなくなるわけではありません。

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