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わたしの美しい庭

凪良ゆう『わたしの美しい庭』
屋上に縁切り神社のあるマンションで一緒に暮らしている、血の繋がりのない親子統理と百音、統理の同級生で隣に住んでいる路有という不思議な3人が食卓を囲むシーンから始まる。

登場人物は全員、「良い会社に就職して、20代30代で結婚し、子どもと一緒に暮らす」といった、“一般的な幸せ”から逸脱している。血の繋がりのない片親だったり、ゲイだったり、40代独身女性だったり、良い会社でメンタルを壊して無職になったり。それでも“幸せ”に生きている。

散々しんどい思いをしてここまで形作ってきた、これが自分なのだ。

一度他人の期待に応えてしまったら、さらに期待は膨らんでいく。受け入れられなくても、頑張らなければいけない。期待を裏切ることもまた、簡単ではないが、自分を守るためには必要なこともある。

他人に不寛容で生きづらいと感じることがしばしばある。私が何を仕事にしようが、私の性的指向がどうだろうが、関係ないではないか。
そういった気持ちが肥大して、隠遁してしまいたい気持ちにならない日が無いぐらいだが、社会的な“普通”を散々否定してきて自分を形作ってきたんだから、多少なりとも自分が自分を肯定しないといけないなという気持ちになった。

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