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脳みそダダ漏れマガジン

僕が大学教員として、また家庭の主夫として日々考えていることのまとめです。内容は育児とダイエットと読書感想文が多めで、分野はあまり統一されてません。あとは数学とか、経済学とか、そう…
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#読書感想文

読書感想文13

今回はこの本。 『未明の砦』太田愛 なかなか新鮮だった。社会問題を取り上げた小説を読んだことはあるけれど、だいたいどれもジャケ買いというかなんとなくタイトルに惹かれて買ってみて、読んだら社会派 だったというのがあたしのパターン。 例えば、葉真中顕の『絶叫』とか、中山七里の『護られなかった者たちへ』などだ。 護られなかった者たちへ (宝島社文庫)amzn.asia858円(2024年08月31日 19:29時点詳しくはこちら)

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読書感想文12

4月もとうに過ぎ去って、、今日は1月1日から数えて128日目になるそうで、1年の3分の1はとっくに終わってしまっているようだ。 なんということだ。 昨年度よりも授業が1つ増えて、学内の動きの中にセットされることも増えて、上半期中に会社を作る予定もしていて、物理的にも精神的にも昨年度より余裕がない。 そのぶんムッスメが1歳を取り(言い方www)、1人でできることがかなり増えたので(夜中にちゃんとトイレに起きるようになったし)そっちへ振り向けていたエネルギーをこっちに付け替

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読書感想文11

人間は賢い。 火を上手に使い、石器や土器を発明して環境に働きかけることができた。文明を作り出し、社会を築いて、成層圏を飛び越えて宇宙空間にまで生息域を拡大している。これは間違いなく生物種としては大繁栄である。 同時に人類は愚かだ。 戦争で互いを殺し合うし、刹那的な享楽のために自らが生きる環境を壊滅的で不可逆的に破壊したりする。 あたしの日常生活なんて愚かなことばかりだ。小さな頃から忘れ物癖はひどいし、だめだとわかっていても先送りしてしまうし、毎月ちゃんと定期的に(週1

読書感想文9『第3のチンパンジー』

もう1年以上マガジン運営してるのに、読書感想文がまだ9本しかないとは。 いや、本は読んでるんだけどね、書いてないよね笑 というわけで、今回はみんな大好きジャレド・ダイアモンド教授の名著『第3のチンパンジー』の感想文を書いてみる。 すっごい面白い。もう感想なんてない。すっごい面白いからみんな読めばいい。 そりゃそうだよ、ダイアモンド先生の本だもの。しかも、処女作。原著は1992年に出版されていて、タイトルは The Third Chimpanzee。今回の邦訳書のタイト

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読書感想文8『明治を生きた会津人 山川健次郎の生涯』

幕末の人物と聞いて、誰が思い浮かぶだろうか。 坂本龍馬、西郷隆盛、木戸孝允などなど多くの人物が挙がる。その頃の時代的雰囲気にある種の憧れを抱いて、自分をそういう人物になぞらえる人とか、政治思想に引き寄せて政党の名前にしちゃうとか、そういうこともよくある。 それくらい、あの時代には特別なものがあり、何かしら現代に足りないものを提示してくれている、そんな気がするからこそいつまでも人の心をとらえて離さないのだろう。 そんなわけで、その知識の浅深・理解の程度など細かい部分はとも

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読書感想文7『運動しても痩せないのはなぜか』

今回はこちら。 ハーマン・ポンツァー著『運動しても痩せないのはなぜか 代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」』 https://amzn.asia/d/j562cmE めちゃくちゃ面白い。減量中のあたしには特に腑に落ちることばかり。これはこれで全人類必読だと思う。 概要運動すれば消費カロリーが増えるというのは幻想 ダイエットに勤しむ人は、皆考えている。運動すれば痩せる、と。運動が原因で、痩せるという結果が伴うという単純だが説得力があるように見える論理を皆信じて

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読書感想文6『嫌われる勇気』

今回の読書感想文の題材は、岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』である。 2013年に発売された本書は、国内で288万部、全世界合計で500万部も発行された大ベストセラーである。 4回も読んじゃった 初めて読んだのがいつのことだったか、正確なことは覚えていないが、今回これを書くにあったって再読してみたのを含めて4回は読んでいると思う。 あたしはあまり本の再読をしないので、4回も読むのは個人的には珍しいことだ。 内容が難しくて一度では理解できないので4回も読んだ、ということ

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読書感想文5『サイロ・エフェクト』

今回は、ジリアン・テット『サイロ・エフェクト』について。 著者のジリアン・テットは、あの泣く子も黙るピンク色の新聞、フィナンシャル・タイムズのアメリカ版編集長だ。今も日経新聞で幾度もコラムが掲載されているし、2008年・2009年あたりのリーマン・ショックの頃にはそれこそ毎日のように何かしらの記事を目にしていた記憶がある。 んだもんで、彼女はウォール・ストリートをフィールドに生きる金融バリキャリウーマンだと思っていた。 そんな彼女が、サイロ?サイロってあの? 僕は北海

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読書感想文4 「ドーパミン中毒」

今回取り上げる本は、アンナ・レンブケ著「ドーパミン中毒」(新潮新書)である。 リンク先画像の帯にも書かれている通り、「快感に殺される!」本である。 今そこにある危機この本の著者アンナ・レンブケ氏はスタンフォード大学医学部教授で、精神科医である。そして、この本では氏が治療に携わった依存症患者のケースが詳細に語られている。しかし、氏がこの本で伝えたいことは、時に死に至ることもある依存症の恐ろしさ、ではない。 この手の本は、症例の紹介や回復過程(もしくは回復しなかった結末)に

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【読書感想文3】イニシエーション・ラブ

「300万人が騙された!」 「必ず再読したくなる!」 そんなにアピられたら、そりゃ読みたくなるわよ。 結果。 再読したくなった笑 感想 最初はなんかただの恋愛小説じゃないか、これに誰が騙されるんだよ、と思ってた。でも、最後の4分の1くらいから、何となく「なんか変だなー」と思いながら、最後のページで「おわっこれは…」となって、前がどうなってたか確認のためページを繰ったりして、最終的な感想は、「この女、こっわ」である。 というわけで、今回は乾くるみ「イニシエーション・ラ

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【読書感想文2】まぐれ

曰く、 ・私はこのような方法で莫大な利益を獲得した! ・僕のこの投資法を実践すれば、月に10万円の利益がほぼ確実に手に入ります! ・成功者たちの行動には共通点があった!それは… YouTubeの広告が最近こんなのばかりで辟易している。楽してかんたんに儲かる方法知りたいですよね?お金と個人情報をくれれば教えてあげますよ!というやつだ。あぁ、碌なもんじゃない。 ここ30年間実質賃金は上がらず、その結果我等庶民は、自身と家族を守るため誰もがもっと収入を得ようとか、副業で一発当

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【読書感想文1】大人の道徳

YouTube・電車の中吊り広告・書店に並ぶ平積みの本の表紙などが私たちに毎日のように語りかけてくる。「やりたいことをやれ」と。しかし、と著者はあっさりと、そしてバッサリとこれを否定する。 「やりたいことをやりましょう」は「奴隷の道徳」である。 今回の読書感想文はこの本。 『大人の道徳』古川雄嗣著 東洋経済 2018年 「やりたいことをやりましょうは奴隷の道徳」だなんて言われたら、こんな疑問を持つかもしれない。たとえば、奴隷なんて私たちの日常生活に登場することはない。

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