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思煙(エッセイ)

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シーシャにまつわるエッセイ。暇つぶしにどうぞ。
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【思煙】シーシャの技術史|「誰でも簡単に美味しく」のその先へ

先日、とある常連さんと生成AIについての議論になった。 その方は以前からクリエイター活動を行っており、AIが生み出す生成物の危険性やその学習過程について、人類がどう向き合うべきかを語り合った。 コード一行で美しいイラストが簡単に生み出せてしまう時代に、人が自ら手を動かして造り上げる創作物の価値が問い直されている。 人類は数多の技術革新の上にその生活を成り立たせてきた。そしてその技術革新は、過去の否定や破壊を伴う。文字通りの創造的破壊。 カメラの登場は画家を脅かした。車の登場

【思煙】目的が支配する現代で、シーシャを吸う意味を考える

シーシャ。中東由来の水タバコ。 フレーバーと呼ばれる香り付けされたタバコ葉を炭で加熱し、味と香りを楽しむ喫煙具である。 シーシャを吸ったからといって、カロリーが摂取できるわけでもないし、消化酵素で分解されて血肉になるわけでもない。ニコチンを含む歴としたタバコである以上、むしろ人体には有害である。 それでもシーシャは、少なくない人々を魅了し、その提供を生業に選ぶような奇特な人まで現れる。 「人はなぜシーシャを吸うのか?」 筆者自身、シーシャを嗜むようになって4年が経った

【思煙】シーシャ屋の「居場所としての価値」を分解する|利用シーン3選

シーシャ屋は「若者にとってのスナック」である。 家でも職場でもない、第3の居場所としてのシーシャ屋。 では、「居場所としての価値」とはそもそも何か。 シーシャ屋の利用シーンは様々である。暇つぶし、ストレス解消、ノマドワーク。 これら全てに最適な空間がシーシャ屋であり、故に「居場所としての価値」も多様、というのが筆者の答えである。そして、様々な目的で訪れた人々の出会いもまた、シーシャ屋が提供する大きな価値の1つとなる。 シーシャ屋が提供する「居場所としての価値」を分解し、人

【思煙】シーシャ屋の居心地について|アットホームと身内ノリ

以前、シーシャ屋は若者にとってのスナックであると書いた。 しかし、こうも思う。スナックという空間は、独特の入りづらさがあるのではないか。アットホームであるが故の入りづらさ。自分というよそ者が入っていいのかを躊躇う気持ち。 シーシャ屋で働く筆者にとっても、これは他人事ではない問題である。常連さんで賑わう店でありながら、誰にとっても開かれた居場所であるために、店員が取り組むべきことは何か。 シーシャ屋の常連さん常連さんは、個人経営の多いシーシャ屋にとって欠かせない、そして本

【思煙】シーシャ屋という若者にとってのスナックについて

シーシャ屋は、若者にとってのスナックであると思う。店員とお客さん、あるいはお客さん同士の間で、初対面でも会話が交わされ、いつしか顔馴染みになっていく。一部の人にとっては、「あそこに行けば誰かしらはいるだろう」という、かけがえのない居場所にさえなり得る。 シーシャ屋という奇妙な場所シーシャ、あるいは水タバコとは、香り付けされたタバコ葉を炭で加熱し、出た煙を水に潜らせて吸う喫煙具である。フルーツやお菓子、紅茶など多種多様なフレーバーが存在し、味が付いた煙を2時間程度楽しむことが