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あのころ/さくらももこ

さくらももこさんのエッセイ3部作「あのころ」「まる子だった」「ももこの話」の一作目に当たる。

 
短編集になっているのだが、ちびまる子ちゃんの漫画かアニメのエピソードを掘り下げて書いている。
この本の一番初めは「てきや」で始まる。
これはちびまる子ちゃん漫画一話の話で、一学期最後の日に道端で怪しい人が魔法カードを売っていてまる子がどんな風に過ごしたのか描かれている。
あくまでちびまる子ちゃんは全てが実話ではなく、さくらももこのエッセイ風の漫画でありアニメであり、脚色してあるところも多い。
漫画(アニメ)版では魔法カードだけが売られているが、実際は踊るマッチ箱も売られていたようだし、お姉ちゃんはそばにいなかったようだ。

漫画(アニメ)を知っている人はその差異をより楽しむことができるし
知らなくてもそれはそれで楽しむことができる一冊である。

 
「家庭教師のお兄さん」の話では漫画(アニメ)版より別れ方が切なく
「物をなくす」では漫画(アニメ)版よりヒヤヒヤする。

 
というのも、私もかつて指輪をなくしてしまい(なくした…というか、落とした時にどこか隙間に入ってしまった)、半泣きになりながら夜になっても探し続けた過去があるからだ。
結果的にさくらももこさんは見つかったが、私は年単位で探しても見つからず、この話を読むとそんな過去を思い出す。

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