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料理は妻の仕事ですか?/アベナオミ
タイトルと表紙で損をしていると思った。
これは、料理が苦手な人や料理が苦手な人がパートナーの人に特にオススメの一冊となっている。
料理が得意な方にとっては
何故料理ができないか疑問だろう。
料理とは、ただ調理するだけではない。
メニューを決め、材料を用意したり、準備や片付けも含まれる。
私は料理が得意ではない。
お菓子作りは好きだが、自分の為だけに料理をする気にはあまりならない。
誰か食べる人がいれば作るタイプだ。
それに危機を感じて大学では料理サークルに入ったが
料理を作る機会はそれでも同世代より少なかったと思う。
当時、料理サークルの一人が母親が料理研究家だと言い、家ではインスタントラーメン等は一切食べる機会がないと聞いた時は驚いた。
思えば、親友も似たような家庭だった。母親が手作り料理に凝っていたという。
私と仲の良い友達は料理が得意な方が多かった。
元彼も料理が得意な方が多かった。
最初に付き合った人と次に付き合った人は遠恋で外食中心だったが、三人目に付き合った人は近くに住んでいたため、料理をする機会がグッと増えた。
相手は料理が得意だった為、相手が作る時もあったが
私が作ることも割とあった。
友達から「料理が苦手でもせめて一品だけでも作ったら?」と言われ、余力がない時はそうした。
仕事帰りに買い物をし、たまっていた食器を洗い(相手は食器をためがちだった)、料理を作るとなると
なかなかにドッと疲れた。
世の主婦は大変だと思った。
相手は好き嫌いがなく、料理の文句は言わなかった。
手作りのお菓子が好きだという彼のためにお菓子もよく作った。
そんな時もあった。
回数にして週何回かだった。
それでも私は疲れに負けて、外食や惣菜によく頼った。
料理やお菓子作りが楽しくても
相手を好きでも
それだけでは乗り越えられないしんどさが料理にはある。
女性は料理が得意で
彼や旦那には料理をふるまうもので
料理は愛情をはかるもののように捉えていたから
この本で、それを否定してもらえて気が楽になった。
手抜き料理や分担制だけでなく
何故料理が苦手なのか、苦手な方はまず何をするのがオススメなのか書いてあった。
その中で、まずはコンビニで主食や副菜を考えて買うという、買い物に慣れるステップが書いてあり、驚いた。
というのも
うちの職場でそれを実践しているからだ。
私の職場である障害者福祉施設では、一食600円予算とし、利用者は一ヵ月を2400円でやりくりしている。
週に一回、お昼を自分で買うという時間があるのだ。
お昼を買う際はサラダ等野菜を食べるよう推奨しており
逆にデザートやジュースを買うのは禁止されている(ゼリー、ヨーグルト、果物は可)。
コンビニで買うと割高になる為、月四回ある買い物の内、何回かはスーパーで買った方がやりくりが上手くいくと学んだり(お店は複数あり、自分で選択できる)
一回の買い物で予算オーバーしても、別日の買い物で予算を調整したりとお金の大切さを学んでいる。
私の前の職場(障害者施設)では、そういった機会はなかった。
自販機が施設にあったから、一日複数本甘い飲み物を買う方、飲む方もいた。
平日は給食だが、土曜日の営業日は好きな食べ物を食べていたし、買っていた。
お小遣いが足りなくても、ほとんどの親が立て替えを許可したし、予算内でカロリーを考えたものを買うという発想があの頃はなかった。
それは私も同じで
前の職場では、好きなものを昼食に買っていたが(土曜日勤務の時は)
今はサラダを買う習慣ができた。
その買い物の日、職員はお弁当を作ってもいいし、買ってもよいのだが、予算は特に決まっていない。
ただ、フェアじゃないなと思い、私は600円以内で買うようになった。
今までは仕事において買い弁はコンビニのみだったが
コンビニの高さを知り、スーパーで買う日も増えた。
環境は大切だと思う。
一汁三菜を今後毎日私は作る自信がないけど
作り置きや惣菜やそんな工夫をしながら
健康について考えた食生活が送れたらいい。