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女一人旅三日目③~因島(因島アメニティ公園)~
ローソンには、人の良さそうな高齢の男性が待っていた。
電話でのやりとりでも穏やかそうな人柄が伝わったが、今私の目の前にいる方も優しさが表情からにじみ出ている。
その方の車に乗り込み、まずは瀬戸内レンタカーさんを目指す。
車内で他愛ないことを話す時間が楽しかった。
そこで私は手続き(5分くらい)をした後、ダイハツの軽自動車をお借りした。
ガソリンスタンドは年末のためお休みの場所もあるため、走行距離分、レンタル料(5500円)にガソリン代を上乗せで支払えばいいらしい。
ラッキー。楽ちんだ。
土地勘のない場所だと、お金で支払いのがありがたい。
エンジンはボタン式ではなく、備え付けのでっぱりをひねる式だったが、鍵を感知してロック方式だった。
仕事柄、今まで様々な車に乗ってきたが、鍵を感知してロック方式は初めてだ。
心配になり、結局キーボタンで手動ロックをしてしまう自分が早くも想像がつく。
乗り込んだ時、カーナビがないことにすぐに気づいた。まさかの展開だ。
「今の若い子はみんなスマホを使うから」らしいが、画面の大きさとしてはカーナビの方がありがたいと思うかろうじて30代。
行く場所のおおよその方角は頭に入っているし、外周で道がつながっているからまぁなんとかなるだろうか。午前中ナビの仲間がパーティーに加わるとはいえ、若干不安だ。
「みかん持っていくかい?」と言われ、早々に大きなみかんをいただく。
更に帰りもみかんを持たせてくれるらしい。
さすが因島人。気前がいい。
いや、どちらかといえば農家あるあるだろうか。
私が戻るまでの間はみかん畑で手入れをして待っていてくれるらしいし、農家とレンタカー屋さんの兼業のようだった。
我が家にもみかんの木があるため、食べ比べが面白そうだ。
因島のみかん。それだけで私にはブランドみかんだ。
余談だが、因島は八朔のイメージが強く、広島はレモンのイメージが強いが、時期が時期だからか、島中みかんの木がひたすらにあった。
豊作だ。
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「16:00くらいに戻ります。」と告げ、目指すは因島アメニティ公園。
友達Aさんとは9:00待ち合わせだが、出発した時にはもうすぐ9:00になりそうだった。
ナビによるとレンタカー屋さんからそう遠くなくて(確か10分くらい)ホッとした。
車を走り出してビックリしたのは、信号がなく、人や車はあまりなく、法定速度40kmなことだ。
土地勘があればまだしも、赤信号で小休止ができないのは地味に緊張する。
レンタカー屋さん曰く、自転車乗りがひょいと現れるから注意するようにとのこと。
今、しまなみ海道は自転車ブーム。
親友も因島二回目は恋人(現旦那さん)と自転車をこいで来たらしいし、昨日宿泊したホテルもレンタサイクルをしていた。
自転車と接触しないように十分に注意だ。
やがてスマホナビは案内をやめてしまうが、アメニティ公園の駐車場が分からない。
プールの駐車場にて一旦停車し、Aさんに連絡。
もう少し先に巨大な白い恐竜がいて、左に入ると駐車場だという。
持つべきものは土地勘があるお友達だ。頼もしい。
私は再びアクセルを踏んだ。
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少し車を走らせると、なるほど、よくXで見る見覚えのある白い恐竜が見えてきた。
駐車場もなるほど、左側にあった。
車が数台停まっている中、女性が車のそばに立っていた。あの人がAさんに違いない。
私はその近くまで車を走らせ、停めた。
Aさんとは初めましてではあるが、インスタに顔を載せていたので相手の顔は分かっていた。
…分かってはいたはずだが、自分を待っていてくれた女性は想像よりもかわいらしいお方で、私はキャーキャーした。
私はかわいいおなごが大好きだ。
Aさんに連れられて、白い恐竜や有名なINのSHIMAモニュメントまで歩いた。
17年前にはなかった、最近の因島を象徴する場所の一つで、私がずっと来たかった場所だ。
当時ははっさくんというゆるキャラもまだ誕生していなかった。
夢に見た場所に今立っている。
青空いっぱい広がる。
私は一気にテンションが上がった。
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厳島神社の反省を踏まえて、フードをかぶったが、頭がタマネギ感増してしまった。
うーむ、フードはそのままの方がいいのだろうか?悩む。
ただ、こうするとポルノグラフィティの文字が際立つのは確か。悩ましい。
ロングダウンで来るか迷ったけど、やっぱりポルノスカジャンで来てよかった。
因島に映える後ろ姿だわ。
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白い恐竜が私達を優しく見守っている。
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Aさんはとってもかわいらしく、撮るより撮られる側だと思うのだが、「撮りますよ!」「撮るために来たんですから!」とはしゃぐ私の写真をたくさん撮ってくれた。
普段はぼっち行動が多いし、誰かと出かけても自撮り率が高いため、こんなにたくさん撮ってもらえてとてもありがたかった。
ここのINのSHIMAモニュメントは、自撮りでは全体が入らない。
感謝感謝である。
Aさんが、「ここからは私の車についてきてください。」と言い、私達はそれぞれ車に乗った。
信号で引き離されることはないし、そもそも車はあまり走っていないため、安心だ。
スマホナビは一休み。
私は目の前のAさんの車を見失わないように真っ直ぐ見つめる。
着いていきますぜ、姉御!