女一人旅準備①日程とレンタカー
年末年始の休みが9日もあると知ったのは10月末のことで
それを職場で聞いた私は目を見開いた。
私の職場は祝日が出勤日であり、お盆やお正月の休み日もその年によって違うため、ろくにカレンダーもチェックしていなかった。
毎年、年始は親戚が集まるため二日間空けていなければいけないが
今年は母親のリハビリの関係で親戚が集まるのは一日しかない。
旅行に行きたい。
そう真っ先に思ったが、私はなかなか親に言い出せなかった。
母親は心身不調だったし、父親に任せきりになってしまうからだ。
だが、転職したり、退職しない限り
9連休の休みはもうとれないし
むしろ両親の状態も来年には今より悪化してしまい、私は遠出できない可能性もある。
行くなら、むしろ今しかない
かもしれない。
意を決して、私は両親に旅行の件を話した。
すると、拍子抜けするほど呆気なく旅行の許可がおりた。
両親は両親で行くなら今のうちだと思ったのかもしれない。
4日以上のまとまった休みがあるならば、私が旅行で行きたい場所はたった一つ
因島である。
私が一番好きなアーティストであるポルノグラフィティの出身は因島であり
彼らはデビューした頃から因島の魅力を発信し
因島をテーマにした楽曲をいくつも発表した。
ファンにとって因島は聖地なのである。
かつて因島に行った際、あまりの自然の美しさに魅了された私はまた行きたいと強く願ったが
我が家から因島は片道7時間以上かかる。
なかなかに遠かった。
退職した際、すぐに転職しなかったため、因島旅行を計画したが、コロナ禍に突入し、そうこうしている内に転職し、旅行は叶わなかった。
さて、両親から許可をもらってからは日程を決めなければ。
この時すでに11月頭。
年末年始旅行ならば、早めに動かなければ。
私は広島には行ったことが二回あり
一回目は原爆ドーム、因島、厳島神社を旅行し
二回目は原爆ドーム、尾道、厳島神社に行った。
そのため今回は原爆ドームに行くのはやめ
因島、厳島神社を中心に行こうと思った。
私は乗り物酔いをしやすく、環境変化に弱い。
更に、12月は寒く、仕事がハードで体力が低下している。
遠出すると、体調を崩しやすかった。
そのため私は
12月28日に広島入りし
29日に厳島神社に行き
30日に因島に行き
31日に帰宅することにした。
気持ちとしては29日に因島に行きたいが、広島駅から因島は片道2時間以上かかるため
先に厳島神社に行き、その日の内に尾道に移動して泊まり、30日は朝からガッツリ因島を堪能しようと思ったのだ。
そうと決まれば、まずは因島観光協会に連絡だ。
平日しか観光協会はやっていないため、通院で早退した日に診察の合間に電話した。
ネットによると、因島は年末年始は観光地や飲食店は休みの場合が多いらしい。
また、年末年始のため、バスも時間帯が変わる。
平日旅行ならば、因島観光協会でポルノファンのためのマップがもらえるらしいが(ほしい!)、年末年始はやっていないし、そのマップはダウンロードもできないし、ネットに出回ってもいない。
自力で行く場所を調べるしかない。
ドキドキしながら、電話をした。
私は因島はSuicaは使えるか(西日本と東日本は色々勝手が違うし、本土から因島に行く際はバス代が高く、初めて行った時は小銭が足りなくてバタバタしたから)、飲食店はやっていないのか、コンビニやスーパーはやっているのか、ポルノファンが行く定番の場所はあるのか等を聞き、メモっていった。
どうやら、バスはSuicaが使える場所と使えない場所があり
飲食店や観光地は例年やっていない場所が多く
コンビニやスーパーは年末年始もやっていて
ポルノファンが行く定番の場所は私が知っている情報以上のものは得られなかった。
Suicaには多めにお金を入れておき、小銭や1000円札も持っていき
コンビニやスーパーでお昼を調達しようと思った。小食の私はそれくらいで十分だ。
因島でどこに行くかはネットで個人的にじっくり調べて行こうと思った。
続いて、私は因島のレンタカー屋さんに電話をした。
以前因島に行った時はバスで移動したが、本数が少なく、待ち時間が長く大変だった。
当時は免許をとりたてで運転に自信がなかったが、今は仕事柄色々な車で様々な場所に運転をしているのでバッチリだ。
レンタカー屋さんではあっさり予約がとれ、ポルノファンかどうか聞かれた。
因島観光協会でもそうだが、因島の方と話せたり、因島弁を聞けただけで癒やされる。
値段は5500円でガソリン代は別にかかり、当日はバスの時間に合わせて近くのコンビニまで来てくれるらしい。ありがたい。
私は家族旅行ではレンタカーに乗ったことがあるが、レンタカー屋さんに行くのもレンタカーも人生初となる。
因島旅行で大切なことは、レンタカーをおさえ、宿をおさえ、新幹線チケットを買うことだ。
旅行計画はおいおいつめればいい。
まず第一関門を突破した私は、次は宿を予約するべく、ネットを開いた。