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人魚の眠る家/東野圭吾
「離婚予定の夫婦の娘が突然事故により「おそらく脳死」と医者に告げられる。
離婚はとりやめ、娘の在宅介護を目指して頑張る妻・薫子だが…」
というあらすじだ。
東野圭吾さんの作品だが、ミステリー要素はない。
アマゾンでは高評価だし、今度映画化されるらしいし、タイトルや表紙もきれい。
テーマの臓器移植も興味深いのだが
個人的には、もう読み直すことはないかな、という感想。
途中で読むのが辛くなった。東野圭吾さん、好きなのに。
その大きな理由が薫子の性格だ。
薫子の性格が受け入れられない。
分からないでもないのだが、狂気じみていて正直怖い。
母の愛強し、とのことなのだろうが
生人がかわいそうだ。
息子がイジメにあいそうな時にあの反応はなんだ…
価値観の押しつけ。
例え旦那や妹に何か言われても突っぱねるのはまだいい。
だけど生人も息子なのに。
あのまま瑞穂が立たなかったら、生人がひたすらにかわいそうだ。グレるぞ。
そんな印象だ。
臓器移植や脳死について勉強になったり
第4章は心あたたまるエピソードがあったり、絵本が印象的だった。
帯の言葉の意味を読みすすめて知った時
なるほどな~と唸るし(そっちの意味とは思わなんだ。しかしやはり生人がかわいそう…)
全体的にはまとまっていた作品でもあったと思う。
水の事故の原因が切ない。
私は自分に何かがあったら臓器提供をしたい。
薬や体調の関係で献血はできない分
せめて可能なら臓器提供したい。
そう中学時代に家族に伝えた時
家族はあまりいい顔をしなかった。特に祖母はしなかった。
臓器提供カードをいつも財布に入れて持ち歩いているけれど
私は最終判断は家族に任せるとも伝えた。
家族の気持ちも分かるのだ。
矛盾しているようだが
家族が臓器提供を希望した時私は即決できるかといったら複雑だからだ。
宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」の歌を思い出す。
そんな作品だ。
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