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ホリー・ガーデン/江國香織
連休中に色々読みたい本があったのに、何故か急に「ホリー・ガーデン」を読み返したくなって読んだ。
読むのはもう5回以上だろう。
話は果歩と静枝という幼馴染みの親友のアラサー二人と、その恋愛や日常を中心に描かれる。
果歩はかつて不倫をしており、別れてからは特定の恋人を作らずに様々な人と寝ていた。
静枝は今不倫をしている。
私は見た目も性格も果歩には似ていないけど、性質や恋愛における価値観は似ている部分がある。
静枝が放つ言葉や、言葉にはしないにしても心が見え透いた態度が果歩を苦しくさせるたびに、私も感情移入してしまう。
鈍感な人には救われる場合もある。特に、心に厚い壁を作り、籠城している時には。
中野は鈍感な部分もありつつ、分かっていて笑顔で近寄る。
中野みたいな存在が救いであり、かつ中野の気持ちが分かるからこそ、そういう相手とは体の関係には決してならない果歩の気持ちがよく分かる。
好きな人がいる。燃え上がるような恋がある。
それは素晴らしいことであると同時に、負傷兵のようになったり、摂食障害にさえなり得る。
恋愛にしろ、仕事にしろ
ほどよい熱量と適度な距離感と圧倒的な穏やかさが大切なのだと思う。
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