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生き物の死にざま/稲垣栄洋
本屋にてオススメされており、タイトルと見出しを見て即買いした本。
そして読了後の感想としては、想像以上に興味深い内容であった。
タイトルは「生き物の死にざま」となっているが
帯にあるように、いかに子孫を残そうとするかの奮闘記である印象を受ける。
何故なら、29種の生き物を題材に上げているが
半分以上の生き物が交尾をして直後、もしくは早々に死ぬのだ。
生き物はそのようにプログラムされているらしい。
そう考えると、人間は面白いなぁと感じる。
出産=死ではない(妊娠、出産は命がけではあるが)し
親が子を育てるのは基本的には当たり前だからだ。
この本に載っている生き物は卵は産みっぱなしの例が多いし(生存率を上げるため)
両親で子育てはしない(生存率を上げるため)。
父親、もしくは母親が育てる場合は
飲まず食わず不休で卵を守り、孵化したら親は死ぬ。
場合によっては親が子どもの最初のエサになる。
海の生き物はオスが子育てする率が高いのも興味深い。やはりオスの方が強靱だからだろうか。
主人公は人間より体が小さい生き物がほとんどであり
厳しい自然界の中、外敵もいる中
いかに生き延び
いかに子孫を作り
絶滅しないようにするかは
各生き物によって本当に千差万別で
読んでいて飽きることはない。
不老不死であったり、老いなかったり(ただし、外敵に見つかれば食べられる)
不眠不休で交尾をしたり
オスがメスに寄生して生き延びたり
交尾後に食べられたり(オスカマキリは食べられる確率が1~3割。知らなかった…基本食べられるのかと。ただ、オスを食べると卵が2倍の量になるそうな。)
パートナーは誰でもよかったり
パートナーは生涯一匹だけだったり
生まれつき、子どもを産まないつくりになっていたり(働きアリ、働き蜂、兵隊アブラムシなど)
乳母捨て山のごとく、年老いたり力なくしたら組織から追い出されたり、置いていかれたり
ミツをとってくるのは老い先短い蜂であったり
なんて面白いのだろうか。
私は昔からこういった、昆虫の生き方や社会性や子孫繁栄に真っ直ぐな生態に興味津々なのである。
人間の生き方、自分の生き方に重ね
違いを知り
共感をし
親しみを持ち
憧れや驚きや恐怖を感じ
そして自分の生き方や生き物の命について改めて考え直すのである。
大切にしようと思うのである。
余談だが
知らない虫や生き物をググッて調べた為
私のスマホの検索欄が生き物だらけである。
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