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初めて世に送り出した商品

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入社して一番最初に配属された子会社 株式会社ふくなお。

当時は「形あるやわらなか食材」とか「QOL(クオリティオブライフ)」とか年を取り、疾患が表れて心身に異常をきたしても「年だから」で片づけられていた時代だった。

病院や老人ホームでの現状や食事など全く知らない私は知り合いのつてを頼っていろんな病院や老人ホームにお願いし食事を見せてもらい

患者様、入居者様のお食事を見せてもらいたくさんの事を勉強させてもらった。

普通にへらへら生きてた小娘には衝撃の連続だった。

なんでご飯をミキサーかけるん?なんで小っちゃく刻むん??

食べている人、提供している栄養士の方、調理の方、介助の方も誰もそれでいいとは思ってない。けど術がない。私にも術がない。

とにかく勉強しようと思い介護の本を読み漁った。

一番最初に「高齢者の避けるべき食材 かまぼこ」

うち、かまぼこ屋やのに。介護食品やろうってのに。

避けるべき食品「かまぼこ」って(笑)

即工場へ出向き、開発室に行き「かまぼこ柔らかくできますか?」

答えはめちゃめちゃ軽く「できるよーーーー」

今思っても当時の弊社の職人の技術は非常に高かったと思う。

数週間後に「できたでーーーーー」と。

味の調整や柄の調整を数回やって商品化にこぎつけた。

そしてその商品は「やわらかまぼこ」と名つけられ世に流通することになった。

介護の本に羅列されていた「避けるべき食品」は変わるものが無いから避けるべきと書かれているだけで

その食品が高齢者の口腔機能や疾患に優しいものならまだまだ食べることをあきらめてもらわなくていいんじゃないの??

そこから、困りごとをお客様を回って聞き取り、商品化する日々が続いた。

いま思っても、開発力はすさまじいものだったと思う。

私は言葉で「やわらかい〇〇」と投げるだけで形にしてくるんだから。

そして、その商品たちがいかに世の中に求められていたかはその後の売り上げが語ってると思う。

その最初の成功体験から、商品とはお客様の願いをかなえるものであるべき。と常に思えるようになった。

もちろん、当時の開発を支えてくれたメンバー

一緒に商品を持ち歩き、一軒一軒に商品を紹介してくれたメンバー

そして、私が子会社を退いた今も、その時の商品たちを大切にしてくれているふくなおのメンバー無しには全く語れない話なのは間違いない。




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