僕たちは、「何もしない」のが下手くそだ
「Today I don't feel like doing anything」
「今日は集中できなかった。」
「今日はやらないと。」
「今日こそ。今日こそ。今日こそ。」
何もしないのが下手くそだ、と思う。
心のどこかで、もっといい1日にしないといけないと思っている。
昨日よりも今日、今日よりも明日。いいことがあるのが当然だと感じている。
いつか、必ず、成功したいと願っている。
どうしてこんなにも僕たちは、何かをしたり、何者かになりたがっているんだろう。
成功って、なんだ？
成功って、なんだろう。
有名になることだろうか。
お金をたくさん稼ぐことだろうか。
たくさん物を買えて、広い部屋に住んで、仕事をしないことだろうか。
好きな人と一緒にいることだろうか。
僕たちは知らぬ間に「誰かの成功」を目指してはいないだろうかと思うことがある。
思い浮かべているそれは、誰の成功なんだろう。
それは本当に、あなたの成功なんだろうか。
成功って、なんだろう。
だからもし成功を追うのだとしても”自分の成功”を見つけられたらいいなと思う。
成功を目指すために、何かをしないといけないのか。
僕たちは成功を目指している。心のどこかで。それは「よくないよりも、いい方がいい」からだ。
たぶんきっとそれくらいの理由なんだと思う。その欲望なのか、夢なのか。熱量の根源を僕たちはそこまで具体的に認知できない。
みんなきっと、自分が”そう思っている”だけなんだと思う。
それが悪いわけじゃない。
僕の「書きたい」も、「旅をしたい」も。心がそれを心地いいと言っていて、そう感じていて、そうしようと僕が思っている。それ以外に説明のしようがない。
それでいいんだと思う。
でも何かをしないといけないと思って、苦しんだり、悩んだりすることはどうなんだろうか。本当に必要なことなんだろうか。
僕たちは以前は生きるために生きていた。
米を作って、野菜を作って、狩猟をしたり、漁をしたり。木を切って、火を起こしたり、川から水を運んでいたりしたんだ。
ただ毎日を、生きるために生きてきた。
それがいろんなものが整って、家には電気もガスも水道も繋がっていて。お金さえ払えばいつでも使うことができる。
自分で時間をかけて準備する必要もなければ、得るために技術を身につける勉強や練習をする必要もない。
あるから、暇がある。
いろんなことを知って、いいなと思って、やりたいと思う暇ができた。成功を目指すだけの時間ができただけなんだ。
だから何者かになりたいと思って、何かを目指して、それを成功だと思うことは必然なのかもしれない。それが当たり前なのかもしれない。
でもだから余計に、有り難いことなんだと思う。
当たり前の反対は、きっと有り難いだ。
何かを求める暇があることは今当たり前になっていて、それはものすごく有り難いことで。
何をしたっていい。でも何もしなくたっていいんだ。成功を目指せる暇ができた、時間がある。それだけだから。
何もしないことも、何かをしていること
そう、僕は思う。
例えば、朝起きて、妻さんを見送って、僕は散歩に出かける。だいたい朝8時半から気が澄むだけ歩く。
「優雅だね。」と妻さんは僕に言った。
誰かから見たら、散歩は何もしてないのかもしれない。
働いてはいないし、生産的な何かではないのかもしれない。
誰かのいう成功を実現するためには、程遠い行為なのかもしれない。
でも僕にとって、やさしく、みやびな時間であることは確かだ。
歩いている。それだけでいいと思える人からしたら、それはこの上ない幸せな時間、行為になってくれる。
散歩をすると、健康になる。ストレス解消になって、前向きになる。前に歩く、すごく前向きな行為だから、僕は散歩が好きだ。（後ろ向きに歩いたら後ろ向きな行為なんだろうか、とよく思うけど、それは僕にもよくわからない）
何かをしている。何もしていなくとも。何かをしようと思わなくとも。
僕たちは何もしないことが下手くそだ。
下手くそでも、絶対に何かをしているから。
「Today I don't feel like doing anything」
今日は何もする気が起きない。それが何日か続いたって、それはそれでいいんだよ。
「Nothing at all!」
もう何もしない。そう決めたっていいんだよ。自分を休めることをできているんだと思うし、考える時間にもなってくれるから。
あんまり何も書いていないと思う。でもそれでいい。じんわりと、馴染ませていくように書いていく。読む人にも、伝わるといいなと思う。
何もしていないなんてことはないんだから。
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