2022/09/21【ロシア】ウクライナの勝利で核の脅威、アメリカはどうする【世界情勢】#90
今回は、ロシアプーチン大統領に関する話題で、ウクライナが反撃を強めた先に核の脅威があり、今後アメリカがどのようにこの問題に対処すべきか、というお話をしたいと思います。
ハルキウ州でのウクライナ軍勝利
先週、ウクライナ軍が東部のハルキウ州で大勝利を収めたことは日本でも大きく報道されていますので皆さんもご存知と思います。ロシア軍は兵器や軍需品を大量に放置して敗走したとのことで、アメリカを始めとする西側諸国の兵器支援が奏功している結果と言って良いと思いますが、こうして戦局が潮目を迎えた一方で、兵器不足が深刻と言われているロシアはイランや北朝鮮から武器の供給を受けているものの、最も頼りとする中国は経済支援はするも武器は供給せず、との姿勢を見せており、今後、ロシアの軍事的な勝利は困難では、と言った見方が出てきています。
しかし、プーチン大統領が追い詰められることは西側諸国にとって一見朗報に見えるものの、その先の落ち付けどころが一体どこにあるのか。今アメリカではこういった議論が始まっています。
ロシア、プーチン大統領の今後
まず前提条件として、この先ウクライナが善戦を続けたとして、プーチン大統領の、ドネツク、ルガンスクの両州をロシアに吸収する、という目下の暫定的な目的を阻止したとしても、プーチンが敗北を認めるという選択肢は、即プーチン政権の崩壊に繋がりますので、これは無いと思います(一応申し上げておくと、現段階で、プーチン政権の瓦解、崩壊の議論はまだまだ時期尚早ですのでその議論は無いと言って良いと思います)。プーチン政権は、ロシア軍上層部と諜報機関、旧KGBの支配層の支援で成り立っている政権ですが、彼らは、西側に対して弱いトップを決して認めません。となると当然の方向として「軍事態勢の強化」ということになりますが、今のところの選択肢は一つしかありません。兵力不足を補うべく「国家総動員」を行うかどうかですが、この国家総動員は、今のプーチン大統領にはかなり難しい選択肢ではないかと言われています。なぜならば、今まで、国内では、作戦は全て順調に進んでいると政府は常に説明してきた訳ですが、これに矛盾が生じ、国民の政府転覆に繋がりかねない大きな抵抗を受ける可能性が高いからです。
プーチン大統領の動きとバイデン政権の対応
そこで、今改めて注目され出した問題が、プーチン大統領が核を使用するのでは、という懸念です。
このまま進めば、自分の政権が崩壊し、自分が処刑される危険を冒す前に、プーチン大統領が核兵器を使用する可能性は、確率論上否定は出来ません。そうなった場合にバイデン政権がどう対応するのか、本当にそのシナリオに対する準備が出来ているのか。
個人的には、バイデン政権は、ウクライナがここまで善戦するということを甘く見ていた可能性が高いと思います。今までアメリカは、ウクライナに、適度な抵抗、ロシアがすぐに簡単に勝利するほど弱くなく、かと言ってプーチン大統領が核を使用する程追い詰めても困る、ちょうど良い程度に反撃させることでこの戦争のバランスを取る政策を取って来た訳ですが、そもそも兵器の供給量とその質だけで、この丁度良いバランスをコントロールしようとすること自体に無理がある訳で、勿論経済制裁もある訳ですが、このアメリカのさじ加減政策も、これだけ多くの人が無くなる大惨事に於いて、こういった手法に頼ること自体がやはり限界があるのだろうと思います。
この戦争にきちんと決着を付ける、そしてその過程で絶対にプーチンに核の使用を抑止させること、中間選挙が迫るこのタイミングは実は危険なタイミングです。バイデン政権は決して手を抜くことなくこの問題にも注力して頂き度いと思います。
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