ー詩と形而上学ー29.0
白藍色
眠れないほどに
燃え上がる
冷えていく
炎
欲している
欠乏している
霧が晴れたような
夜明け
文未満
意味以上
通り過ぎたもの
大切だった
確か、大切なはずだった
本当は、もっと
屈託のない心であるはずで
喪失的な
背中のかたち
ベランダに残る
陽炎の名残
ビルの光が反射した
夜の雲を
黒とブルーの中間の
濁りのない藍色で染める
震えている
孤独を知り過ぎた
魂が
切望している
待ち続けている
前未来が
大地が割れて
無着色の音楽が
プラスチックで
生成された
無機質な音が鳴る
躍ろうと思う
微かに宿った
二度目の炎
確かに
冷えて
白藍色に揺れている
Written by Daigo Matsumoto