空振りOKの防災の考え方〜この3年くらいでデイサービスの経営者・事業責任者になった方へ〜
災害の予見可能性は程度がある。
例えば、地震については30年以内に70%など、いつ起こるかは極めてわかりにくい。
一方で、線状降水帯や台風などによる大雨、洪水については、1時間単位で予測がされるなど精度が高くなってきている。
今回の記事では、この後者について考えていきたい。
責任者の方は、大雨、洪水によって事業実施の判断について迷ったことがあるのではないだろうか。休業した場合、その経済損失よりも、実際には大した雨じゃなかったという結果に対する判断の過ちを恐れる傾向があるように感じるが、これは誤りであると声を大にして伝えたい。
大雨、洪水などの警報が発令され、高齢者等避難などの情報も発令される場合、事業継続するなら相当の根拠が必要とされるだろう。実際に、災害時の事業運営において、顧客や従業員が死亡した場合は当然、法的責任が問われている。
東日本大震災、西日本豪雨災害など、過去の大災害を経て、決して十分とは言えないが、日本の医療、福祉領域における防災対策は制度として確立されてきた。これから、さらなる運用が重要になってくると思われる。
さて、冒頭に戻ろう。
休業の判断をしたが、「大した雨じゃなかった」という結果は、明日からの事業継続に大きな支障がなく本来喜ぶべきものである。損失を感じる必要は全くない。だからこそ、空振りを恐れずに意思決定をしていってほしい。
僕が運営しているデイサービスを例に考えると下記の通りとなる。
結局、災害をリアルタイムで全て把握し、被災を避け安全に移動するために指示することは不可能である。であるならば、それを回避するのが、最も安全で効率が高い。
デイにおいては事業所の被災が、一番最初に想起されるが、実は量として考えるとそれ以外の可能性の方が高い。
・職員自宅の災害
・職員自宅から事業所までの通勤ルート間での災害
・事業所から送迎中宅までの送迎ルート間での災害
・利用者宅から次の利用者宅までの送迎ルート間での災害
・利用者宅の災害
・職員帰路時の事業所から職員自宅ルート間での災害
特に、大雨、洪水時は路面、河川、土砂など考慮するべき点が複数あるので、それをリアルタイムで職員に判断を委ねるのは大きなリスクとなる。。
そして、意思決定が遅れると、利用者、職員の避難行動の阻害になり、被災の可能性が高まっていく。
結局、意思決定が適切かどうかは、後になってみないと分からない。
だからこそ、空振りOKの姿勢で、デイの休業を判断することは防災上とても重要。
それを、トップが渋ると他のスタッフも、当然休業の意思決定を躊躇する。
すると、万が一が起こる可能性が高まってしまう。
万が一を起こさないためには、空振りOKで意思を持って休業を判断しよう!
サポート有難うございます。難病の治療や入院費に当てさせて頂きます。勇気頂き感謝です🙇♂️