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『コールド・リーディング』を読んで感じた占いの本質
daifukutoyukimiです。
今日は読んだ本の話をしたいと思います。
イアン・ローランドの『コールド・リーディング』を読みました。 私が購入したのは電子書籍版(第二版)ですが、第一版に比べて評価が下がっています。 理由として、第一版にあった事例がカットされている点が挙げられます。 私は第一版を読んでいないので直接比較はできませんが、なぜ削除されたのか気になります。
コールド・リーディングとは?
コールド・リーディング(英: cold reading)とは、話術や観察法のひとつであり、外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術や観察法である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。
この技術は超常現象やサイキック能力と結びつけられることもありますが、本書ではサイキックの実在については特に議論されていません。
本書を読んだ感想
私がこの本に興味を持ったのは、会話が得意ではない自分にとってスキルアップの助けになるのではないかと考えたからです。
結論として、会話のスキルアップという意味ではあまり役に立ちませんでした。 理由としては、コールド・リーディングの習得にはある程度の適性があり、その中には口が達者であることと、ある程度の演技力が求められるためです。ただし、内容自体は非常に興味深く、楽しんで読むことができました。
リーディングの有効性
本書の序盤では、リーディングが主にタロットや占星術などの占いに活用されることが説明されています。 具体的な占いの手法が明らかにされており、非常に感心する一方で、私自身は占いに対して否定的な印象を持つようになりました。
占いという行為そのものを否定するつもりはありませんし、信じる人がいるのも当然だと思います。 また、占いをエンターテインメントとして楽しむという見方もあります。
本書によると、占いの主要ターゲットは21歳~55歳の女性が中心とのこと。 コールド・リーディングは、リーディングをする側と受ける側の間に信頼関係が生まれることで効果を発揮しやすくなります。 そのため、占いを信じ、導きを求める人々には特に有効なのでしょう。
私自身、初対面の人と信頼関係を築くのが苦手なため、占いには向いていないと改めて感じました。
コールド・リーディングの仕組み
本書では、コールド・リーディングの仕組みについて詳しく解説されています。
セットアップ
主要なテーマ
主要な要素
ウィン=ウィン・ゲーム
プレゼンテーションの方法
すべてのまとめ
これだけでは分かりにくいと思うので、簡単に説明します。
コールド・リーディングの基本は、相談者(リーディングを受ける側)の情報を当てたり、それに近いことを言い当てること。 相談者はその言葉を聞くと、自分の過去や経験に照らし合わせ、共通点を見つけようとします。 リーディングをする側は、その反応を見ながら話を調整し、正確に当てたように見せるのです。
例えば、「あなたの子供時代に水に関するトラブルがあったのでは?」という問いかけ。 相談者は自身だけでなく家族や友人の体験も思い出し、水難事故や漏水など、何かしら関連する出来事を探してしまいます。 「水」というだけでこれ以外にもいくらでも事象は広げられるでしょう。 これにより、リーディングする側の言葉が当たっているように錯覚してしまうのです。
本書では、こうしたテクニックが具体的な例とともに細かく解説されています。 翻訳に多少の違和感を覚える部分もありましたが、他の読者のレビューでも指摘されている点なので、共感する部分がありました。
占い師を目指す人にとっては、必読の書かもしれません。
まとめ
コールド・リーディングは「相手に信じさせる話法」であり、それ自体に問題があるわけではありません。 ただ、それが占いと結びつくことで、私は少し複雑な気持ちになりました。
占いは非常によくできた仕組みです。 そもそも占いに懐疑的な人は、占いにお金も時間も使いません。 そのため、占い師の元には、占いを信じる人、信じようとしている人、信じたいと思っている人しか訪れません。 これを考えると、占いというビジネスモデルは非常に巧妙だと思いました。
もちろん、コールド・リーディングや占いの技術を極めるのは簡単ではなく、この本を読んで私には無理だと自覚することができた程度には勉強になりました。それを職業にされている方には尊敬の念を抱きます。
daifukutoyukimiでした。