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令和7年度大学入学共通テスト「情報1」を解いてみた

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
ついに令和7年度大学入学共通テスト「情報1」が実施されたので、解いてみて思ったことを書き記しておきます。

第1問 小問集合(20点)

  • 問1 デジタル署名の働きとIPアドレスの枯渇 (4点)
    知識を問う問題。「名称を答えよ」や「説明文を答えよ」ではなく、より本質的な理解を問う問題。2問はちょっと少なく感じた。

  • 問2 7セグLED (6点)
    「〇ビットなら〇通りの情報を表せる」を身近なデジタル部品に落とし込んだ良い問題。ただ、2の7乗を実際に計算し「128」と答えさせる問題は、単純な計算ミスの誘発させ、本質を測れないかなと感じた。「2の7乗」と答えさせれば十分かなと思う。

  • 問3 チェックディジット(5点)
    問題文に説明があるので、チェックディジットを知らなくても解ける問題。ただし、2か所の誤り検出は情報処理技術者試験等でも頻出問題なので、知っていればスムーズに解答できそう。

  • 問4 アプリケーションUI(5点)
    こちらも問題文に説明があるので、技術的な知識は無くても解ける。

第2問 A 問題解決に必要なデータ(15点)

スーパーのレシートに記載されているデータから何が分析できるのか、スーパーの商品管理システムを構築するために必要なデータは何か、を問う問題。前半のデータと分析を結びつける問題は比較的簡単だが、後半のシステム構築に必要なデータ探しは、データベースのイメージも必要となり、難しいと感じた。この問題の分野としては、データの活用に相当しそう。

第2問 B シミュレーション(15点)

会費6000円の会で、おつりの千円札を何枚用意すると良いかシミュレーションする問題。これは飲み会で良く起こる問題なので、大人にとっては非常に身近な問題だが、高校生にとって身近なのかは不明。前半は問題文の説明に沿って計算すれば半分以上の得点ができる。後半はグラフの読み取りや脳内シミュレーションが必要になるが、それほど複雑ではないので難易度としては普通。

第3問 アルゴリズム・プログラミング問題(25点)

問題の題材は、工芸部の作品制作タスク管理を行うプログラム。前半10点分がアルゴリズム理解で後半15点がプログラミングの出題。プログラミング技術は、配列、条件分岐、2重ループが出題されており、思っていたより難しい印象。また、配列の添字が1からスタートだったので、pythonでプログラムを学んだ高校生は違和感があったかも。

第4問 データ分析問題(25点)

問題の題材は都道府県ごとの出張旅行者数、帰省旅行者数、観光旅行者数を表したグラフから読み取れること、各旅行者数間の相関関係。表やグラフの情報量、解答群の文章量が多く、解答に多くの時間がかかった。また、後半では単純な旅行者数だけでなく、旅行者数の人口比や四分位数を使ったクラスタリングも登場し、なかなか高難易度だと感じた。

まとめ(共通テスト対策の方向性)

全体的に文章が多く、問題数も多い。そのため、まずは素早い読解力、国語力が必要。また、知識を問われる問題は少なく、文章から読み取って理解したり、図やグラフから考える問題がほとんど。なので、語句を「覚える」学習よりも、より多くの問題に触れて「考える」練習を重視すると良さそう。
また、今回令和7年度共通テストでは、メディアリテラシーや情報モラルなどの情報1の4分野でいう「情報社会の問題解決」の出題無かったように思う。その分、「コンピュータとプログラミング」「 情報通信ネットワークとデータの活用」の比率が高く、模擬試験等の他試験でもその傾向があると感じている。もし、4分野に重み付けをするならば、後半2分野に重点をおくことが得点アップの近道なのかもしれない。


初年度ということで平易な問題になることを予想していたけど、個人的にはちょうど良いくらいの難易度ではないだろうかと思う。


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