基礎のきそ:金融リテレシークイズ(2)回答編
さて、回答編です。(1)に比べると、簡単だったのではないでしょうか?本当は(1)の方が債券や金利を理解する上では必須なのですが、人の心理として、自分にとってとっつきやすいところが重要だと思う傾向があります。さらに理解できれば楽しいので、それだけ頭に残りやすいものなのでです。
問5:「信用リスク」ってどういうリスク?
A. 債券や株式などの価格が変動して損をするリスク
B. 投資家自身の信用がなく投資ができないリスク
C. 債券などの発行体(国債の場合は国)が債務不履行に陥り、元金や利金が投資家に払われないリスク
答えはCです。詳しくは証券業協会のサイトを参照してください。
Aは価格変動リスク、Bは有価証券投資のリスクではありません。
ちなみに債券だけに信用リスクがあるのではなく、株式にも当てはまります。例えば発行体である企業が破綻した場合、株式は資本金ですので、他の債権者に弁済をするために取り崩されて価値はゼロとなります。
問6:「信用リスク」の段階をランクで表した「信用格付け」。これを公表しているのは?
A. 格付け機関
B. 各国の政府
C. 各国の中央銀行
D. 証券会社
答えはAです。格付け機関(格付け会社)は民間の会社で、有名なところではスタンダード&プアーズ(S&P)やMoody'sがあります。
日本にも格付け機関はありますが、日本の発行体に対する評価が比較的「甘くなる」傾向があります。信頼性が高いのは国際的な格付け機関でしょう。
問7:「信用格付け」の例でAAAとBBB-があります。どちらが信用リスクが低いでしょうか?
A. AAA
B. BBB-
答えはA.です。「格付けが高い」ほど「信用力が高い」つまり「信用リスクが低い」ことになります。
問8:日本の長期国債の「信用格付け」は2022年10月現在、以下のどれですか?(信頼性が高い代表的なもの)
A. AAA
B. AA-
C. A+
D. BBB+
財務省の資料の(20)が「主要格付け会社による日本国債格付けの推移」を示しています。右の二つは日本の格付け機関の物ですので、左三つを参照しましょう。この中でS&Pのものを見ると、正解がわかります。
https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2021/saimu2021-3-2.pdf
正解はC. A+ です!
問9:日本の長期国債の「信用格付け」は過去20年間の傾向として・・・
A. 横這い
B. 改善傾向
C. 悪化傾向
正解はC. 悪化傾向 です。問8で引用した財務省の資料において、左三つの三社の評価は悪化傾向を示しています。
問10:「長期金利」と言う時、日本では何を指しますか?
A. 10年もの国債の利回り
B. 長期プライムレート
C. 超長期債の利率
D. 日本で発行されている全債券の平均利回り
正解は A. 10年もの国債の利回り です!10年もの国債は毎月発行されていますので、その中で中心的に取引されている指標銘柄の利回りを指します。ところで「利回り」と「利率」の違いは、覚えていますか?忘れた場合は「金融リテレシークイズ」の(1)に戻って復習しましょう。