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友達に教えたいリスクとお金の話(7-3)

株式や債券も需給で価格が変動するが・・・

「需要と供給のバランスで価格が変動するのは株式や債券も同じでは?」はい、それはその通りです。毎日株価が動くのは、株式を発行する企業の価値が日々変動しているからではなく、市場で売買する投資家の需要と供給のバランスによるものです。
 しかし、株式については「企業の資本金」という性格上、そのお金を使った企業による「経済活動」が行われる点が決定的に違います。株価はたしかに毎日動きますが、数年単位のリターンは、その企業、業種、国・地域などの経済活動と結びつく「ファンダメンタルズ(注)」からの影響を大きく受けるのです。
 債券についても同様に、債券価格を動かす「ファンダメンタルズ」として、債券の発行体(国や企業)が「お金を返す」力(信用力)や、市中金利の変化があります。需要と供給のバランスは、そうしたファンダメンタルズの変化を反映して変わり、債券価格を変動させるのです。
「その他資産」の価格形成にもファンダメンタルズの影響はありますが、微々たるものです。暗号資産を買ったお金で暗号資産の業者が何か事業をし、その収益を配当として還元する、という仕組みはありません。暗号資産業者がたとえ業績を伸ばしても、それは暗号資産の価値には影響はありません。その業者が上場していれば、当該業者の株式の時価には影響を与えるでしょうが。

金融資産に限らずすべての資産価格は需給のバランスにより価格が変動します。
価格が変動するものをすべて長期投資の対象とするのは間違いです。

(注)ファンダメンタルズ:国や企業の経済状態を表す基礎的な要因のこと。国の場合は経済成長率(実質GDP成長率)や物価上昇率、企業の場合は業績や信用力のことを指します。

次項では為替について見ていきます。

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