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友達に教えたいリスクとお金の話(6-8)
今回は第6章の「まとめ」と復習クイズです。個人投資家が資産を運用する際に最も大事な点と言えるので、ぜひクイズをやってみてください。第5章の復習クイズの答えは最後にあります。
まとめ:リスク資産への投資割合を決めるには
- 個人が自分の資産運用に株式や債券などのリスク資産を活用するには、まず資産の何割程度を投資するか決める必要がある。(資産配分の決定)
- 資産配分を決めるうえで大事なポイントは、個人の「リスク許容度」と「投資期間」。
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このように、予測と「当てる」に固執していると、リスク資産での資産形成は難しいです。
- リスク許容度とは個人がどの程度「リスク(リターンのぶれ)」を受け入れるかということ。リスク許容度がゼロの人は全額、預貯金で資産形成をするしかなく、期待リターンが低いぶん元本をより多く積み立てる必要がある。
- 投資期間は自分がこれから迎える「ライフイベント」と、それまでの概算の期間に影響を受ける。年齢が若いほど、また子供の年齢が低いほど、近い将来に複数のライフイベントが控えているため、手元の流動性(現金化できること)が大事になる。
- 株式投資のリスクを受け入れることができる人は、以下のステップでリスク資産の組入れ割合を決めていく。
① 自分のライフステージに応じて何年程度継続して投資が可能かを確認(株式投資には最低でも10年間が必要
② ポートフォリオにおけるリスク資産への投資割合を決める
③ リスク許容度に照らして②が多すぎると考えられる場合は、預貯金の積立額を増やして調整する
- 将来に必要となる金額に照らして、すでに十分な資金が手元にあり「増やす」必要がないのであれば、リスク資産に投資をする必要はない
- リスク資産への投資、特に株式投資はできるだけ若いうちから始めるのがよい。逆に、投資期間が先にあまりない定年後に株式投資を始めるのは避けたい。
第6章 復習クイズ
Q12. 個人がリスク資産への投資を始める時にまず決めるべきなのは?
A. どのような銘柄に投資をするか(銘柄選択)
B. いつ買っていつ売るかのタイミング(投資タイミング)
C. 株式・債券に投資する割合(資産配分)
Q13. リスク資産に投資をする割合を決める重要なポイントは?
A. リスク許容度と投資期間
B. 投資期間と投資タイミング
C. 投資タイミングと個別銘柄の選択
Q14. 下記の3人のうち、株式への投資割合(総金融資産に占める%)を最も多くすべきなのは誰でしょう?
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Q15. 株式投資を始めるのに適したライフステージはいつでしょう?
A. 老後の資金計画を立て始める50代以降
B. 投資期間が10年以上とれるなら早い方がいい
C. 投資タイミングや企業の情報を十分検討する時間がある定年以降
第5章「復習クイズ」の答え
Q8. この章でいう「分散投資」の正しい説明を選んでください。
C. 株式、債券など各資産クラスの中で、市場全体から乖離しないように銘柄、業種、国などを分散すること。
Aがなぜ間違いであるかは、第7章で詳しく見ていきます。
Bは「時間分散」といい、購入価格を平準化する意味で一定の意味がありますが、この章でいう「分散投資」はCの意味です。
Q9. 「リスク資産に投資する際には、下落を避けて成長を追求することが重要。株式や債券の組入れ比率を数か月単位で機動的に変更するために経済などの勉強は欠かせない」正しいですか?
B. 間違い
資産価格が下落する正確なタイミングを当てることは困難であり、プロでも継続して成功している人はまずいません。「当てにいかず待つ」長期投資の方が、長い目で見るとリターンの向上に資するといえます。
Q10.「長期投資」は株式投資の場合、最低でも〇年程度は必要。〇の中に入るのは?
B. 10年
この章では一つの目安として10年としています。長ければ長いほど投資期間中の暴落を取り戻す余裕が生まれます。第6章で見たように、自分のライフプランに応じて投資割合を見直し、特に定年以降はリスク資産投資の割合を減らしていくことは必要です。
Q11. 「相場の先行きを正確に当てられない場合は、リスク資産に投資すべきではない」正しいですか?
B. 間違い
プロでも相場の先行きを正確に当てることができる人はいません。リスク資産は「リターンの不確実性が大きい」ためリスク資産と呼ばれるのです。「当てに行かず待つ」で資産を育てましょう。
第7章では伝統的な資産である株式・債券以外の金融資産や投資手法について見ていきます。ビットコインなどの暗号資産や不動産投資はどう?と思っている方はぜひ読んでください。(次章に続く)