業界未経験からwebディレクターになり4年経った今の課題
こんにちは。長野県長野市のweb制作会社でディレクターをやっている金子大地と申します。
このnoteでは業界未経験からwebディレクターになり、まもなく4年経とうとしている私が今感じている課題について書きました。よければ最後までご覧ください。
軽く自己紹介
私は新卒から約5年半、営業の仕事をしてきました。その後2020年10月からwebディレクターとして働いています。業界未経験でこの世界に飛び込みました。
今の主な業務はwebサイト制作のディレクションと公開後のweb活用支援です。特徴的なのはHubSpotに特化したサービスを提供している点でしょうか。あとは一般的なwebディレクターの職務と大きく変わらないと思います。
なぜ"課題"を書くのか
今回なぜ"課題"について書こうと思ったかというと、webディレクターが自身の課題を切り口にして書いたコンテンツが見当たらなかったからです。
(そもそもwebディレクター向けのコンテンツが少ないというのもあります)
私は2023年に「Webディレクターとして3年働いた経験から得た4つのヒント」というタイトルのnoteを書きました。
こういったいわゆる考え方やノウハウ系の記事はたまに見かけるのですが、「いま自分はこんなことに悩んでいる」や「こんな課題感を持っている」というものはほとんど見たことがありません。
きっと他人の課題を知りたいという需要がないからだと思いますが、個人的には非常に読みたいコンテンツだったりします。
なぜなら課題を知ることは、待ち受ける(かもしれない)自分の未来を先取りできるからです。
もし"業界歴10年目のwebディレクターが感じている今の課題"のようなコンテンツがあれば今の私はめちゃくちゃ読みたい。それは私が10年目を迎えたときに立ちはだかるかもしれない壁や苦悩を想像したいからです。
もちろん一言にwebディレクターといってもさまざまな職務があるので、すべての課題が立ちはだからないかもしれません。ただ可能性を知ることは大事です。
また課題を知ることは自分のキャリアや職務を見直すキッカケにもなります。このままの職務で進んでいくべきなのか、違う道もあるのではなどなど、自分自身を見つめ直す機会にもなり得ます。
前置きが長くなりました。
そんなわけで業界未経験+ディレクター歴4年目の私がいま感じている課題を書けば、これからディレクターになろうと考えている方やなったばかりの方の参考になるかもしれない。そんな思いを込めながら書いてみました。
それでは本編です。
課題1. 何を尖らせたらいいかわからない
いま私が感じている最も大きな課題は「何を尖らせたらいいかわからない」です。抽象的すぎるので順番に説明します。
4年という月日と同僚の皆さんからの助けもあって、ディレクターとしての仕事に対して一定の自信はつきました。
もちろんまだまだ未熟者です。ただ業界未経験で飛び込んだ時に比べたら知識量や経験値は確実に増えているので、業務に対しての未知の不安といったものを感じる機会は減りました。
最近は会社から大きめのプロジェクトも任せてもらえるようになったことも一因としてあります。
一方である程度の業務経験を重ねたからこそ、このままでは可もなく不可も無いディレクターになりかねないという不安を感じられるようになりました。
もう少し違う表現をすると、4年目の今はどこで自分の特性を発揮しようか見つけたい気持ちに駆られています。
ディレクターは言語化や可視化が難しい仕事です。デザイナーやエンジニアであれば「私がこのサイトを作りました」と自分の実力や実績をわかりやすく明示できます。
他方、ディレクターは「このサイト制作プロジェクトを進行管理しました」と伝えても、それが何のスキルをどの程度発揮したものなのか、それは他のディレクターと比較してどれくらい優れているのかの判断が難しいです。
そこでディレクターのスキルや特長をより明快にするために、私は「webディレクター × 〇〇」というかけ算が必要ではないかと考えています。
例えば
webディレクター × BtoB
webディレクター × HubSpot
webディレクター × API連携
webディレクター × ECサイト
こういったかけ算で自分を表現できると「この人はただのwebディレクターではなく、〇〇に詳しい/強みがある人なんだ」と実力や評価への具体性が高まります。
なので「私にはどんなかけ合わせができるのだろう」そんなことを考えている今日この頃です。かけ合わせを生み出すためには私自身の特性や強みを把握する必要があります。でも自分のことって全くわからないんですよね。だから最近は人に聞くようにしています。
ちなみにこの話をするときに忘れてはいけないのは、そのかけ合わせが会社からも求められるかどうかです。
例えば「ECサイトに強いwebディレクターに、おれはなる!」と意気込んだところで、会社がECサイト構築の案件を獲得するつもりがなければそれはただの独りよがりになってしまいます。
ディレクターとしての職能を満たしつつ、自分の特長が活きる。そして会社が向かう方向性とも合致している。
果たしてそれはどこの何なのだろうか。さっぱりわからない。
そんなことを課題として感じています。
課題2. ウェブの基礎知識を曖昧にしている
2つ目の課題は「ウェブの基礎知識を曖昧にしている」です。
これはもしかしたら業界未経験のディレクターの方が感じやすいかもしれません。
この課題は2つの側面に分解できます。
シンプルに知識不足
知識不足でも同僚のおかげで体は成せてしまう
まずシンプルな知識不足についてですが、例えば以下のようなものです。
ドメインやサーバーまわりの理解
デザイン四原則のような基本的な知識
マーケティングの代表的なフレームワーク
これら一つひとつを深く理解している必要性は高くないでしょうし、勉強すれば済むだけの話です。現に私もこれまで関連する書籍を購入したり、先輩方から教わったりしてきました。
ただ日々の実務で触れる機会が少ないので、時間の経過とともに知識が曖昧になっている(忘れている)部分が正直あります。
都度キャッチアップすればいいのですが、このあたりは割と分業しているので私の知識が不足していても同僚の方々がフォローしてくれるのです。まわりの力で体を成せてしまうとも言えます。クライアントからしても私が知っていようとも知らなかろうとも大きな影響はありません。
ここは"元エンジニアのディレクター"や"元デザイナーのディレクター"の方々とはどうしてもスタートで差が生まれてしまう部分です。デザインの知識もなければHTMLもCSSもわからない、未経験で業界に飛び込んだディレクターが抱える課題だと思います。
そしてそれは分業というweb制作業務の性質上、ある程度は目を瞑れてしまうところもあるのが現実です。
「甘え」と言われたらこの話はおしまいです。スミマセン…
課題3. キャリアビジョンがよく見えていない
最後の課題は「webディレクターとしてのキャリアビジョンがよく見えていない」です。
課題1にも通じる部分がありますが、webディレクターはどのようなキャリアパスを歩むのでしょうか?別の表現をすれば、webディレクターはどのように収入を上げていくのでしょうか?
ここのロールモデルは少ない(世に出回っていない)ように感じます。
試しにwebディレクターのキャリアについてChatGPTに聞いてみました。
以下は回答の抜粋です。
なるほど。こういうステップが想定されるというのは発見でした。
他にもフリーランス、事業会社のプロジェクトマネージャー、デジタルマーケティングスペシャリスト、コンサルタントなどの選択肢も挙げられていました。
少し話は逸れますが、先日もX(Twitter)で「web制作の仕事が生成AIによって消えるのではないか?」というトピックが話題になりました。
生成AIの進化でwebディレクターの仕事がどうなるかは本筋と脱線してしまうので割愛しますが、考えたいポイントは同じです。
ディレクターは今後どのように生き残っていけるのでしょうか?いまの私には想像が全くできていません。
昨今は急激なドル高円安や物価高、日本経済の低迷の長期化観測は、1人のビジネスパーソンとして、世帯をもつものとしていよいよ無視できないレベルだと感じています。
課題1で挙げたものと一緒に、ディレクターとしての未来を漠然とではなく、本気で考えていかなければならないタイミングなのかもしれません。
まとめ
以上が業界未経験からwebディレクターになり4年経った今の課題でした。
ディレクターになったばかりの時はとにかく目の前の仕事で精一杯で、かけ算やらスキルの棚卸しやらキャリア形成やらを考える余裕などありませんでした。
特に未経験でこの世界に入ったからこそ、より余裕がなかったのだと思います。
そこから4年を経て、さまざまな経験を積み重ねたからこそ、ここに挙げたような課題を感じられるようになった。ひとつ視座を上げられるようになったのかもしれません。書きながらそんなことも感じました。
これらの課題に対する解決策は1つもみつかっていません。
何もわかりません。どうしよう。
これがこのnoteの締めです。課題を書くとはそういうことです。
だからニーズがないのでしょう。笑
次に書くときはこの課題とどのように向き合い、解決したのかを紹介できるように、明日からまた精進していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
X(Twitter)がんばっています。ぜひ覗いてみてください。