心拍数を基にしたトレーニング

 こんにちは。今日のテーマは心拍数とトレーニングです。

 みなさんは、トレーニング中や後に心拍数を気にしていますか?心拍数は身体への負荷を示す重要な指標となります。そこで今日は心拍数を基にしたトレーニングについて書いていきたいと思います。

 まずは心拍数の利点を見ていきましょう。

1.相対的な強度が分かる

 最大心拍数の何%(%HRmax)か、あるいは予備心拍数の何%(%HRR)かによって身体にどのくらい負荷がかかっているかが分かります。
 反対に絶対的な強度の指標は速度(ペース)です。
 絶対的な強度(ペース)が同じでも、60%HRRなのか、80%HRRなのかでトレーニング負荷は大きく変わります。心拍数は気温や湿度、コース、体調、脱水状況などによって変化するからです。
 絶対的な指標(ペース)だけを追い求めるとオーバーワークになってしまう可能性がありますが、心拍数を用いて相対的な負荷を調節することでそれを防ぐことができます。

2.トレーニングへの適応が分かる

 「同じ心拍数で走れる速度が速くなる」、あるいは「同じ速度での心拍数が減少する」ことはトレーニング適応(=持久性能力の向上)を示していると言えるでしょう。心拍数の減少は、1回拍出量の増加に起因します。つまり心臓が強化された、ということです。

つぎに注意点を見ていきましょう。

1.個人差の考慮

 心拍数(他の指標においても)個人差を考慮する必要があります。
 私が大学生の頃、チームで心拍数を測定していた時期がありました。そのときは最大心拍数を220-年齢の式で一律に設定していたと思います。しかし、最大心拍数は180台の人もいるし、200を超える人もいます。最大心拍数、さらに安静時心拍数を把握していないと間違ったトレーニング強度を示してしまう可能性があります。
 同様にLTやOBLAの目安心拍数も個人差が大きく、測定してみないと分からない、というのが正直なところです。

2.心拍数の変化

 利点のところで、心拍数の変化がトレーニングの効果を示すことを挙げました。ということはトレーニングの目安とする心拍数も変化するかもしれないと言えます。
 安静時心拍数、最大心拍数の変化は%HRRに影響するため、やはり定期的な心拍数の把握が必要でしょう。

 心拍数は確かに重要な指標です。しかし、ただ装着して何となく数字を見るだけでは宝の持ち腐れになりかねません。特にチームでハートレートモニターを保有し、管理している場合、できる限り個人の情報を把握した使用が必要でしょう。

 一方、ペースを追わないといけない時もある、のも分かります。常に心拍の数字とにらめっこ状態が正しいとは私も思いません。結局のところ、心拍数も一つの指標にすぎないです。心拍数だけにとらわれず、でも正しく理解して上手く活用していくことが大切なのかなと思います。

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