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長距離走に必要な能力 ~生理学的な観点から~
こんにちは。久しぶりのnoteです。
これから数回にわたってこのテーマで書いていこうと思います。
そもそも運動生理学とは何でしょうか。簡単に言うと、運動することによって身体にどのような変化が現れるのかを理解する学問です。私自身まだまだ勉強中ではありますが、大学卒業を前にして、ここで一度これまでに学んできたことを書き記そうと思いました。浅はかな知識で語るのは気恥ずかしくはありますが、お付き合いいただければ幸いです。
「長距離走は有酸素性運動である」ことは広く知られていると思います。エネルギー代謝の話はまた別で書きたいと思うのでここでは説明を省略しますが、酸素を利用してエネルギーを生み出す代謝を有酸素性エネルギー供給機構と言います。
では、有酸素性能力とはどのように評価されるのでしょうか。一般的にVO₂max(最大酸素摂取量)が有酸素性能力の指標とされます。VO₂maxはもはやランナーの間ではおなじみの用語となりつつありますね。最近は腕時計でも数値を推定できるようになっています。VO₂maxについては次回取り上げたいと思います。
LT値(乳酸性作業閾値)も重要な要因となります。このあたりはATやVT、OBLAなどまぎらわしい用語が出てくるので次々回で説明します。
ランニングエコノミーも非常に重要です。日本語訳すると、走りの経済性、つまりいかに省エネで走れるか、を数値化したものです。ランニングエコノミーは酸素摂取量からO₂コストを算出して評価します。これについても詳しくはここでは書きません。
VO₂max、LT値、ランニングエコノミー、これらを有酸素性能力として評価します。
長距離走のパフォーマンスはほとんどが有酸素性能力によって説明することができます。しかし近年ではスプリント力や筋力との関連も見られるようになりました。特に同程度の有酸素性能力の集団においては、これらの要因によってパフォーマンスが決定することがあるようです。このあたりも後々触れていこうと思います。
今日はざっと概要を書いただけですが、次回からもう少し掘り下げた内容と、どのようにトレーニングしていくかを書こうと思います。よろしくお願いします。