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読書感想文「にんげんぎらい」
どんな本か?
大西智子氏の書いた小説です。
初めて読む作家さんです。
ネットでの評点も高かったので面白いかと思い、図書館で借りました。
感想、もやもやします・・・
内容はというと。
工場で働く主人公。
主人公と娘を残して夫が家出した状態から話が始まります。
冒頭から周囲の人間に毒を吐きまくる(言葉に出すのではなく思っていることという形ですが)ので、ちょっと面喰いつつも読み進めました。
私の性格的にこういう人物ではないので違和感はありました。
ちょっと?
ちょっとじゃないですね。
かなりの違和感です。
それも作者の方には意図があったようで・・・。
「この小説でこの人はいい人、この人は悪い人というわかりやすい区別はあまりないんですよ。どの人にもいい部分もあれば、悪い部分もあって、人に対する評価も変わっていく。そういう割り切れない感情を書きたいなって思ったんです」
だそうです。
職場の同僚、子供のママ友。
毒を吐き続ける人に事欠かないので、ずっと毒を吐き続ける主人公。
性格のいい人も出てこないが、犯罪を犯すほど悪い人間も出てこない。
良くも悪くも普通の人物ばかりで構成されています。
ただ…、何が言いたいんだろうというのがあります。
これが女性の世界なのだ、ということであれば、男性の世界ではあまりない展開。
最後もめでたしめでたしのハッピーエンドなのか。
読後爽やかというより、もやもやが残ります。
主人公が夫を詰める場面など、精神的DVとしか形容しようがないです。
私なら速攻で離婚します(笑)
この詰め方が普通なんですかね、大阪の女性は。
おわりに
作品自体は面白いか?と聞かれれば面白いです。
他人に薦めるか?と聞かれればノーです。
何とも形容しようがない、日常生活の中の気持ち悪さがありますが、興味を持った方は読んでも後悔しないと思います。
映画になるような美しい夫婦関係で現実から目を背けるのも良いですが、こういうヘドロのような小汚い感情をじっくり考える作品も世の中にはあっても良いでしょうね。
この作品、作家さん。
好きな人は好きなんだろうなぁ。