「令和」の家づくり
昭和の時代はマイホームは夢でした。
平成の時代は家づくりは耐震でした。
令和の時代は家はどう作りましょうか?
■令和の家の特徴
1 大手企業の造る家
昭和、平成、令和と時代の移り変わりと共に、
町の工務店は大量に姿を消していきました。
増えたのは「一人親方」「高齢職人」です。
街を見渡すと、
建築現場に掲げられている看板は大手企業のものばかりですので、皆さんも実感があると思います。
そのため、建設業者探しはずいぶん楽になったのではないでしょうか?
大手企業は広告に力を入れていますので、住宅展示場かウェブサイト、SNSなどで簡単に探すことが出来ます。
後は展示場を訪れるか、問い合わせれば、すぐに営業担当が話しを進めてくれます。
2 標準装備が過剰な家
高性能住宅と言えば聞こえが良いですが、
住宅に求められる性能は上がり続けていますので、
今後も高い性能の住宅が増えていくことになります。
当然、比例するように建設費も上がっていきます。
コストを上げないためには、
企業努力では対応できませんので、何かを削るという判断をしなければならなくなり、高まる性能の代わりに低下する何かが出てくるかもしれません。
性能が高いことは望ましいですが、
もう少し消費者に選択できる幅があった方が良いのではないかと私は感じています。
すでに処分について問題になってきている太陽光発電システムの設置義務化や性能のために耐久性やメンテナンス性、可変性などを犠牲にした住宅仕様など、将来への懸念は今後も増えそうです。
3 映える家
SNSを意識した家が多くなりましたよね。
昔は住宅展示場や現場見学会に行かないと他人の家をじっくりと見ることが出来ませんでしたが、現代では、自ら、ネット上に自宅を晒していますので、動かずに自由に見ることが出来ます。
承認欲求と言うらしいのですが、
他人に見られ、認められることは、誰もが持っている欲求の一つかもしれませんが、それが過剰になれば、住まいやすさよりも見栄えを重視してしまうことになってしまうかもしれません。
大手企業が宣伝のために多額の費用を投じて造る住宅展示場のモデルハウスが現実的な家の造りでない事は皆さんも重々承知のことだった思いますので、それを個人が行えば、どうなるか想像するのも怖くなります。
4 少人数で暮らす家
平成以前は、
住宅はファミリーが暮らす場所
という印象だったと思います。
しかし、
最近の新築住宅を見ると、平屋建て住宅がとても多く見られます。
2階建てにすれば、もっと部屋数も取ることが出来たでしょうが、
そこまでの広さは必要ないという判断だったのだと想像します。
おそらくは、
そこに暮らす方の人数も多くは無いだろうと想像しますが、
固定概念さえなければ、何人でも、例え、一人であっても家を建てることに何ら不思議はないですよね。
5 パッケージ住宅
埼玉県でも建売住宅が爆発的に増えていますが、
注文住宅と言っても、パッケージ型、規格型、など決まった造りの住宅がとても増えました。
その方がコストダウンにつながるからだと思いますが、
ただ単純に材料費や施工費のカットだけではなく、
打合せの時間(営業コスト)も減らすことも目的とされているのではないかと想像します。
しかし、入ってくる情報が爆発的に増えた令和時代であっても、
ブランドへの憧れは相変わらず強いようで、
「大手企業の〇〇という商品で家を建てた」
ということをSNSに上げているのをよく見かけます。
きっと見栄えが良いのでしょうね。
■令和のリフォーム
1 リフォーム難民が増える
建築業界は職人不足が深刻化しています。
また、企業に属さない一人親方が増加し、大手企業の下請け、孫請けとして囲われています。
職人の高齢化、技術力の低下も進んでいきますので、どうしても、難しくない作業に人が集まっていきます。
難しくない作業と言うと語弊がありますが、
何も無い所から家を造る新築工事に比べると、既存がある状態で施工するリフォーム工事を比べると、必要となる技術や知識はリフォームの方がやや高いものが必要となるというのが私の実感です。
ですから、
リフォームをしたがらない造り手が増えていくと想像しています。
もちろん、
昔からリフォームは難しいと言われていましたが、職人の数が多かった時代は問題が顕在化するまでには至っていませんでした。
今後は、そうした問題によってリフォームの難民があちこちで溢れてくるのではないかと懸念しています。
2 窓口会社ばかりになる
とは言え、住宅業界はリフォームの需要が増え続けていますので、
結局は誰かが何とかしてしまうのでしょうが、「誰」が何とかするのかは気になるところです。
職人さん?大工さん?アルバイトさん?
現場で工事している方は、いったい、どんな方になっていくのでしょうか?
そして、リフォームの相談先についても、
施工を伴わない営業のみの会社が今後もますます増えていくと想像しています。
3 性能アップリフォーム
新築住宅でさんざん性能を上げろ、性能を上げろ、
となっているのと同様に、
リフォームでもどんどん性能アップさせることを推奨する流れになっています。
しかし、
性能アップリフォームはただきれいにするだけのリフォームに比べ、
費用が割高なことと、技術や知識が必要なこともあって、補助金や減税などの助成制度が無くなった後にもこの勢いはだいぶそがれるのではないかと思います。
■最後までお読みいただきありがとうございます
未婚率、出生率、少子高齢化、
令和の時代で人口の問題が少しでも改善していかないようなら、
住宅業界はますます低迷してしまうでしょう。