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ドラマ版ウイングマン感想…オタクに翼が生えた、令和の夢戦士

今年最後に書くのは、10月から観ていたドラマ「ウイングマン」の感想です。火曜日にもう一つ追加されたニチアサ番組、って感じでしたが楽しかったですね。

わずか10話だったので駆け足感は否めませんでしたが、ヒーローの正体バレやラブコメ要素、アクションや主人公のパワーアップによるカタルシスもあり、とても充実していた番組だと思います。

40年前とは全く変わった、令和の「オタク」感

第一話の時からアオイちゃん良い、と言っていましたが想像以上にヒロインしてくれていたのが満足度高かったですね、個人的に。

絵的にもお似合いでしたね、主役二人

偏見ですが、健太のようなオタク男子がヒーローになるってどこかご都合主義に見えるものだと思っています。漫画の主人公としては良いキャラなのですが、それが女子にモテるかどうか、というのはリアルでは稀な話だろうと思ってしまうんですね。結局、「オタクだけど顔は良いから」みたいな俳優さんのルックスで納得させられてしまう事が多いです、実写版電車男のように。

ですがこのドラマ版ウイングマン、2024年という現代性もあってか「オタク=コミュ障=モテない」というイメージがもう古いのだな、と気付かされる作品になりました。健太は自分の世界に浸ってしまっている「痛いオタク」なのですが、それが表裏のない安心感に繋がっているのか自然と仲間が増えていきます。「この人といると面白そう」な空気感があったのが、原作が連載、放送されていた80年代と大きく違うところだな~と感じました。オタクが市民権を得た、という感覚ですね。
今はもう、時代が違う。それを如実に感じる作品でしたし、その主人公を演じるのが元祖・仮面ライダーだった人のご子息であるところがまた、感動的です。そのことで、お父さんが主演映画で語っていた、

「生きるってことは生命を繋ぐこと。先祖から連綿と繋がっている、愛の連鎖だ」

この言葉を思い出します。
ヒーローの遺伝子がしっかり受け継がれた、その1ページになった番組なんだなと感じた熱量のある全10話でした。
私自身が特撮好きなので、健太のオタクぶり、特撮ネタは面白かったのですがこの辺、元ネタのわからない人にはどう映ったのかなというのが気にはなりますが(汗)。
まさか80年代漫画の実写版に仮面ライダーBLACK RXだとか仮面ライダードライブだとか出てくるとは思わないじゃないですか、チャンネルはテレ東でしたし。

「なにゆえ今頃?」と思われそうな実写化でもあったのですが、しっかり現代版になっておりそこが面白さ、また3次元化の意義も持っていたことで受け入れられましたね。楽しかったです。

原作の健太はいかにも昭和な少年主人公でした
ここはしっかり真威人くんが今時に更新していたと思いますね


ハッピーエンドorバッドエンドは、観客次第

先述の記事で書いていますが、私はウイングマンのアニメはたまに観ていた、それも流し見感覚だったので内容はそこまで覚えていません、幼少期でしたし、ちょっとセクシーな描写が子供心にもこっ恥ずかしかった感覚もあった気がします。
なので今回、ザッと内容をネットで調べてしまったのですがアオイさん、ポドリムスに帰ってしまうラストなんですね。健太がドリムノートでアオイさんの命を救うものの、彼女を忘れて終わる…というのはドラマ版も同じでした。つまり二人は心を通わせながらも、離れてしまうという結末なわけです。せつない。

このエンディングを以て、二期を希望する声も上がってはいますが…原作を尊重した終わり方で、せつないながらも、これでいいのかな…という気もしました。この後二人がどうなっていくかは、想像にお任せというのが美しいのかもしれません。
アオイちゃんへの幸せになって欲しさは、今も凄くありますけどね。

消耗していくアオイさんを見るのは結構しんどかったのですが、
健太がそこに気付いた時からちょっと観るのが楽になりました

これまた中年男の主観バリバリな意見なので申し訳ないですが、最近のアニメ視聴者、やはり主人公とヒロインが幸せにならないと受け入れられない~みたいな感覚がないでしょうか。物語からストレスを受けたり、モヤモヤが残るのをとにかく嫌う傾向があると思っているので、このウイングマンのラストが
「記憶は失ったけど、また出会った」
という形だったことに、「現代の視聴者への配慮」のようなものを感じてしまいました。

気持ちはわかるんですけどね、私も自身の創作でやはり中心にいた男女は愛の成就を描いて幸せにしてあげたい、と思ってしまいますから。
また、後日詳しく書こうと思っていますが自分が持つその感性と、世の中に放つ作品との擦り合わせは結構難しい、でもやりようはあるんだなという事も覚えたのがこの2024年でした。

それはこの、ドラマ版ウイングマンでも感じたことだったんですね。
…私も、健太とアオイさんに結ばれて欲しかった。

そんな思いを持ちながらも、毎週楽しませてもらった良作品でございました、特撮オタクに幸あれ!(笑)。

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