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ターミネーター2の再上映に行ってきました

本日(8月23日)から二週間限定で再上映される、ターミネーター2を観てきました。

行きつけの映画館ですが、四ヶ月ぶりでした

言わずと知れたSF映画の金字塔ですが、映画館で観るのは初めてだったりします。割と頻繁にリバイバル上映が行われている作品ではありますが、関心はあってもなかなか行く機会がありませんでした。

圧巻の137分

前に観たのも、もう数年前になりますがFilmarksにも感想を書いてあります。そちらをコピペしますと、こんな感じで…

ターミネーター2(1991年製作の映画)

SFアクションの傑作。
前作では敵であったT-800が今度はジョンを守る為にT-1000と熾烈な戦いを繰り広げる。

リンダ・ハミルトンのサラへの思いが見える迫真の演技から始まり、ロバート・パトリックの表情が無機質な強敵感を演出している。
出演者のレベルがそのまま作品のクオリティに直結していると言える。
内容については今更言う事はない、アクション快作でありヒューマニズムに
満ちたドラマである。

「目の前には未知の未来が、だが今は希望の光が見える。機械のターミネーターが生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

このサラの言葉とは裏腹に、これ以降このシリーズは学びを放棄した迷走に入ってしまう。これが逆説的にこの映画の圧倒的な完成度の表れである。

スコア…4.8から5.0

本日、映画館での体験をもってスコアを満点に修正しました。
いや、本当に言うことなしの映画だと思ったんですね。

アクションスターとして、T-800が後世に与えた影響は絶大ですよね

まず、モールのゲームセンターでジョンを巡りT-800とT-1000が鉢合わせするシーンからが本番で、そこまではプロローグに過ぎないのですがその「前座」の段階からすでに面白いのが凄いんですね。二人のサイボーグがそれぞれ現代に降り立つわけですが、無表情、全裸。感情がなく、淡々と必要なものを強奪する。ジョン、サラは各々問題のある状況にあり、鬱屈とした日常が描かれる…この時点で観客はこの4者に大きな変革が起こる作品であることを否が応でも感じさせられます、これはとんでもなく面白くなりそうだと思うわけです。
今回改めて観てわかったのですがこの映画、時間的にはたった二日間の出来事なんですね。それで人類の命運が変わってしまった…とんでもない出来事の目撃者になれる作品なんです。

サイボーグの二人が、この映画のクオリティを最高潮にしています

2時間、ノンストップでド派手なアクションを堪能できますし、目的のためには手段を選ばない非情さを持つ2名の戦いには「人間の手では止められない」迫力を感じます。T-800、T-1000共々怖さと格好良さを併せ持っているんですね。
物語的には、良かれと思って造ったものが破壊に繋がってしまう恐ろしさや人間の業、機械でありながら「心」を学んでいく主人公…後の作品にも数限りなく登場する「様式美」に近い要素が溢れていますが、それが実にバランス良く絡んでいる。映画の終盤では観客全てが、ボロボロのT-800を必死に応援しているはずです。

ちょっとピンと立った耳が、「悪」っぽさを持っています

何よりこの映画、ロバート・パトリック演じるT-1000の怖さが大きい。悪役らしい憎たらしさは、全く無いんですね。感情がなく、ただ黙々とジョンを殺すために追ってくる。いくら身体を攻撃しても、液体金属なので瞬時に形状が復元されてしまう。高度な擬態能力を持ち、身体を刃物に変えて残虐な殺し方を躊躇なく実行していく…この「倒せない殺人マシーン」、インパクトは甚大でした。
一度、液体窒素にとって粉々になる場面があるのですがその後熱でまた復活してしまいます。その場面でT-800が「生き返るぞ」というのですが、この字幕の絶望感がヤバかったことを、少年時代初めて観た時からよく覚えています。「最初に観たの、字幕だったかな吹き替えだったかな~?」と回顧したことがあったのですが字幕だったと思い出したのが、このシーンだったんですね。

近年は、最初から人間らしい感情を持っていたりまた、すぐにそれを覚えたりするサイボーグも多いですが本来機械で出来た人間ってこうなんだぞ、と思い知らせてくるのが、この2体のターミネーターですよね。

その絶対的な影響力

とにかくこの作品は、その後の映画、ドラマ、漫画、アニメに多大な影響を与えています。これだけの完成度を誇る娯楽大作だから当然なのですが、最も顕著なのが…個人的には幽遊白書だと思っています。

戸愚呂兄弟。弟は声が玄田哲章さんなので、まさに、です

この戸愚呂兄弟はまさにターミネーター2の両サイボーグそのものです。兄は擬態能力、身体を武器化する能力とあり、指先を突き刺し相手を殺したりするのは完全にT-1000のオマージュです。弟はCVも相まって、言わずもがなでしょう。何より兄弟ともに、戦闘能力のために人間であることを捨てて妖怪化した存在。見た目は人ですが人に非ず、なところもターミネーターと同じだったりするんですね。

このターミネーター、3以降は言葉の通り迷走していて無理に続編を作って失敗する悪例になってしまっています。映画単体で観ると面白いものもあるのですが、基本的に2の余韻を壊す蛇足になってしまっている感は否めません。それも踏まえ、シリーズのファンである私の知人が綴った記事をご紹介します。

私は鑑賞した順序として2が先だったので、T-800が味方になることがサプライズだったというのは目から鱗だったんですね。スターウォーズのように続編、シリーズを見越した作品と違い、毎回「どうしようか」的にアイディアを捻りだしているコンテンツであることが伺えます。それが上手くはまって大当たりしたのが2ですが、結果的にあまりにも高みに到達してしまったという印象ですね。
人類の未来にまで言及したアクション映画。これはなかなか越えられるものではありませんし、人の価値観にまで影響を及ぼす偉大な作品に違いありませんね。

名作+映画館は不変のエンターテイメント

余談ですが、この映画のときのシュワちゃんと私は同い年でした

今回、21時過ぎ開始で終了は23時半という遅い時間でありながら大きめのハコがそれなりに埋まっていました。この映画の底知れぬ人気を見た思いです。おそらく完全な初見、なんて人はあまり居ないと思いますし、それでも大スクリーンで観られる機会にわざわざ夜遅く映画館に出向いた人達でしょう、私含めて。
それだけの魅力がある作品ですし、ある種そのジャンルの代名詞ともなっている作品は体験として映画館で観ておく価値があるわけですね。「午前十時の映画祭」が長く続いているのも、その証左でしょう。私はまだ七人の侍しか観たことがありませんが、今回のターミネーター2を機に再上映にももっと積極的に行ってみたいと思いました。
やはり映画館は「特別な体験」です。

数年振りに観た、90年代の傑作映画のお話でした。
実は8月29日、映画内の「審判の日」にまた、その日限定の特典が貰えるそうなのでまた行っちゃおうかな…とか考えていたりします(笑)。

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