わんぷり映画感想…「みんななかよし」を貫く21年目の物語
毎年秋恒例の、プリキュア映画を観てきました。
祝日だったので盛況、キュアスカイの衣装を着たお子さんもいらっしゃいました。邪魔にならないよう、隅っこで楽しませていただいたオジサンです。
Filmarks感想
わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!(2024年製作の映画)
秋恒例のプリキュア映画。
気付けば劇場鑑賞も7本目になった。
今回はタヌキングダムなるゲームの世界が舞台で、引き離されたいろは&まゆ、こむぎ&ユキの絆が描かれる。
基本的にTVでも動物を分け隔てなく「なかよし!」と描いてきて、明らかにタヌキを悪者にするのはどうなんだ?と思いながら観ていたが、そこはプリキュアらしい落としどころで安心した。ダンシング玉入れなどはダンスと玉入れの融合性がまるで無くて笑った、がプリキュアでこの手のゲーム参加型エピソードは理不尽ギャグになるものだと思っていたので、案外普通に突破していくのが意外でもあった。
色々な障害が起こるものの大方、緩めでスラスラ進んでしまうのに物足りなさはあった。が、これは昨年があまりにも壮大だったがゆえにそう感じるのかもしれない。公式が早々と公開したあのキャラの人間化も唐突であまり必然性は感じなかった、もっと上手い出し方があったんじゃないかと思う惜しいポイント。助っ人モフルンのほうが面白味という意味では効いていたと感じる。
エンドロールまで引っかかっていたことが、ラストシーンで解消されたのは良かった。あれがなければ「う〜ん…」な印象で終わっていたと思うので。
言葉がなくとも…なメッセージは響いた。ペットを飼っていない私でも胸にきたので、飼っている方は尚更ではないかと。
先輩プリキュアたち、どうしても急に助けに来た、となりがちなところをオンラインゲームという形で最初から「参加」させていたのは上手かった。先週テレビ版にも出ていたので、ひろプリ勢に過去作感が全くなかったり(笑)。
そしてまほプリ勢の活躍、セリフで思ったのが現代のネットゲーム、AIキャラなどはもはや魔法に近いのかもしれない、という気付きだった。
今回鑑賞体験として貴重だったのは、序盤のこむぎが泣く場面で一緒に泣いていた子供がいたこと。こむぎ、キャラとして愛されています。
わんぷりの人気もしっかり感じることができた年一回の映画、良かったと思います。
スコア…3.8
新たな仲間、を描く作品
今回、物語としては前回の「F」よりは前々回のデパプリ映画に近いのかな、と思いました。非現実的な世界に取り込まれてしまうが、そこにいた敵には悲しい事情があった…という、骨組みですね。
このわんぷりはTV版もそうですが基本的には敵を倒さず、「元の姿に戻す」という形で解決している作品です。戦うというよりは宥める、という感じなのでそこに賛否はあるようですが、番組が3クール目に入り明確な敵の意志が見えてきてもその姿勢が変わっていないことで、だいぶん受け入れられてきたのかな、という印象を持っています(もしあまりにも不評なら、新しい敵の登場を機に路線変更しているはず)。
今回も大筋はゲームの世界からの脱出が目的なので、敵と激しくやり合うといったことはありませんでした。ですが、しっかり切迫感のあるドラマになっていたと思います。あまり強く訴えてきた感じはありませんが、
「飼い主との時間は限られている」
という、動物と一緒に暮らすうえで必ず考えるであろう未来の話に切り込んできたところに、劇場版の特別っぽさを感じました。
ゲームの中でいればそれを気にする必要もない…現実世界より、こちらでいたほうが良いのではないか。そんな課題に、こむぎが応える場面こそがクライマックスだったと思います。思えば、仮面ライダーエグゼイドもゲームがモチーフで人間の命が有限であることをドラマに組み込んでいましたね。わんぷりは更に、どうしても人間より時間の少ない犬を主人公に据えることで言葉の重みを増している感じを受けました。
そして映画のオチをざっくり言ってしまうと、プログラムの暴走でしたという話なのですが敵のボス格であったムジナも悪者とは言い切れず、やはり「救う」格好の話になりました。
生みの親であるナツキさんは悟くんと知り合いだったようで、映画のゲストキャラではありますが新たな仲間、のような決着でしたね。これは前年のFもそうでしたが、戦う相手、事の発端となったからといって敵ではない、というところがプリキュアのポイントですね。いや、デザイン的にもナツキさんは悪ではないと最初から解っていましたが。テレビ版に出ていたら、彼女が5人目のプリキュアになっていてもおかしくありません。
そもそもプリキュアの子たち、昨年宇宙意思に近く一度地球を滅ぼした
シュプリームすら「同じ釜の飯を食った仲間」にしてしまう途方もない器があります。プリキュアから完全な敵認定を受けて倒されることのほうが難しいのではないかと思ってしまうほどです(笑)。
Filmarksのほうにも書いていますが、ナツキさんが会えなくなってしまった本来のタヌキについてのフォローがちゃんとあったのが良かった。ベタな言い方ですが、誰も不幸にならずに終わったところがプリキュアらしさであり安心感なんですね。余談ですがテレビわんぷり、先週の回でもそれを感じました。ゾウのさくらが、死ななかったことです。
話題になっている、密かな強者
今回の映画、なんといっても初めて喋り、人間態になったウサギの大福くんが話題になっています。
想像はついてましたが、やはりイケメン&イケボでしたね。
そしてキャラ的に俺様系だったのもまたイメージ通りでしょうか。SNS上では、「大福の声は若本規夫だと思ってた」なんて意見も見かけて吹き出してしまいました。大福何歳なんだよ。
この悟くんと大福が今後テレビの方に出るのかどうかはわかりませんが、個人的には映画だけのほうがいいかな…と思っています。ただエンドロールで見た「兎山大福」という字面はなんか面白かったので、テレビで見てみたい気もしますが(笑)。
そんな感じで年に一回のプリキュア映画、今年も楽しんでまいりました。
現状ニチアサの映画では一番勢いを感じるのがプリキュアですね。それはこのサプライズに対する反応を見てそう思います。
気付けば9月、わんぷりも残り4分の1といったところですが少し重めの本題に入ってきたところ、見守っていこうと思います。