遂に発売!シン・仮面ライダーで昨年春に思いを馳せる
七ヶ月待った、11月20日がついにやってきました。
「シン・仮面ライダー」映像ソフト発売日です。
発売が告知されたのが4月、勿論即時予約をしてから実に半年以上待ち、ようやく手元にやってきました。
これにて、昨年私が「絶対観るぞ、円盤も勿論買うぞ」と意気込んでいた映画たちが揃いました。まさか翌年11月までかかるとは思いませんでしたね(笑)。
シン仮面ライダー以外の作品は、この3本です。
いずれも去年中に発売されていますね、一本だけ異様に遅かったのがわかります。
「世界を変える」は悪である、という一つの視点
漫画版、8月に前の5巻を読んだ感想を記事にしております。今回の6巻で、本郷とルリ子がSHOCKERを脱走するところまでが描かれているので、前日譚がようやく終わりました。というか、これに併せてDVD&Blu-ray発売はまさにグッジョブ、どこぞのKKオーグの台詞が出そうな巡り合わせの良さですね。
「堕ちていく物語」と称したように、この漫画は緑川イチローを主人公として映画のラスボスにまで至る経緯が描かれていますが、それに伴ってSHOCKERの組織内部のイザコザ、またオーグメントを造る計画にまつわるあれこれも説明されています。勿論、プラーナについても映画以上のことが言及されているんですね。しかし大筋を読めば、やはり世界を良くしようと思えば思うほど壁にぶつかり傷付いていくイチローがハビタット計画に昏倒するようになる、物語です。基本的に彼を主人公として描かれているので読んでいると彼に同情的になってしまい、ハビタット計画もやむを得ない、と思ってしまいそうな、危険な作品なんですね(苦笑)。
しかし、先に映画を観ている我々は、すでにこのイチローの行いが本郷、一文字、そしてルリ子によって阻止される未来も知っていますし、世界を変えようとするイチローに本郷は
「誰も世界を変えることなど望んでいない、あなたの思い込みだ。
僕は他人をわかるように自分を変えたい。世界を変える気なんてない」
と、諭しています。
一見、彼なりの理があるように見えるハビタット計画ですが、もうこれが答えなんですよね。どんなに自分の中に理由があろうとも、それによって大勢の人間に干渉していい道理はありませんし、それが形を変えるものであればそれはもう、「悪」以外のものでは無くなってしまいます。イチローは救済だと宣っていますが、その実は大量殺戮なんですね。
そしてこの漫画版を読むと、SHOCKERの構成員たちは皆、絶望を抱えている事を理由に倫理的にありえない狂科学を正当化していることがわかります。若干複雑に描かれてはいるものの、見方によってはそれこそ初代仮面ライダーのショッカーが改造人間によって世界征服を目指していたのと全く同じ構図で、無関係の人間の暮らしを脅かす=悪事である、という当たり前の話が展開されているんですね。
仮面ライダーは一作目から最新作のガヴに至るまで、必ず「敵の力」によって変身するヒーローであり、「力は、使う人間によって善にも悪にもなる」をテーマとしているシリーズだと思っていますが、ややもすると「正しいのはどちらか?」とブレが生じそうな物語でもあるんですね。それを惑わせないためには、やはり「SHOCKERは絶対悪」であることを強調しなければいけません、そこにいる人間がいかに悲劇的な経歴を持っていても、です。
そんな漫画版シン・仮面ライダー「真の安らぎはこの世になく」、次巻は来年3月19日発売とのこと。しっかり、最後まで見届けたいですね。
昨年春に還る、Blu-rayディスク
さて、メインディッシュたる映画のBlu-rayですが、本日自宅で一回本編を観ました。通して観るのは数か月ぶりで、そこはかとない懐かしさがありましたね。
思えば半年前、円盤について所感を述べた記事も書いていました。
初回限定盤、特典ディスクが2枚ありますがこちらこそがファンにとっての本編、と言わんばかりの内容になっています。つい先日上映会も催されました、TVフォーマット版全5話や、一時間半に及ぶオミットシーンなどです。
私はとりあえずこちらは今週土曜日、特撮ファンの知人と鑑賞会を実施する予定なので、「そこで初見にしよう!」という約束で、特典ディスクはまだ触っていません。ですが折角念願のBlu-rayゲットですから、とりあえず映画は一回、観ました。
自分でもよく覚えています、昨年4月26日の一日3回鑑賞。
4DXやDolbyCinema、IMAXなど上映形態も制覇しましたし、発声可能な応援上映や、10回以上鑑賞で招待されるSHOCKER NIGHTなどにも参加しましたね、これほど思い出が多い映画もなかなかありません。
そういえば、SHOCKER NIGHTのあった丸の内TOEIは近々無くなるんだったな…といったことも思い出したり。
こういった思い出たちを噛み締めながら、2時間の映画を観ておりました。
仮面ライダーは基本哀しく、しかしそれゆえに格好良いヒーローである。
石ノ森章太郎先生が生み出した原点の良さをしっかり令和の時代に伝え、仮面ライダー映画の最高興行収入を得た作品です。
一人のファンとして今後も推しながら、円盤棚にしっかり入れさせていただきます。
映像特典鑑賞会ののちに、もちろんそちらについても綴る予定です。
シン・仮面ライダーは、まだまだ終わらない!